て日々

2022年2月

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さて月末である。きょうも年度末恒例のあの仕事。といっても結果のチェックと記入のみ。

ロシアの文化にすばらしいものがあることは認めなくてはならない。チャイコフスキーの音楽やドストエフスキーの文学はすばらしい。そして、それはそれとして、今回のロシアのウクライナへの侵攻は許せない。文化と政治とは、できれば切り離して考えたい。そうは簡単にいかないケースが多々あることも確かだけれども、政治的な思惑で文化を切って捨てるようなことがあってはならないし、文化がいかにすばらしくても、やっちゃいけないことをすればそのことが非難されるべきなのは当然のことだ。国家でも、個人でも同じことだと思う。

きょうは春らしさを感じる、少し暖かい日だった。2月も末となれば、やっぱりそうでないとね。日中は仕事。空き時間に2次のユニタリ行列の計算問題をいろいろやってみた。楽しいのだが、計算ミスを頻発してしまって、なんともなさけない。

このごろ、Twitterで以前のようには自由に発言できない。なんだかつまらない。まあ、俺の場合は言いたいことがあればここで気が済むまで言えばいいのだけどね。

寒いが春らしい明るい日になった。きょうから3月1日までは毎年恒例のあの仕事。

われらがヒーロー、ロバート・M・ソロヴェイ先生は量子情報理論の世界でも基礎的な仕事をしている。任意の量子ゲートの近似的実現に関するソロヴェイ-キタエフの定理。1995年から2000年にかけての仕事だ。読むにはドーソンとニールセンのこちらの解説論文がよいように思う。

ここまで調べてみて、\(n\)ビットの量子コンピュータの状態は\(2^n\)次元の複素ベクトル、量子ゲートは\(2^n\)次のユニタリ行列と(数学的には)考えられるとわかった。そこで、それらの\(n\to\infty\)の極限としてのヒルベルト空間\(L^2(2^{\mathbb{N}})\)とそのユニタリ群が理論上重要である気がする。ただし、\(L^2(2^{\mathbb{N}})\)の要素がカントール空間\(2^{\mathbb{N}}\)上の標準確率測度(無限回の公平なコイン投げに対応する測度)に関して絶対連続な測度に対応しているいっぽうで、観測や初期状態を論じるには「絶対値の二乗が特異測度に対応するような拡張された複素数値ベクトル」みたいなものまで考えに入れておく必要がありそうだ。いろいろと妄想が拡がるなあ。

記述集合論におけるポーランド位相群の一般論には、可算無限集合の対称群 \(S_\infty\) やヒルベルト立体の自己同相の群 \(\mathrm{Homeo}(I^\infty)\) といった大きな群が出てくるのだが、可算無限次元ヒルベルト空間のユニタリ群 \(U_\infty\) もその仲間に入れられそうに思う。\(U_\infty\) は \(S_\infty\) を部分群として含むかなり大きな群だが、さて \(\mathrm{Homeo}(I^\infty)\) のような「普遍ポーランド群」になっているだろうか。志賀浩二先生の『無限からの光芒』(日本評論社,1988年)のウラムの章で触れられているように、\(S_\infty\) や \(n\geq2\) のときの \(\mathrm{Homeo}(I^n)\) には3つの要素から生成される稠密部分群が存在するのだが、\(U_\infty\) や \(\mathrm{Homeo}(I^\infty)\) でも同じことが言えるだろうか。\(U_\infty\) の稠密部分群の生成元を \(L^2(2^{\mathbb{N}})\) における作用素として具体的に書ければ、それこそソロヴェイ-キタエフの定理との関係で量子コンピュータの議論に話をフィードバックできることになると思うのだが。

しかし毎日寒い。

『入門講義 量子コンピュータ』の本編部分は読めた。ただし、この本は付録が全体の4分の1くらいを占めていて、数式を用いた詳細な解説はそちらに回されていたりする。

この本を読んで知ったのだが、量子アニーリング法というのは、組合せ最適化問題をなんらかの汎関数の最小値を求めることに帰着させるという手法らしい。そして、量子アニーリング法による量子コンピュータを汎用計算機に転用する方法もあるそうだ。さて、これは、チャーチやチューリングの意味での「計算」を汎関数の最小化問題に帰着させられるということを意味するのだろうか。

微分方程式はコンピュータを使って少なくとも近似的には解ける。微分方程式を「計算」に帰着させることは原理的には可能なわけだ。逆に、コンピュータも物理的システムであるからにはその動作が微分方程式を解くことに帰着してもおかしくないとは、前々から思っていたことだ。ただ、さてそのアイデアをどう定式化すればいいかというところで、これまでは手が止まっていた。このあたりちゃんと調べたら、面白い話になるかもしれないな。

遠い国でまた戦争が始まったらしい。やりきれない。

休日なので気分を変えて、朝食にはロールパンのサンドイッチを作った。昼食はうどん。午前中から昼過ぎにかけて、渡邊靖志『入門講義 量子コンピュータ』(講談社2021年)の第5章あたりを読む。量子ゲート回路の動作を手計算で追いかけてみた。量子ビットは互いにもつれ合う状態になりうるので、古典コンピュータの論理回路と違って、各ビットを独立に追っていくわけにいかない。そのこともあって、たかが3ビットの小さな回路でも、けっこう大変である。しかし、自分で手を動かしてようやく理解できるということはある。それに、やってみるとなかなか面白い。ただ、これ以上ビット数の多い回路になったら手に負えなくなるだろうから、SymPyなりMaximaなりの計算機記号代数システムの使い方を覚えてシミュレーションができるようになりたいとも思う。

午前中、大学院の2次募集の試験。オンラインで面接をする。なかなか厄介な時代になったものだ。午後、3年生が2人、来年度の卒業研究のゼミ選びのために研究室訪問に来た。来年度の卒業研究ゼミでは鹿島亮『数理論理学』(朝倉書店, 2009年)を読んでもらうつもりだ。夜、ピアノのレッスンは今週は教室の都合でお休み。

午前中は家で洗濯と本読みなどなど。思い立って渡邊靖志『入門講義 量子コンピュータ』(講談社2021年)という本をひもとく。試験期間なので早く帰ってきた倅に昼飯を食わせ、午後は大学に行く。きょうが後期の成績入力期限なのだ。きょうも寒いが天気がよい。それと、そろそろ花粉も飛び始めたようで、ちと目がかゆい。晩飯に作った野菜炒めはまあまあの仕上がり。ただし、ちょっと味が濃かった。

朝、なんだかひどい夢を見た。飲み屋かどこかで知りあったビジネスマンになぜか恨まれ命を狙われるという夢だった。というわけで原稿の締切当日。朝から昼過ぎまでかけてひととおり書きあげた。プリントアウトをもって外出する。風が強くとても寒いが、空は明るく晴れている。光の具合はもう真冬ではない。地下BALでハイボールを飲みながら、プリントアウトに赤入れをし、依頼された分量に少し足りないので少し書き足す内容を考える。帰宅し夕食を済ませて、20時半ごろ脱稿。

いつもの温泉に行きたかったが雨が降っているのでやめにした。原稿を3分の2ほど書く。昼食には焼きそば、夕食には牛すじ大根を作った。夜、妻と倅とLINEでビデオ通話。倅にしては珍しく母親を気遣っているようだった。

きょうは年休を取った。明後日が締切の依頼原稿を片付けるためというのが理由なのだが、どうも集中できない。倅が弁当を忘れて学校に行ってしまったのを届けに行ったり、娘に仕送りをしたり、県立図書館に本を返しに行ったりした。堀端の梅が開花していた。昼食は南堀端電停前の古川屋台ソウヅのラーメン。用事をひととおり済ませたあとは、なんだかダラダラしてしまって、あまり原稿が進まなかった。

朝から夕方まで卒業研究発表会。Teamsを用いたオンライン開催である。うちのゼミの出番は朝一番のセッションで、それなりに無事に済んだが、他のゼミの発表と比較して準備が雑だったように思われるのは気のせいだろうか。自分の受け持ちのゼミの発表が済んだら次は平野教授のゼミの発表の座長をする。こちらは平方剰余の相互法則をきちんと証明し計算例を示すという話だった。この手の整数論の話題は計算量理論とか暗号理論とかの関係が興味深い。たとえば有限群 \(G\) とその要素 \(a\in G\) が具体的に与えられたとして \(g^2=a\) をみたす群要素 \(g\in G\) があるかないかを判定し、存在するならそれを具体的に見つけよという問題は、計算論的にけっこう複雑だと思うのだが、どうだろうか。

夕方の山内ゼミの発表は面白かった。コンパクトで連結な距離空間が非切断点を丁度2個もつとき、その空間は単位閉区間と位相同型である、という定理の詳細なプレゼンテーションだった。あんまり面白いもんだから、発表会が済んでから俺とシャクマトフ教授と山内教授の3人で、関連する話題についてしばしディスカッションに花が咲いた。

それ以外に、きょうは倅の学校が半ドンだったので、卒研発表を聴きながら昼食の豚肉のたれ焼きを作り、さらに一昨日のテストの採点を済ませた。夕食は麻婆豆腐と無限もやし。というわけで俺にしては頑張った一日だったが、夜になって振り返ると、給料日だというのにムスメへの仕送りを忘れていた。これはいけない。明日の朝すぐにやることにしよう。

午前中は洗濯と買い出し。午後はずっと菊池誠(神戸の)と金沢の黒川さんと研究課題にかんするZoom会議。この菊池節をたまに聴かないとどうも調子が出ない。夕食はキムチ鍋。

朝、集合と位相の期末テスト。このご時世だから、体調の心配な人はテスト開始時間までに連絡してくれたら代替手段で評価するからね、と事前にアナウンスした。そしたら8人から欠席の申し出があった。午後、ゼミで卒業研究発表のリハーサルをしてから、連絡をくれた8人に期末テストの代替課題を送信し、さらに、書類仕事を少し片付けた。夕食にはかきあげうどんを作った。といっても、かきあげはスーパーで買ったものだからなんでもない。夜はピアノのレッスン。あまり進捗はない。

午前中、修士論文の審査。オンラインで発表を聴き、質疑をする。今年度はM2の学生が少なかったので短時間で済んだ。午後は大学へ行き少しだけ用をする。夕食はパエリア。それなりの仕上がりになった。

昼食には油揚げを煮含めて、きつねうどんを作った。午後、川瀬和也さんのオンライン講演を聴いた。出版文化産業振興財団(JPIC)主催の連続講演「ヘーゲル哲学の魅力に迫る」の第1回である。Zoomウェビナーの機能のほかにLearnWiz Oneを併用してインタラクティブな要素を取り入れた講演で、なるほどオンライン講義はこういうふうにやればいいのかというヒントがもらえた。そのあと、倅が中古のゲームソフトを探しているというので久米と宮西のハードオフに行き、フジグラン松山のフードコートで夕食にした。倅はザ丼の海鮮丼、俺はミョンドンヤの石焼ビビンバにした。

昼食にはインディカ米を炊き、ナシゴレンに初挑戦。目玉焼きも載せてそれなりの仕上がりになったが、味付けはちょっと甘めだった。夕食には台湾ラーメンを作った。

さて3連休である。俺にとってはそうでもないが、倅にとってはやっと巡ってきた休日である。朝、倅が寝ている間に、学生さんからのリクエストに応えて、昨晩締め切ったレポートの解説文を書く。それを授業の専用ウェブサイトにアップロードしたまではよいが、受講者一同に連絡をとるための修学支援システムが、きょう一日は工事のために停止している。まあ仕方がない、夕方まで待つとしよう。

昼食はスパゲティ・ミートソース。ネットでナシゴレンのレシピを検索してみているが、いろんな人がいろんな作り方をしていて迷う。どうしたもんだろうなと思いつつ、デパ地下でナンプラーとシラチャーチリソースと顆粒の鶏ガラスープを買ってきた。今晩にもそれでナシゴレンを試作するつもりでいたが、妻がファミマの弁当の割引クーポンをLINEのメッセージで送ってくれたので、ありがたく使わせてもらうことにして、夕食はコンビニで買った油淋鶏と炒飯の弁当で済ませる。

きょうは一日じゅう在宅。リモート会議やら、来週の卒業研究発表会のリハーサルやらをやる。今年度は卒業研究で5人のゼミ生をみていたので、2組に分けて、これまで毎週火曜日と木曜日にゼミをやってきた。きょうと、来週火曜日だけは、ようやく5人が一堂に会して(といってもオンラインだけど)発表会のリハーサルをする。

川瀬和也『ヘーゲル哲学に学ぶ 考え抜く力』(光文社新書, 2022年)を読み終えた。内容的にはタイトルどおりの本で、「人生」「存在」「認識」「歴史」などのテーマについてのヘーゲルの考えをたどり、安易な結論にとびつくことなく答えの出ないもどかしさに耐え微妙なバランスを取りながら考え抜くことを説く。わかりやすく読みやすかった。次は郡司ペギオ幸夫『天然知能』(講談社選書メチエ, 2019年)にとりかかる。

午前中は家にいて洗濯やら蔵書の整理やら。午後から大学へ出かける。気温は9℃で、昨日と同じくらいだと思うのだが、外へ出てみると、昨日と比べてずいぶん天気がよく、風がない。それだけでだいぶ暖かく、春らしく感じる。

朝のリモート講義を済ませたら大学へ。対面での会議と、オフィスでの成績入力などなど。きょうは自転車で往復したが、このごろ自転車のチェーンが外れやすくなっていて気が気でない。いちど自転車屋に持っていって点検してもらわにゃならんな。

夜はピアノのレッスン。クレメンティのヘ長調のソナチネと、あとは次の出番の出し物。どちらも慎重に、しかしながら軽い気持ちで、練習せねばならん。

思いたってインディカ米を2キロだけ通販で購入。きょうの夕食には間に合わなかったが、明日以降、ナシゴレンなどなどにチャレンジしたい。

朝、オンライン(MS-Teams)で修士論文発表会。自宅で視聴。それと明日の授業スライドを手直し。午後は大学へ行って、来週実施の集合と位相の期末テストを用意したり、非常勤の講義の成績をつけたり。

このUbubtu PCといつも使っているUSBメモリドライブとVSCodeとの組み合わせで、文書の保存にトラブルが頻発して困った。さしあたり原因がわからず、USBメモリドライブの不調の可能性もある。バックアップをちゃんと取っておかないといけないな。

そうかと思うと、きょうは伊予鉄道の横河原線で脱線事故があったらしい。けが人がなかったのは不幸中の幸い。いや、いろんなことがあるものだ。

俺には普通の日曜日だが、倅は模試がある。このごろ土日が全然休みでないので、ちと気の毒だ。午後にはとあるリモート会議に、呼ばれもしないのに顔を出した。夕食には鶏の唐揚げを作った。夜も更けてから、明日以降に備えてひよこ豆を煮て、それからほうれんそうのおひたしとかみなりこんにゃくを作った。

この週末も模試があるとかで学校に行く倅を送り出す。洗濯をする。いつもの温泉に行く。お昼前に散歩に出る。フジグラン松山へ行ってリンガーハットで昼食にする。宮西のブックオフを冷やかす。どこも人が少ない。

毎年のことながら、立春を過ぎてからがまた本格的に寒い。昼過ぎには、松山には珍しく雪がちらついた。

立春である。暦のうえでは今日から春だ。新しい命が生まれるというこの時候を祝福しつつ、どちらかというと古い命である自分も強く生きて行きたいものである。金曜日は朝から集合と位相のリモート授業。商集合からの商写像の話をした。これまで同様、個々の人に血液型・12星座・干支を割り当てる3つの写像を例として話した。この授業もいよいよ大詰めである。午後は3年生ゼミの最終回。ナラバ博士こと鈴木登志雄さんのあの本の第13章を読んだ。3年生には易しすぎる内容だが、1年生のときには意味不明と思われたかもしれないε-δ論法や∀∃などが、論理的に物事を記述するために工夫された言葉遣いであることが、ここまでのゼミで理解できたと期待したい。

いつもの木曜日と同じく、卒業研究ゼミ第2組と解析の演習。どちらもリモート。そのほか、課題提出のメールが五月雨式に届くし、明日の集合と位相の授業の準備も忘れちゃいけない。まあ、いつもの木曜日である。

節分なものでスーパーの巻き寿司がとても高い。夕食は恵方巻とおでん。恵方巻はずいぶんボリュームがある。そして、福豆を買うのをすっかり忘れていた。

天気がいいので洗濯をする。

午後は大学に行き、自宅ではできない作業を済ませる。他に、明日の演習の準備とか、いろいろの作業。県下の高校生の研究発表の審査などということもする。高校生たちがいろいろなテーマで彼らなりにそれぞれ一生懸命発表をしているのを視聴すると、科学というのは地道な努力の積み重ねなんだなあと思わされるとともに、俺も少しはがんばらんといかんなという気持ちになる。

最近倅がやたらに「ドナウ河」という言葉を口にする。どこかのYouTuberの作品で覚えてきたらしい。だが問いただしてみると、ろくにドナウ河のことを知らないようだったので、「美しく青きドナウ」とか「ドナウ河のさざなみ」を聴かせ、ついでに川シリーズで「モルダウ」「ローレライ」「セーヌ川」などなどを聴かせた。ウィーンとブダペストにはドナウ川、プラハにはブルタワ(モルダウ)川、パリにはセーヌ川、ロンドンにはテムズ川、ニューヨークにはハドソン川、京都なら鴨川、東京なら隅田川と、街が川とわりかし切っても切れない関係にあることを説いた。倅には、もっと文化というものをリスペクトすることを教えないといけない。

朝、集合と位相のリモート講義をする。同値類と商集合の定義と基本性質。「全射」と「同値関係」と「集合の分割」のそれぞれが他の二つを生み出す三つ巴の関係を説明する。あとは金曜日に商集合を介した写像の分解 (集合と写像の圏における準同型定理のようなもの) を解説すれば、同値関係についてのひととおりの説明が済む。

午後は卒業研究ゼミの第1組。今月中旬の発表会の準備。

夜はピアノのレッスン。次の出番がいつになるかはわからないけど、ひとまず次の出し物を決めた。1980年代に流行ったある洋楽の楽譜をダウンロード購入したのだが、これが、ちょっと気が利いてるというか、人を食っているというか、面白い楽譜である。詳しくはいずれまた。