て日々

2022年4月

目次へ

よい天気である。家族みんなのものを洗ったので洗濯ものが多かった。妻と力を合わせて玄関先や廊下や階段を掃除したり、その合間に夜に備えてピアノを弾いたり。

夜、ピアノの本番。ピアノ教室を運営する楽器店が主催した「大人の音楽会」だ。俺が演奏した曲は往年のヒットソング「アイ・ライク・ショパン」だが、ショパンのノクターンのパロディというかオマージュというかパスティーシュというか、人を喰ったような不思議なアレンジになっている。いくつか小さなミスをしつつもどうにか無事に弾き終わった。ただ、この曲で自分が何をしたいのかは自分でも最後までわからず、その点、ちと不完全燃焼であった。このごろ毎回そんな感じで、行き詰まりというか壁というか限界というか、なんとかもう一段階突破せねばならない。

しかし考えてみれば人間というのは贅沢なものだ。以前は人前でピアノを弾くだけで精一杯だったから、この曲で自分が何をしたいのか、なんて考えも及ばなかったのだが、少し気持ちに余裕が出てくると、「表現が」とか「演奏の意義が」とか、上手く弾けもしないうちからいろいろと欲が出てしまう。壁を突破したいなら、やるべきことは決まっている。もっと真剣に練習すべきだ。

終演後、いつもの地下BALに行くことにする。途中でヤマちゃんに遭遇したので一緒に行き、ビールを1杯飲んだ。その後、電車で帰宅。コンビニで買った酒を妻とくみかわしつつ、深夜まで話す。

きょうも雨。明日の本番に備えてピアノの練習をする。昼飯にはラーメンを作った。いつもの創味シャンタンではなく鶏ガラスープとナンプラーをベースにしたスープで、これはこれで旨かった。

夕方には雨が止んだ。妻が帰省してきて、ようやく家族4人が揃った。夕食はハンバーグにした。付け合わせの野菜を多めにして、皆にもなかなか好評だった。

晴れたので洗濯をする。昨日の演習の小テストの採点と集計を済ませる。サックスのストラップを買い替えたが、なかなか試す機会がない。夕方、軽い気持ちで飲みに出かけたら、帰りがすっかり遅くなってしまった。子供らよ、すまん。

午前中、ぐずぐずといまひとつの天気。洗濯は明日に延ばして大学へ行く。解析の演習の授業と学部の会議。夕方にはようやく晴れ間が見えだした。夕食は厚揚げのそぼろ煮。それとは別に、明日以降に備えて、つくりおき食堂 by まりえごはんレシピ本 を見てチャプチェ的なものを作り、あと、豚キムチを作った。

きょうは雨がよく降って暖かく、なんだか梅雨みたいな空模様だった。卒業研究ゼミは鹿島亮『数理論理学』第2章の演習問題をやった。この一週間ほど、なんだかんだ言って『量子物理学のための線形代数』を読む手が止まっていたので、反省しつつほんの少しだけ進める。夕食は肉じゃが。夜にはピアノのレッスン。土曜日にピアノの本番がある。がんばるしかない。

夜あまりよく眠れない。それで昼間が物憂い…って、このごろ月曜日のたびにそんなこと書いてる気がするな。月曜日は授業の担当はないが、大学へ行って水曜日の解析の演習の準備をしたり、古本屋へ本を探しに行ったり、倅の通院している医者へ書類を書きに行ったり。

朝、雨の中を歩いて市議会議員選挙の投票に行き、その足でフジグラン松山へ行ったら、白石先生に遭遇した。フジグラン1階で食材を買って帰り、昼飯は冷やし中華にした。

一日中曇り空。午後、倅のコロナワクチン接種3回目のためアイテムえひめに行った。竹内薫『ゼロから学ぶ量子力学 普及版』(講談社ブルーバックス 2022年)を読み終えた。

解析学の講義。一様連続性の概念。半直線 \((0,+\infty)\) 上の関数 \(f(x)=x^2\) が各点 \(a\) で連続であるものの、\(\varepsilon\) に対する \(\delta\) を選ぶにあたって \(a\) にも依存して選ぶしかないという事例の説明に30分ほど費やした。さらに、同様の事例として開区間 \((0,1)\) 上の関数 \(f(x)=1/x\) を挙げ、\(\mathbb{R}\) 上の関数 \(f(x)=\sin x\) では事情が異なることを指摘して、一様連続性の定義をし、さらに、有限閉区間上の連続関数が一様連続であることを、ボルツァーノ-ワイエルシュトラスの定理を応用して証明した。

その後、大学院のゼミ。きょうも有限確率空間の話に終始したが、条件つき確率・条件つき期待値などの概念をめぐって、テキストにない事例を即興で出題して二人で議論しつつ計算してみたり、それなりに有意義であった。院生MBRくんのアウトプットの経験がまだまだ乏しいこともあり、いろいろな概念の具体例を議論しながら丁寧に進むのがいいようだ。

晩飯には唐揚げを作った。

一日中、雨が降ったり止んだり。授業のない日なので大学には行かず、家からリモート会議に顔を出す。きょうは1〜2か月に一度の医者に行く日なので、例によって晩飯は近所のはま寿司。

水曜日は解析学の演習。宿題を提出してもらい、小テストをやり、それらの解説をしてから、自習する学生たちのまわりを巡回して指導する。きょうの演習問題は、中間値の定理の応用がメインだった。

大学へ行き、明日の解析の演習のために小テストを作る。午後、卒業研究ゼミ。3時間かけて、鹿島亮『数理論理学』の第2章の本文を読み終えた。自然演繹の推論規則を学ぶが、例によって∃除去の推論規則あたりがわかりにくいようだ。いろいろ言葉を補って助け舟を出す。ゼミ室は4階の南側で、ドアと窓を明けて春風を招じ入れながらのゼミは気分がよかった。

夜はピアノのレッスン。進捗がないわけではないからがんばろう。

この時期、やるべきことはいくらでもあるのだが、どうも気が乗らない。『量子物理学のための線形代数』の第9章の最初のところを読む。いろいろ疑問が浮かぶ。話が物理に及ぶとさすがに前ほどサクサクとは進めない。だがここからが本題なのである。

早朝、娘が帰省。きょうも天気がよいので、3人で歩いてフジグラン松山へ行きフードコートで昼食。いったん帰宅しひと休みした後、今度は一人で電車で石手川公園まで行って、1時間ほどサックスの練習。天気がよく暑くも寒くもない、いい陽気のおかげで、とても気分よく練習できた。基礎練習だけのつもりだったので楽譜も何も持たずに来たが、何か持ってくればよかった。

3日ぶりにいい天気である。洗濯をする。いつもの温泉とかサックスの練習とか、行きたいところはあるが、倅が起きてくるのが遅かったこともあって、いろいろ行けずじまい。それで午後に散歩がてら小一時間歩いて地下BALに行ったら、いつもの飲み仲間のアホ話につかまって、すっかり帰りが遅くなった。

散歩しながら思ったのだが、のんびり歩きたいと思って外出しているときでも、Apple Watchが「ワークアウトしますか」と聞いてくると、つい気持ちがウォーキングエクササイズになってしまう。いや、俺は気持ちよく散歩ができればそれでいいんだけどなあ。

解析学の講義。平均値の定理と中間値の定理を証明した。中間値の定理の証明について、あとでいくつか質問があった。学生さんたちが疑問点を明らかにしようと自発的に話しかけてくれるのはいい傾向だ。

そのあと、大学院のゼミ。確率論の最初の部分で、有限集合上の可測空間やフィルトレーションの話が中心。院生MBRくんは勉強熱心だが独り合点が多く先を急ぎがち。おまけに俺にとって確率論はどちらかというと専門外である。この両者があいまって、このゼミはことさらに丁寧に進む必要がある。というわけで、確率の話は次回に延期。

一日じゅう、雨がざあざあ降った。授業もゼミも会議もない日なので家にいたが、やはり「サボっている」感じがして、気分はよくなかった。夕方になって、気をとりなおして、いろいろの作業をした。こういうときの合言葉は「腐るなら、やることやってから腐ろう」である。やらんといかん、せんといかんと思いながら腐るのと、多少なりともやることをやってから腐るのとでは、腐ったとしても匂いが違う。とはいえ、ピアノもサックスも練習できなかったし、『量子物理学のための線形代数』の勉強もできなかったので、腐っていることに違いはないのだけどね。

解析学の演習。学生たちが自習する中を教員2名と大学院生のTA2名が巡回するのだが、机と机の間の通路が狭くて巡回が大変だった。

新学期が始まると、あまり自分の勉強の時間がとれない。思惑より遅くなったが、簡約化された特異値分解、極分解、ユニタリ分解、とやって、どうにか『量子物理学のための線形代数』の第8章が終わった。ここまでが第I部で、次からいよいよ第II部「量子力学・量子情報への応用」に入る。楽しみである。

午前中、用があって市役所に行き、そのあと大学まで歩いた。ジャンパーを着ていったので汗をかいた。

卒業研究ゼミの初回。鹿島亮『数理論理学』の第1章を読んだ。それから、1年生向けのリテラシー科目「新入生セミナーA」の初回。学生生活担当教員として受けもちの学生18人と対面し、学生証の交付などなどをしてきた。

夜はピアノのレッスン。これもがんばるしかない。というわけできょうは一日じゅうわりとよく動いたと思う。歩数も久々に1万歩を越えて、歩数計カウント12,479歩。

どうもこのごろ疲れやすいが、まだまだくたばるわけにはいかない。

きょうは偽逆行列について学んだ。偽逆行列は、一見しただけでは逆行列に似てすらいないが、少し考えてみて、これは圏論などの文脈で用いられる《空でない集合間の写像 \(f\colon a\to b\) に対して写像 \(g\colon b\to a\) が存在して \(fgf=f\) をみたす》という選択公理の同値命題の線形代数バージョンなのだと気がついた。

キッチンの流しの排水が詰まり気味だったので、ホームセンターで5メートルのワイヤ式パイプクリーナーを買ってきて掃除。自分の血管もこんな風になってるかもなあと、ちらっと思うなど。夜には倅とNHKスペシャルを観た。

朝、倅が寝ている間に先月13日のオンライン講義(JPIC主催の川瀬和也さんの「ヘーゲル哲学の魅力に迫る」)の聴き逃がし配信を聴講。

午前中、家でピアノを少し練習した。ピアノを習いはじめて20年以上になる。どうしても管楽器ほどには身が入らない。俺がやるべき楽器ではないという気すらする。しかし、もともと音楽をもっと深く理解したいと思って習い始めたものだから、あきらめずに続ける。

午後には南堀端で少しサックスの練習をした。先日の吹奏楽のステージが楽しすぎ、次の出番が楽しみすぎて、自分がヘタクソであることをすっかり忘れていたが、少し音出しをしたらすぐに現実に引き戻された。がんばるしかない。

『量子物理学のための線形代数』は第8章に入った。特異値分解を学ぶ。特異値分解自体の理屈は単純だが、偽逆行列、極分解、ユニタリ分解などなど、いろいろ応用があるらしい。このあたりに線形代数の奥深さを感じる。

前期の開講日。最初の講義の直前まではよくわからないプレッシャーを感じて悶々とするのだが、昨日も書いたとおり、始まってしまえば、案外大丈夫なものである。2年生向けの解析学の講義で、ボルツァーノ-ワイエルストラスの定理と閉区間上の連続関数の最大値・最小値の定理の証明を話した。ちょっとペース早めかもしれない。しかし思い返してみるに、昨年、一昨年のリモート講義では、これよりもっと多い内容を、もっと短かい時間で喋り終わっていたのだから、ついて来るほうは大変だったに違いない。

午前中、Teamsで会議。午後はそれに関連して数学教室の教員一同にメールで連絡を流す。

数日前に名古屋の大学院生がキューネン『集合論』の演習問題への解答を送ってくれたのを、解答集のページに掲載した。

前期の開講前夜というのは、例年どうも憂鬱になる。始まってしまうとどうということはないのだけれど。

実対称行列における「準位反発」という現象についてPythonのプログラムを走らせて確認した。平たく言えば、対称行列全体のうちで固有値が縮退している場合がほとんどない、ということなのだが、実パラメータを入れて固有値の推移をプロットしてみると、なるほど曲線が反発しあっているように見えるのが面白い。次に行列の数域という概念を学んだ。テキストの例7.5の計算は間違っているように思った。自分もしょっちゅう計算間違いをするから、念を入れて何度も検算したが、今回は自分の計算のほうが合っている。テキストの論旨がおかしくなるような間違いではないが、数値に訂正が必要だ。

『量子物理学のための線形代数』で、正規でない行列のスペクトル分解について学んだ。正規行列の場合がいちばん自然かつ有用なのだが、そうでなくても、とにかく対角化できればオーケー。

夜は例によってピアノのレッスン。本番が近いというのになかなか練習に身が入らない。これはマズい。非常にマズい。

年度はじめには、新2回生ガイダンスで教員一同が自己紹介する。俺は昨年度の1回生の第4クォーターの授業を4コマも受けもっていた。だから新2回生にとっては「あぁこいつか」ってなものである。今週金曜の開講日早々から、2回生の解析学の講義を受けもつことになっている。だから新2回生にとっては「またこいつか」ってなものである。前期はこの解析学の講義・演習のほかに、新1回生のための初年次科目もある。

きょうも『量子物理学のための線形代数』を読む。きょうは正規行列のスペクトル分解を学んだ。例によって、理論はすんなり理解できるが、計算問題がなかなか大変だ。いつものとおり手計算の結果をSymPyで確認しながら進む。

千葉雅也『現代思想入門』(講談社現代新書, 2022年)を読み終えた。次は慎改康之『ミシェル・フーコー — 自己から抜け出すための哲学』(岩波新書, 2019年)を読むことにする。『量子物理学のための線形代数』の第7章に入り、正規行列がユニタリ行列で対角化される証明を読んだ。

県立図書館に本を返しに行った。花見の人で賑わう堀之内公園を抜けて、三越のジュンク堂書店に行った。昼飯に台湾まぜそばというのを食ったら、これが多すぎて、夜まで胃がもたれて参った。『量子物理学のための線形代数』で同時対角化についての定理を読んだが、テキストの証明には少しばかり議論の足りないところがあって、自力で補う必要があった。

朝、禅寺で修行する夢を見て目をさます。電車で大学に行くつもりだったが、読んでいた『現代思想入門』の続きが読みたくなり、少し足を伸ばして道後の温泉街まで行ってみた。年度始めの朝9時すぎのこととて、商店街のシャッターもあまり開いておらず、人通りも少ない。少し風が冷たいがよい天気の春らしいのどかな朝である。改修工事中の道後温泉本館の周りをぐるっと回って電停まで戻るつもりだったが、その途中に、以前ちょっと地下BALでも話題に出た 麻とき という店を見つけたので入ってみた。それから上一万まで電車で戻り、スーパーABCで昼食を買って、大学へ移動。結局その間、本の続きは読まなかった。大学も人が少なく、いたって静か。

『量子物理学のための線形代数』は§6-6「ケーリー-ハミルトンの定理」を読んだ。この定理については10年前の日記でも話題にしている(2012年2月25日同28日)。この中原本では、昨日までに学んだ行列の三角化の応用として定理を証明しており、見通しはよい。ただし、そうなると係数体が代数閉体である場合に話が限られる。もちろんこの本の場合は、量子論への応用を念頭において、もともと話を複素数体に限っているから、そんなことは問題にならない。長谷川浩司『線形代数[改訂版]』でも同じ方法で証明している。もしも本当に複素数体の場合に話を限ってよいのであれば、まず対角化可能な簡単なケースを証明しておいて、次に \(n\) 次正方行列全体のなす空間 \(M(n;\mathbb{C})\) に通常の位相を与えたときその中で固有値の縮退のない行列の集合が稠密であることを利用して一般の場合を示すというのが、俺にとってはいちばんスッキリする。だが、ケイリー-ハミルトンの定理は一般の可換環を係数にとって成立するはずで、その意味では2012年2月25日の日記で紹介した佐武本の場合のように、余因子行列を使う証明がもっとも正統的なのだろう。