2026年3月31日(火)
年度末である。加藤文元『はじめての圏論』(講談社ブルーバックス)を読みながら電車で大学に行った。
午後に新年度の大学院生2人とゼミの相談をした。学部生の卒研ゼミが木曜日の午前中、大学院のゼミが木曜日の午後ということになった。院生2人にはさしあたり小野寛晰『情報科学における論理』(日本評論社)の第1,2,4章を読んで様相論理の意味論と証明論の基本を学んでもらう。そのあと、2人のどちらかに証明論的な考察、もうひとりに意味論的な考察を広げてもらって修士論文に向けた研究につなぎたい。
夜はピアノのレッスンに行くのだが、テナーサックスをかついで行って、来週土曜日にまたある楽器店主催の「大人の音楽会」で吹く曲を先生のピアノ伴奏でやらせてもらった。来週火曜日にも合わせる時間をとってもらうけど、そのほかにもどこかで自主練習する時間がほしいな。ひさしぶりにカラオケ行こうかな。
2026年3月30日(月)
朝、見知らぬ外国人と石合戦という原始的な国際交流をする妙ちきりんな夢を見て目を覚ましたら、普通の月曜日である。ほとんどくたばって過ごしたので、日記に書くようなこともなにもないのだが、日記に書けないようなこともなにもない、なかなか無な日ではあった。これはよくない。まるでヌケガラである。
大学への往復は歩いた。帰りは雨になった。
2026年3月29日(日)
コンサート当日。眠気覚ましに早めに出発し、コンビニのハシゴをしながら、歩いて市民会館に向かった。集合時間30分前についたがすでに何人か来ている。
朝9時過ぎからゲネプロ(総稽古)をやる。演奏は問題があったりなかったりだが、困ったのは昨年までに比して格段に楽譜が見えなくなっていることだ。演奏中は息の圧のためか何かわからんが、左右の目の焦点が合わず、楽譜の五線が七線くらいに見える。メガネをかけたり外したり工夫してみたが、どうにもならない。これは、いずれ医者にかからねばならんだろう。
ジョイントコンサートの共演相手は道後中学校と内宮中学校だった。内宮の生徒たちの演奏を舞台袖で聴く。ディープパープル・メドレーの迫力ある演奏のあとで、われわれが舞台裏で拍手喝采していたのは、生徒たちにわかっただろうか。
で、俺たち白石バンドの出し物は「ゴジラ」「ウルトラマン」「ジュラシック・パーク」「宇宙戦艦ヤマト」のSFシリーズと、「大序曲1812年」と、オマケの「星条旗よ永遠なれ」であった。俺は「宇宙戦艦ヤマト」のフィナーレ「大いなる愛」の最初のフルートのソロにクラリネットとオーボエが寄り添うあたりで早くも泣きそうになってしまった。だが泣くと演奏できないので、泣くのはやめて演奏に集中した。最後の「星条旗よ永遠なれ」では、シンドイなあキツイなあカナワンなあという気持ちと、もう終わっちゃうなあ演奏し終わるのが惜しいなあという気持ちが同時にやってきた。大事なところでやっぱり楽譜が見えなくて困ったが、それでも幸福感・充実感とともに演奏を終えられた。ありがたいことだ。
客席の感想を漏れ聞くところによると、メインのチャイコフスキーもさることながら、100人を超える大編成のバンドが全力で奏でる冒頭の「ゴジラ」のほうに、かなりのインパクトがあったらしい。
撤収作業を手伝い、打ち上げにいく。打ち上げはJR松山駅近くの北斗 でしゃぶしゃぶ食べ放題コースだった。参加者は一色社長夫妻を含めて25名ほど。
白石バンドには入っていなかったが、打ち上げのとき近くの席についた横田さんという女性は、道後中学の演奏のお手伝いに入っていた教職大学院の学生さんなのだが、実はこの人をずっと前から知っている。うちのムスメと倅の間のどこかの年齢のこの人は、託児所と幼稚園がうちの子らと同じだった。俺がムスメを託児所に連れていくとき、まだ赤ちゃんだった横田さんがお母さんに連れられてくるのと、しばしばタイミングが一致していて、保育士さんの腕の中で大きな声で泣く横田さんを、元気な赤ちゃんだなあと思って見ていたのだ。幼稚園のイベントでもしょっちゅう見かけたし、なにより、俺が通うピアノ教室に掲示されるコンクール入選者に、子供の頃から何度も名前を連ねていた。いまも音楽の先生をめざして勉強中で、今回の「宇宙戦艦ヤマト」で冒頭のソロを吹いたアルトサックスの山内さんや四国中央市の中学校の音楽の先生になったトランペットの都築さんと同期生らしい。横田さんも、わがムスメと倅の名を覚えてくれていた。いろいろお話できてよかった。さっそく皆で写真をとって、幼い頃の横田さんを知るわが妻に送った。
あと、打ち上げの席で初めてそうと知ったのだが、今年度の秋冬に非常勤先で受け持ったメディアリテラシーの授業の受講生が今回のメンバーのうちに3人もいたらしい。うわっ。恥ずかしいというか照れくさい。
たいへん充実した幸せな週末だったわけだが、俺たちが演奏しているちょうど同じ時間帯に、東広島の西条では如法さん がトランペット奏者としてオーケストラのステージに乗っており、東京の中央大学ではENCOUNTER with MATHEMATICS の第80回「ゲーデルの不完全性定理をめぐって」 が開催されて、菊池さん黒川さん倉橋さんが講演していた。どちらもスケジュールが許せば聴きに行きたかった。実を言うと、ENCOUNTER with MATHEMATICSについては、幹事さんからも、参加するなら旅費くらい出すからぜひとまで言われていたのだ。しかし、さすがに白石バンドが優先となった。
2026年3月28日(土)
そんなわけで朝5時過ぎに寝直したのだから、なかなか起きられない。しかしどうにか9時前に起きて活動開始した。朝食をとり、洗濯をして、電車で出かける。
昨日の情報をもとに午前中に一色楽器にトゥースクッションを買いに行ったのだが、入荷が午後になるというので再訪することにして、とりあえず昼食をとりに行く。昼食は 炎やラーメン で赤ラーメンと白ご飯にした。
それから三越に行った。5階の催し会場でバッグの売り出しをしていたので、明日のコンサート後の撤収が楽になるように大きめのトートバッグを買った。
そのあと、市民会館まで歩いた。堀之内公園は桜が見頃で、けっこうたくさんの人が来ていた。キッチンカーも数々来ていたし、生演奏をするバンドもあった。
市民会館大ホールでは、明日のジョイントコンサートに出演する中学生たちがリハーサルをしていた。慣れない舞台で音がひっこみがちな生徒さんたちに、白石先生がアドバイスを(大きなホールだから、一緒に演奏している他の人の音が、学校の音楽室のようには聞こえにくいけど、普段と同じように演奏すれば、音は客席にちゃんと飛んでいくから心配しなくていい。30分も舞台練習をすれば大丈夫だ、とかなんとか。)した途端、サウンドがガラリと変わった。これにはびっくりした。素直に話を聞いた生徒さんたちも偉いが、白石先生にはもう頭が上がらないと思った。
リハーサル室ですこし練習をした後、また散歩に出る。いよてつ高島屋の紀伊国屋書店で本を2冊買ったが、ポイントカードを出そうと思ったら、スマホがない。市民会館に置き忘れてきたらしい。すぐに会館に戻るべきかもしれないが、トゥースクッションの入荷時刻をそろそろ過ぎている頃合いだと思って一色楽器を再襲撃した。そしたらなぜか店に川尻さんがいた。スマホの事情を話したら、一色社長が市民会館にいるはずの島谷に電話してくれた。そしたら、大ホールのロビーのトイレに忘れていて、白石先生が確保してくれているらしいとわかった。それはひと安心だが、しかし恥ずかしく申しわけない。一色楽器からとり急ぎ市民会館にスネアドラム一台を運ばなければならないというので、俺と川尻さんが持っていくことにした。
さて夕方からは二度目の合奏だ。昨晩の進捗を踏まえて細かい点などの確認をする。昨日も書いたけど、大変だが楽しい時間である。明日はいい演奏にしたい。
2026年3月27日(金)
洗濯と最小限の調理を済ませて歩いて出かけ、お昼前に市民会館に着いた。
ホールについてすぐに、少し音出しをしたが、演奏時に下の前歯に被せるトゥースクッションというものが残り少ないので、昼休みの街を歩いて一色楽器に行ってみた。あいにく在庫はなかったが、明日入荷するはずということだったので、今日はCanDoであぶらとり紙を買ってきて間に合わせた。あぶらとり紙をトゥースクッションの代用にするというのは、あの須川展也さんが使っている方法でもあるらしい。
夕方からは最初の合奏だ。いつもこれが、大変だが楽しい。今回はバテることもなく、まあ心地よい疲労感くらいで、明日も頑張ろうと前向きな気持ちで練習を終えられたのでよかった。
練習が済んだ後は、川尻さんと市駅前のリュードバックで軽く飲んで、終電で帰宅した。一度寝たけど朝3時ごろに目覚めて、焼酎甲類の水割というチープな飲み物を片手に、読みかけだった筒井康隆・蓮實重彦『笑犬楼vs偽伯爵』(新潮社) —— カバー裏の写真がかっこよすぎる —— を読み終えたら、もう5時になっていた。
2026年3月26日(木)
今日と明日は先日の休日出勤の代休をとっている。
日曜日の演奏会に備えて、午後には白石先生の家の楽器庫から打楽器をホールへ運搬する。さすがに引越業者のトラックをチャーターするが、積み下ろしはわれわれがやる。3時過ぎに行ったが、作業開始は4時前からだった。昨日の雨模様が嘘のように天気が良くて外が眩しかった。
例年はキャメリアホールで開催する演奏会だが、今年はキャメリアホールにメンテナンス工事が入っているため、市民会館大ホールを使う。聞けば市民会館はもうすぐ閉館してしまうのだとのこと。このステージに乗るのは今回が最初で最後ということになるのかもしれない。
打楽器の搬入が済んだら、サックスの音出しと練習をさせてもらう。6時すぎまでホールでウォーミングアップをしたり、楽譜をさらったりした。
バテない程度に練習してから、楽器を片付けて外へ出た。スーパーのハシゴをして食材を買いながら歩いたらけっこう帰りが遅くなった。
予定どおり休肝日にした。ノンアルコールものをいくつか飲んだ。
2026年3月25日(水)
今朝は夢の中でリストの「愛の夢」の有名なメロディーが聞こえていた。夢の中では誰か知人の演奏ということになっていた。ホルンの独奏で伴奏はピアノだった。
目覚めてみれば、外は雨である。なんだかやる気がでないが、そうも言っていられない。
夕食は池田さん大西さんと3人で、本町の焼き鳥「くるみ」に行った。大西さんが常々提案している読書会について池田さんをまじえて相談した。
2026年3月24日(火)
今朝の夢は《遠隔の地に楽器を持たずに演奏旅行に行って困っていたら、地元の知人に借りてきてくれた人がいて、3人がかりで拙宅から持ってきてくれた人たちがいて、結果、楽器が2本あって、どうしましょう》という話だった。夢の中で親切にしてくれた人たちどうもありがとう。現実にも演奏会が近いので、そろそろ楽器のことを気にしよう。
きょうは大学の卒業式の日だ。天気がよくてなによりである。送り出すこちらとしても、それなりの格好をすべきという考えもあり、すこし迷ったが、結局あまり普段と変わらない服装で、歩いて大学に行く。
コロナ禍のおかげで卒業式がない年もあったのだが、この大学にかれこれ35年弱いることになる。すっかり伝説の妖怪だ。
おまえさん、山に入るのか。気をつけなされ。あの山には年古く住むモノノケがおって、わけのわからぬことを話しかけてくるが、決して返事してはならん。そのモノノケと言葉を交えたら最後、人知れぬ山の奥に連れて行かれて、二度と戻っては来れんのじゃ…
というわけで、モノノケにとられることもなく無事に山を、じゃなくて、大学を卒業なさるみなさん、おめでとうございます。これからもがんばってください。
昼の記念パーティーでお酒もだいぶ飲んだけど、夜にはピアノのレッスンにも行ったよ。
2026年3月23日(月)
電車で大学に行った。午前中に学部の委員会のリモート会議があった。午後には研究室に新しいプリンタが届いた。そのあと夕方に全学のとある委員会のリモート会議があった。
空き時間にはCooper本の第11章第1節を読んだ。
Selmanの定理 (Cooper本の定理11.1.13) の証明がどうもよくわからんなあと思ったら、そう思うのは俺だけではなかったらしく、Stack Exchangeに質問が載っている。 あと、英語版ウィキペディアにもSelmanの定理の記事があり、証明が載っている 。いろいろ勉強に使えるリソースが手に入りやすい時代になったのはありがたい。
普段は定例の休肝日にしている水曜日に、今週は外食の予定を入れたので、休肝日の振替をしないといけない。明日は卒業記念パーティーがあるので、木曜日を振替の休肝日にしようと思う。しかし木曜日が実際どんな日になるか、先のことはわからないので、前倒しできょうも臨時の休肝日にする。
2026年3月22日(日)
返却期限日なので、コミセンの図書館に本を返しに行く。フランクリン・パーキンズ『ライプニッツ』 (梅原宏司+川口典成訳, 講談社選書メチエ)を読み終えられなかったけど、続きを読みたい。一回延長手続きをしてもらったものは再延長できない。仕方がない、再び配架されるのを2時間以上も待って、また借りてきた。他にも料理関係の本など計8冊を借りて、図書館を脱出し、次の予定の時間まで、地下BALで時間を潰すが、あの「酔っ払いのランディ」が登場して大変だった。
夜はあいにくの雨模様だったが、富山大学の池田真治さんと、二番町のVivaハウス で焼肉を食った。池田さんは28日土曜日まで松山に滞在なさるという。今夜は飲み食いしながらいろいろお話しして、今後の研究について示唆が得られた。ありがたいことだ。
2026年3月21日(土)
朝7時に起床し、朝食には昨日作ったカレーを食う。きょうは天気がよいし、明日は雨の予報なので、洗濯をする。昨日の夕食の唐揚げの骨を炊いてスープを作るのも忘れちゃいけない。
すこし数学もやる。S. Barry Cooper “Computability Theory” (Chapman&Hall, 2003) という本が、いろいろの事情でボロボロになっているが、一応、うちにある。Enumeration Reducibility について基本的なことはこの本(第11章あたり)に載っている。これを読もう。
午後には例によって一色楽器に油を売りに行ってきた。シマタニはきょうは上の階でトランペットの練習をしていた。
2026年3月20日(金) 春分の日
今朝も気づいたら8時半だった。春眠不覚暁。休日なので、まあいいのだ。
洗濯を済ませ、いつものカレー作りをする。昨日地下BALでおすそわけしてもらった新玉ねぎを使った。新玉ねぎの甘みとパウダーペッパーの辛味、クミンシードとコリアンダーの香味がいい具合に調和して、かなり美味しいものになった。
作ったばかりのカレーで昼食を済ませて、長めの昼寝をした。その後は、すこし散歩した。
夕食には鶏の唐揚げを作った。いつもながら、あまりうまく揚げられない。唐揚げにも工夫の余地があるようだ。それに、揚げ物用の温度計くらい用意すべきなのかもしれない。
欲ばらないで今夜は早めに寝ることにしよう。
2026年3月19日(木)
朝起きて、ゴミ出しをしてから、二度寝をしてしまい、気づいたら8時をだいぶ回っていた。やはり出張帰りで疲れていたようだ。
電車で大学に行く。市内電車にはスーツ姿や振袖袴の若い人たちがたくさん乗っている。松山大学の卒業式の日なのだ。
午前中に今年度最後の理学系会議があり、そのあと、いつになく、中島さん佐藤さんと一緒に来来亭 で昼食をとった。この頃は研究室で一人で昼飯を済ませることが多いのだけど、たまにはこういうのもいいだろう。
昨晩ずっと降っていた雨も上がり、昼頃には春本番を思わせる陽気となった。ありがたいことだ。暑さ寒さも彼岸まで。
そうだ昨日考えたことを清書しなくちゃ、とかなんとか言って、会議の前後から、メモ帳にボールペンで数式をいろいろ書いていたのだけど、気づけばそれは、昨日の晩にLaTeXで清書したばかりの内容だった。自分が清書したという事実自体が抜け落ちている。
そういえば朝の薬も飲むのを忘れて出てきた。(研究室にストックがあるので問題はない。)あれもこれも出張の疲れのせいなのか、あるいは頭がいよいよイカれてきたのか。
夕方、松山三越のジュンク堂に取り置きを頼んでいた本を受け取りに行った。 結城浩『AIと生きる』 (SBクリエイティブ)だ。他に丸山善宏『万物の理論としての圏論』 (青土社)など、合わせて4冊買った。
北上のロジック・ウインタースクールでの木原さんの話を聞いて、もう少し圏論について知りたくなった。それで丸山善宏の本を買ったわけだが、すでにうちには加藤文元『はじめての圏論』 (講談社ブルーバックス)やユージニア・チェンの英語の本(川辺治之訳 『世界は圏論でできている』 (森北出版)の原書、“The Joy of Abstraction” (Cambridge) を含む)などなど、圏論に関する本はいろいろある。丸山の本も含めて、そのあたりから読んでいこう。
読書についてこれまで俺は何度も「あれも読まんならん、これも読まんならん。」と書いてきたが、今後はこれを「あれも読みたい、これも読みたい。」と言い換えることにしよう。数学や哲学の理論にしても、べつだん誰かにこれをやれと命じられたわけでもないのだから、「〇〇を勉強せにゃならん」という MUST よりは、「〇〇を知りたい」という WANT のほうが実情に近い。わざわざ WANT を MUST に言い換えて自分を呪縛することはない。だいいち、宿題は他所から課せられるだけでたくさんだ。
2026年3月18日(水)
北上には、今回初めて来た。静かな小さな街だ。
かつて昭和のころはもっともっと賑わっていたんだろうなあという、栄光の名残りがあちこちに見られる。街を歩くと、なんだか切ない感じを覚える。まあ、俺自身が歳をとったからでもあるだろう。
朝の「はやぶさ」に乗って東京に移動し、羽田から飛行機で松山に戻った。
一昨日に夏油高原スキー場で木原さんと議論した閉集合までの距離の問題は一般的な形で結果が得られた。引き続き、定義可能なコンパクト集合から定義可能な要素を取り出すという議論(すっかり既知の結果ではあるが)について帰りの飛行機とバスの中で考えた。
2026年3月17日(火)
ロジック・ウィンタースクール5日目で最終日である。
午前中は木原さんの発表の続きで、オラクルつき計算を層とかトポスとかの言葉に書き換えてゆくのだが、これが滅法面白かった。
木原さんの発表のあと、湯山孝雄さん(ZEN大学)のショートトークがあった。群の語の問題と形式言語理論のトランスデューサーに関する話だった。
昼休みにはまず北上駅東口の土産物屋に行ってお土産を調達してから、西口方面に戻って、喫茶店「森のみみずく」 で牛すじカレーを食べた。「森のみみずく」は、ちょっと懐かしい感じの小さな喫茶店で、ピアノ音楽のBGMがいい具合に流れ、老夫婦らしき二人が力を合わせて働いていらした。牛すじカレーは、一口目はとても甘く感じたが、食べ進むうちに、甘さの中にちょうどよい辛味が感じられる。ちょっと独特な風味だったが、なかなか美味しかった。
午後のセッションでは新屋さんのレクチャーを聴く。形式言語理論の現状、ご自身の研究結果、未解決問題の紹介を、(途中にスノボの動画を挟んだりしながら)実に丁寧にやってくれたので、勉強になった。
今回のロジック・ウィンタースクールは「幾何と論理」というテーマを設定していたのだが、木田さんと池渕さんの講演とか湯山さんの発表とか、見村さんと横山さんの未解決問題共有などを聞いていると、案外「群と論理」でもよかったのかもしれない。とはいえ俺の話は幾何でも群でもなかったけどね。
全体にいい刺激がもらえて有意義な会だった。幹事の新屋さん黒幕の木原さん、おつかれさま&ありがとうございました。
集会のお開きのあと、少し時間があったので街を散策した。ツインモールさくら野 に行ったり、夕闇せまる広瀬川せせらぎ緑道 を歩いたり。
夜は青柳町2丁目の炭火焼肉「よし邑」 で、後泊組4名(池渕さん木原さん新屋さん俺)だけでウチアゲを敢行した。
2026年3月16日(月)
ロジック・ウィンタースクール4日目はエクスカーションだ。シャトルバスに乗って夏油高原スキー場 に行った。
今回のウィンタースクールの幹事をしている新屋良磨さんは、大学の数学の先生でもあり、かつ、このスキー場のスノーボード教室の先生でもある。学術にもスポーツにも本気の人だ。
ウィンタースクール参加者の若い人たちは新屋さんについてスノボなりスキーなりを体験しに行ったが、俺は年齢と体力を考えて、さすがにやめておく。
代わりに温泉に入った。雪山の渓谷の景観を堪能できる露天風呂と、同じく見晴らしのよいサウナが備わった、いいお湯だった。
温泉から上がって、フードコートで缶ビールを調達してミーティングルームに戻ると、木原さんがひとりで仕事をしていた。
木原さん相手に少し数学の議論をさせてもらったおかげで、昨日書いた疑問点について示唆が得られた。
一般の空間の要素をオラクルとした計算については Computable Analysis の分野でいろいろ考えられていて、今回の俺の疑問についてなら Enumerataion Degree という観点から調べてみるのがよさそうだとのこと。これは言い換えれば、記述集合論の研究対象となる“RP空間”の定式化自体を変更することにつながるだろう。それはなかなか大変だ。
俺が思いついた対処法は、オラクルへの問い合わせが YES/NO を答えるほかに «永遠に答えを返さない» 場合を容認するという方法だ。少しこの方法で押してみて、それと Enumeration Degree の方法を比較するというアプローチが有望に思われる。
点から集合までの距離の問題については、議論の結果、俺の予想に反例があることをつきとめた。思いのほか自然な反例であり、いろいろ考えが広がるきっかけになってくれそうだ。ありがたいことだ。
残った疑問は\(\Delta^1_1\)集合の閉包の定義可能性だ。これは自分でルヴォーの論文 などを参考に考えてみよう。というか、あの論文に答えが書いてあったかもしれない。
昼食は、スキー場のカフェで、みんなで美味しいピザを食べ、生ビール(ヘリオスのホワイトエール )を飲んだ。いい温泉といいピザといいビール。なんともいいスキー場である。雪山に来るのなんて、高校の部活の卒業旅行で志賀高原に行って以来だから、もう40年近くなる。まあ、その後も研究集会のために雪に埋もれた北見の街に滞在した経験 はあるが。
昼食後には、ゴンドラに乗って山上の展望台まで集合写真を撮りに行った。素晴らしい景観である。樹氷も見られた。が、とても寒かった。新屋さんと若者たちはそれぞれスキーなりスノボなりでベースまで滑って戻る。スポーツとは無縁の俺と木原さんだけは、下りのゴンドラに乗った。
ともあれ、いい経験をさせてもらった。たまには誘いに乗ってみるものである。
2026年3月15日(日)
ロジック・ウィンタースクール3日目。朝食をとってシャワーを浴びてヒゲをそって、街を少し散策してから会場入りした。
午前中は池渕さんの講義の4〜5回目だ。圏とホモロジー代数の言葉で数理論理学を定式化する新しい試みであるらしい。
午後は若手の研究者3名が自分の研究を紹介する短いセッションがあり、そのあと、俺の講義の第3回以降をやる。第2回で話せなかった部分と第3回の主な部分を詰め込んだスライドを見せながら第3回を超特急でしゃべったら、第4回と第5回はだいぶ時間が余った。あ〜あ。ともあれ、どうにか役目は果たしたぞ。
休憩のあと、木原さんがオラクルつき計算の多項式ファンクターによる定式化の話をして、横山さんが有限表示群に関する未解決問題の紹介をして、きょうのセッションはおしまい。
先月14日に依頼を受けてから1か月ほどで5コマの講義を準備してしゃべるということをやってみて、一般の空間の要素をオラクルとした計算とか、点から集合までの距離の問題とか、これまで考えてこなかった疑問が浮かんできた。引き続き考えなくては。ううむ。たいした研究などしていないのに、なかなかこの分野からも足を洗えない。
昨日書いたとおり、今夜は宿でおとなしくしておく。コンビニで買った夕食を部屋で食べたら、ロビー階のコインランドリーで洗濯をしよう。
2026年3月14日(土)
午前中の木田さんの講義のあと、昼食には北上川のほとりのANAホリデイイン岩手北上 というところのレストラン「リバプール」に連れて行ってもらって、インドカレーを食べた。目の前の北上川では水鳥たちがあそび、遠くに雪化粧した山々をのぞみ、晴れ渡った青空がひろがる。すばらしい景観が楽しめるところだった。
午後は池渕さんの講義の2〜3回目だ。ホモロジー代数の基本のところを丁寧に説明してくれた。このあたりは、だいぶ以前になるが位相幾何の講義を受け持ったときと、数年前にホワイトヘッド問題の独立性について勉強したときに、多少なりとも学んだところなので、どうにかついていけた。
夕方からは俺の講義の1〜2回目である。古典記述集合論の、ススリンの定理とかルジンの単射定理あたりをそれなりに解説し、一意化問題の定式化をした。急遽スライドを使わず板書で講義することになったこともあり、予定の半分くらいのペースでしか進めなかった。それはそれでオーディエンスには聴きやすい話になったらしい。ありがたいことだ。
とはいえ、曲がりなりにでも予定をこなしたいので、明日はスライドを使って特急でしゃべらせてもらうよ。
夕食には講師陣(木田さん、池渕さん、木原さん、新屋さん、俺)東北勢(横山さん、見村さん)で、青柳町の焼肉「賛美」 に行った。美味しい焼肉とお酒を堪能したが、個人的にはちと予算オーバーであった。明日の晩は宿で極力おとなしくしておこうと思う。
2026年3月13日(金)
早めに家を出て、時間に十分余裕を見てバスで松山空港に来て、待合ロビーで講義5回目のスライドづくりにとりかかった。補題をひとつ書きかけたところで搭乗時刻が迫ったので、パソコンを閉じた。飛行機が飛んでいる時間が短くけっこう揺れたので、機内ではパソコン仕事をせず、考えを紙にまとめる作業をして、スライドの内容のメドをつけた。
羽田からモノレールと山手線を乗り継いで東京駅に行き、駅弁を買って東北新幹線のやまびこ61号盛岡行きに乗る。目的地は北上だ。新幹線の車内でパソコン作業を再開し、5回目の講義スライドを、最後の応用編をのぞいてほぼほぼ書き上げた。
JR北上駅西口を出れば、ウィンタースクール会場の生涯学習センターは目の前だ。東大の木田良才さんの講義はエルゴード理論への記述集合論の応用に関する話でたいへん興味深かった。京大の池渕未来さんの発表はどうやら形式論理の新しい定式化の話であるらしい。
何人かの参加者で新時代 岩手北上店 で夕食のあと、宿に落ち着いてスライドを見直す。けっこう間違いが見つかる。見つかるハシから直していくのはいいのだが、聞くところによると、明日は会場でプロジェクターが借りられなくて、ホワイトボードを使う講義をせにゃならんらしい。ううむ。作戦の立て直しか。
2026年3月12日(木)
きょうは電車で大学に来た。後期日程の入試をやっているのでキャンパスは静かなものだ。ロジック・ウィンタースクールの講義4回目のスライドを作るのだが、午後には入試業務で作業を中断せにゃならん。入試が済んでから少し頑張って、夕方には4回目の講義スライドができた。歩いて家に帰る。ムスメが夕食にラーメンを作ってくれた。
2026年3月11日(水)
自転車で大学に来て、昨日の作業内容を下敷きにしつつも大幅に書き換えて、夕方までに5回の講義のうち2回分の講義スライドを作った。
帰宅して夕食後に、第3回の講義スライドもできた。あと2回分はどうしようか。
水曜日なので休肝日にする。
2026年3月10日(火)
朝のうちに洗濯をすませて歩いて大学に来て、ロジック・ウィンタースクールの講義スライドづくりを始めた。ときどき日和ってうたた寝をしたりしつつも夕方まで作業し、歩いてピアノのレッスンに行った。大学からレッスンに回るのは久しぶりだ。
というわけで火曜日の夜はピアノのレッスンがある。昨年末から練習してきて、多少なりとも音は並ぶのだが、まだまだ音楽になっていない。だが少しずつ楽しくなってきたのでがんばろう。
レッスン後、地下BALで飲みながらスライド作りの続きをしていたら、カズノさんから連絡があって、大街道のカラフルで友人と飲んでいるから来いという。誘われて行ってみた。カラフルは1990年ごろの雰囲気を残す小さなライブハウスで、初めて行ったがいい感じの場所だ。しばらく飲んでしゃべって解散となって、テキトーに帰宅した。
2026年3月9日(月)
自転車で大学に行った。午前中に学生との面談を1件済ませて、午後は時間が空いた。休み休みだが、ロジック・ウィンタースクールの講義ノートづくりを進める。いろいろ書き加えて、当初の目的であったルジン-ノヴィコフの定理の証明に必要なことはひととおり書けた。すでに43ページも書いたのに、アルゼニン-功力の定理にはまだ手が届かない。夜中までいろいろ考えたのだが、これは諦めた方がいいかもしれないな。
2026年3月8日(日)
朝食後にすこしがんばって、一番大事なルジン-ノヴィコフの定理の証明は過不足なく書けた。あとは実効記述集合論に関連する基本的なことを書き、書き散らした補題を交通整理して講義ノートを人間に読めるものにすることと、定理の応用例を少し書くこと。アルゼニン-功力の定理はどうしようか。講義ノートを充実させるのはいいが、早く終わらせないと、こんどは発表スライドづくりが間に合わない。
とかなんとか言いながら散歩に出て、トマト書房でアレクサンドル・コイレの『閉じた世界から無限宇宙へ』とクルト・メンデルスゾーンの『科学と西洋の世界制覇』(どちらもみすず書房)を入手した。
2026年3月7日(土)
きょうもロジック・ウィンタースクールの講義ノートを作る。さっさとルジン-ノヴィコフの定理の証明を書いてしまわねばならない。
パソコンに向かって作業していると、LINEでカズノさんから連絡が入った。古着をくれるという。洗濯を済ませてから、お昼時に松山市駅まで出向いた。高島屋のクレモンティーヌ で川尻さんに給仕してもらってランチをご一緒し、市役所第4別館裏のカフェ「めしSAKE珈琲 高本」 で、キンミヤトマトというカクテルを一杯飲んだ。夕方からバイトだというカズノさんとはそこで分かれ、俺は松山市駅方面に戻った。高島屋の紀伊国屋書店をチラッと見たあと、いつもの一色楽器に行った。今週は島谷がフリューゲルホーンの新しいマウスピースを試していた。マウスピースを替えるだけでずいぶん音色が違うもんだ。俺は俺で、アルタスのフルートをちょっとだけ試奏させてもらった。社長が言うには、フジタがサックスで出すあのスケベな音がフルートでは出てこない。スケベな音を出さないんじゃあ、フジタじゃない。とのことだった。そりゃまあ、フルートは清純派の楽器ですからな。
外出中も講義ノートのことは気にしていて、カフェや楽器屋の店先でも、ちまちまと手書きメモに数式を書いていたのではあるが、帰宅と夕食のあとは、なんだかうたた寝ばかりして、ノート作りも捗らなかった。
2026年3月6日(金)
昨日の日記に書いた \(\Sigma^0_1\) に対する普遍集合の話は、2023年に沖縄で講義した時の資料に書いた定式化に変更することにした。そのほかいろいろの事項を2023年の沖縄の講義ノートと昨年の仙台の講義ノートから引っ張ってくる。とにかく刻限に間に合わせないと。
午後には学部の会議があり、そのあと新年度の卒研ゼミ生たちとの最初のミーティングがあった。新年度の卒研ゼミ生は3人だ。きょうは1人だけ都合で欠席していたが、3人ともこのあいだまでの3年生ゼミのメンバーだったから、まあ話は早い。予定どおり、テキストには嘉田さんの『数理論理学』 (森北出版, 2025年)を採用する。今年度の卒研ゼミでは前原昭二『記号論理入門』(日本評論社)というとても古い名著を読んだが、次年度のテキストは打って変わって新しい本で、なにしろ昨年6月刊行だから、これを卒研ゼミで読むというのは世界初かもしれない。
夕食に豚肉の鍋を作った。少なめに作ったので、ほとんど全部ムスメが食ってしまった。その後、いつものカレーを作った。今回は鶏の皮がメインの具である。ぼんやりしていて、せっかく刻んだピーマンを入れるタイミングを逸したが、まあそれなりのものができた。
夕食後、ごにょごにょ考えて、ロジック・ウィンタースクールの講義の主定理(ルジン-ノヴィコフの定理)の証明の方針を立てた。なんとか刻限に間に合わせられそうだ。とはいえ、まだいくつか準備しなければいけない補助定理があり、それがまたひと仕事である。いちばん重いところ(フェファマン-ハリソン-クリプキの定理: 実数の \(\Sigma^1_1\) 集合が \(\Delta^1_1\) でない要素を含めば完全集合を含む)を昨年10月上旬に自習ノートで片付けておいたのでずいぶん助かる。
2026年3月5日(木)
午前に会議があり、午後に来年度に向けての仕事を少しした。
それ以外の時間は講義ノートづくりである。細字体の点集合族 \(\Sigma^0_1\) に対する普遍集合の定義まわりでちょっと詰まってしまった。
考えている空間がベール空間 \(\mathcal{N}\) だった場合は \(U^{\mathcal{N}}=\{(e,\alpha):\Phi_e^\alpha(0){\downarrow}\}\) で話は済む。一般の空間でも、この同じ定義で作った \(U^X\) の切り口としてすべての \(\Sigma^0_1\) 集合が得られるが、しかし \(U^X\) 自身が \(\Sigma^0_1\) になる保証がない。美しい定式化だが、この方法は諦めるべきかもしれない。
そもそも一般の空間の要素をオラクルとした計算をどう定義するのか、そこにも検討の余地がある。テキトーな理解で普段済ませていると、こういうときに困る。
期日は刻一刻迫ってくる。どうしたもんかなあと考えながら、今夜も寝てしまう。
2026年3月4日(水)
今月1日の休日出勤の代休をとった。ロジック・ウィンタースクールの講義ノートづくりをする。一意化(uniformization)の問題について述べて、まずはノヴィコフ-近藤-アディソンの一意化定理の証明を書く。ただし、この講義の目標はルジン-ノヴィコフの定理だ。
2026年3月3日(火)
橋爪大三郎『正しい 本の読み方』の132ページ〜145ページあたりでは、レヴィ=ストロースが話題になっている。レヴィ=ストロースは自分の仕事の背景に、マルクス主義・フロイト・地質学の3つがあると認めているという。そして橋爪は嘘じゃないのだけれど、でもそのほかに、大事なことが隠してあるかもしれない。大事なことほど、本のなかには書いてなくて、著者がどこかに隠しているかもしれない。 といい、数学、とくに微分幾何学が、レヴィ=ストロースの背景にあるはずだぞ、という。それも本当なのだろう。ただ、俺は前から言っている通り、そもそもマルクスとフロイトが微分幾何的なんだと、素人考えながら、思っている。ひょっとして、橋爪はそのあたりを見抜いているのだろうか。
そう思いながら読んでいくと、146ページ〜147ページの、フーコーの『知の考古学』を(訳本が誤訳だらけで読んでもわからないと)論じているところで、橋爪はたぶんフーコーの権力分析は、相対性理論(重力場の理論)から、多大な影響を受けている。 と書いている。やはりな。橋爪はさすがに鋭く見てとっている。
橋爪がフーコーに見てとったアインシュタインの「影響」が、そもそものマルクスとフロイトに見出せるか。もちろん時系列的にはマルクスの経済学もフロイトの精神分析も、アインシュタインの一般相対論に先立つわけで、そういう意味では、影響はありえない。だが、方法論が微分幾何的であるという意味では、マルクス・フロイト・アインシュタインには共通の根っこがあるようにも考えられる。
このことについては昨年5月12日の日記 にも書いた。
まあ、結論を急ぐのはやめとくけど、マルクスとフロイトの微分幾何的方法論については、おいおい明らかにしていきたい。
このおいおい明らかにしていきたい着想の元は、実は、橋本治の書いたコラムにある。
橋本はそのコラムで、20世紀を作ったのは、マルクス・フロイト・アインシュタインという3人のユダヤ人で、橋本はそのうちマルクスとフロイトは読んで理解したので、残るアインシュタインを読みたい、理解したい、けど理解できる気がしない、云々と書いていたのだ。べつだん橋本がそこで微分幾何を語ったわけではない。ともかくそういうコラムが『デビッド100コラム』か『ロバート本』のどちらかにあったと思う。古本を調達して確認せねば。
それ以降は橋本治のそのコラムに触発された俺の、いわば妄想だ。
俺は、この3人に共通する発想として、古典主義的な思想が想定していたまっすぐな空間が実は歪んでいて、その歪みの効果を、我々は力と感じる、そういう発想があると思ったのだ。歪みの効果としての力というのは、第一にはアインシュタインの重力論なんだけど、フロイトが無意識の力を語る場合も、マルクスが資本主義的な生産関係を語る場合も、眼に見えるこの空間の中にいながらにして、眼に見えない力の効果をいかにして測定するか、そういう話をしているように、俺は直感した。直感したけど、それを確かめるには、かなり文献を読み込まないといけない。なので、いまのところは、おいおい明らかにしていきたい、というしかない。
まあ、老後というか定年後の楽しみだ。
定年後の楽しみはおいといて、いまは13日からのロジック・ウィンタースクールの準備をせにゃならんぞ。
火曜日の夜はピアノのレッスンに行く。ぜんぜん練習できていない。これもなんとかせにゃ。
2026年3月2日(月)
昨晩は朝4時すぎまで本を読んでいたので、起きるのが辛い。しかし、起き抜けに両脚同時こむら返りを喰らったおかげで、いっぺんに目が覚めた。きょうは一昨日の休日出勤の代休日にしよう。
コミセンの図書館で借りてきた科学史家の小山慶太の『知的熟年ライフの作り方』(講談社現代新書, 2000年)を、朝の3時前に読み終えた。タイトルどおり「作り方」を期待して読み始めたのだが、具体的なノウハウはそれほど詳しく書かれていなくて、先輩たちの事例と、おおまかな心がけが書かれていた。それならそれで参考にしよう。
そのあと、眠れないことに居直って、先日から読み進めていた稲垣良典『トマス・アクィナス『神学大全』』(講談社学術文庫)を読み終えた。どちらかというと薄い本なのにこんなに時間がかかったのは、自分で思っているより自分が飽きっぽいからに違いない。この本では、あの『神学大全』を、近現代の思想とその背景にある形而上学・自然観・人間観に対する挑戦状と受け止めるという立場が一貫していたので、読んでいて「俺たちの何が間違っているというの?」と文句を言いたくなる箇所はいくつもあったが、それはそれとして、たいへん面白かった。とはいえ、近現代の思想がこのような方向に向かったのにも理由があると、俺は思っている。このあたり、俺なりに丁寧に考えなくてはならん。
最近なんだか読む本が講談社に偏っている。次には橋爪大三郎『正しい 本の読み方』(講談社現代新書, 2017年)とフランクリン・パーキンズ『ライプニッツ』(講談社選書メチエ 知の教科書, 2015年)を読む。
2026年3月1日(日)
月が改まって、今月下旬にはコンサートである。HTML内チラシを貼り直そう。
朝起きてメシ食って洗濯して、午前中は北上での講義の準備をした。解析集合の定義まわりのことから始めて、ルジンの分離定理の証明の目鼻をつけた。午後は自転車で大学に行って、この時期恒例のあの仕事の最後の仕上げ作業をした。それからコミセンの図書館に行った。きょうが返却期限の本が8冊ある。3冊延長してもらい、あとの5冊を返し、あらたに4冊を借りた。天気がよく春の予感にあふれた明るい日だったので、外に出るのは気分がよかったが、花粉のせいで少々鼻がむずむずした。
きょうは追加の休肝日とした。