て日々

2019年11月

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科学基礎論学会の研究例会。6つ開催されるワークショップのうちひとつの、3人の提題者のうちの1人として、集合論の成立過程の一側面について調べたことを報告するのだ。岡本賢吾さん、渕野昌さん、田中一之さんなどなど、こわい先生がたくさんいる中での発表だったので普段より緊張したが、どうにか無事に話し終えることができた。

きょうは昼食時とお茶の時間に、足立恒雄先生にずいぶん親しくお話させていただいた。あとで足立先生が菊池誠(神戸の)に語ったところでは、お茶の時間に二人で話した内容のほうが、ワークショップでの発表より面白かったとのこと。たしかに、発表では緊張して守りに入っていたかもしれない。もっとリラックスして言いたいことを言えばよかったのだろう。

夕食は新宿の某所で足立先生、菊池さん、池田真治さんと天ぷらを食って酒を飲んだ。俺が森毅や倉田令二朗の芸風を慕っていると言うと、生前の森毅や倉田令二朗を個人的によく知る足立先生は、俺にはまだまだ語りの芸の修行が足りないと言う。そりゃそうだろう。そんなことくらいわかっているからこそ、俺も日々二代目桂枝雀のレコードを聴いて勉強しているのである。それともう一つ、俺には女難の相があると足立先生は言う。なんでも、数学関係者で女難の相があるのは俺が2人目だそうで、1人目は誰あろう、あのKTBGさんだそうだ。いや、女難はさんざん味わったのでもう勘弁してほしいが、あの人と並び称せられるとは光栄だな。

明日の学会発表のための移動日。昼休みに大学で小さな会議に出てから、出張の荷物を持って松山市駅前に移動。まつちかのBALへ寄ってからバスに乗り、松山空港へ向かう。15時半に羽田に着いて、モノレールと地下鉄を乗り継いで門前仲町へ移動する。日高屋で早めの晩飯を食って、東横インに投宿。宿に着いてしまうと、特にすることもないので、昨晩何人かの人にメールで送って見てもらって意見を頂戴したのを参考にスライドを手直し。

マナブ先生から譲りうけて使っていた2007年もののiMacは、画面の下半分が心なしか暗くなってきた。たまたま営業に来たパソコンの業者さんが言うには、12年使ったとなると、もうバックライトの寿命なのだそうだ。Debianを入れて便利に使ってきたが、もう退役させてやるべきかもしれない。

スライドづくり大詰め。うまく話がまとまらない。その間、生保の会社の人がちょっとした手続に来訪し、そのあと図書室での作業が少しあって、次にRCセミナーという研究者向け自己啓発みたいな講演会に行ってロジカル・シンキングについての話を聴いた。夜はフジグラン松山へ行って、養命酒と明日の朝食のパンを買った。米と梅干しも来週には必要なのだがそちらはすっかり忘れていた。いや、メモくらい小まめにとらないとダメだ。

フジグランのフードコートでYOGA Book C930を開き、つくったスライドを見返す。この数日、meditのWindows版を入れて使ってみたが、ちょっと長い文書を編集しようとすると、スクロールが遅くて話にならない。やはり従来どおりWindowsではEmEditor Freeを使うことにする。

帰宅すると雑誌『現代思想』の12月号が届いていた。「巨大数の世界」という特集に依頼されて小さく記事を書いたのだが、他に木原さんと渕野さんの記事があり、俺なんか蛇足もいいところである。

午前中、思いたって喜助の湯に行ってリフレッシュした。今週末は出張だけど、中断していた週末の温泉通いを来週から再開しようかな。

午後はまず大学院のゼミ。昨日のディスカッションのおかげで、可算なホワイトヘッド群が自由であることの証明が無事に済んだ。ゼミのあとは学部の会議。そのあとは、週末の発表のスライドづくりをする。いろいろの事実を調べて書いていくことで、だいぶ進捗した。そうなると不思議なもので、ガタピシいっていた頭の回転も少し快復してきたように思う。簡単な夕食の後も、夜10時半ごろまで大学で作業して、まだ終わりそうにないので、いったんやめて帰宅。温めたミルクを飲んでビスケットを食べる。

俺が週末の発表のスライド作りが進まなくて頭をかかえているころ、院生のnCoくんは読んでいる論文の記述の筋が通らなくて頭をかかえていたらしい。相談を受けてよく見てみると、なるほどこれは紛らわしい記述だ。二人で頭をひねって、これはきっとこう読むのだろうとあたりをつけたところで、3年生ゼミの時間になった。3年生ゼミは思いのほか捗らず、ようやくテキストの第2章が済んだところ。

夜はピアノのレッスン。2月にあるはずの出番の出し物の相談。ショパンのあの曲を再演することにした。これで3度目になるが、この前にやってから11年たつ。夏にあるかもしれない出番の曲の候補も挙がった。それで今回は曲を決めただけで時間が来てしまった。レッスンのあとは、いつものように Garakta で飲む。支払いが PayPay に対応したというのでiPhoneにアプリをダウンロードして一杯分だけ使ってみたが、思いのほかわかりにくい。そんなに普及する理由がわからないくらいめんどくさい。なので、その1回でやめてアプリも削除してしまった。

講義の最終回。PAが第一不完全性定理の成立する条件をみたすことの検証と、第二不完全性定理の概略。どうにかひととおりのことを話せたのでよかった。しかし、こうやって講義してみて、2013年の京北でのゼミ合宿のために作ったあの資料が実は穴だらけだったということに改めて気づかされたのは痛い収穫だった。あの時も時間に追われて書いたので、ゆっくり内容を検討したり第三者のレビューを受けたりという余裕はなかった。いや、時間ぎりぎりまでサボったのは自分なので、まったく自業自得だったのだが。この調子では、いま書いている原稿もこれから書くであろう原稿も同じく穴だらけになりかねない。ううむ。

ツイッターで結城浩さんが「講義おつかれさまです」と言ってくれたので「物を書くのも蜂の巣になる覚悟がいると改めて感じております。」(原文)と感想を言ったら、結城さんの返事は「蜂の巣になるのは書かれたものであって書いた人ではないので」(原文)であった。まあ、そういう考え方もあるか。ともあれ、原稿を書いたら見識のある第三者に見てもらって一度蜂の巣にしてもらうべきなのだろう。本というものは、蜂の巣になって土にまみれたはずがなぜか生きているスパイ映画の敵役みたいでなければ。

そんなこんなで講義が済んで肩の荷が降りたのも束の間、すぐさま今週末の発表のことを心配せねばならない。これもまたギリギリまでサボって時間に追われている。つくづく学習しない奴だ。

話はかわって、いま履いている安物の靴が壊れそうなので、夕食後にフジグラン松山のABCマートへ行って新しいのを買ってきた。

日曜日だが大学の推薦入試の日なので出勤。俺は控室の監督を担当。9時から13時過ぎまでかかったので少し疲れた。明日の講義の準備は帰宅後にした。木曜日から3晩連続で飲んだのできょうは休肝日にする。

茜屋市駅西店へお昼を食べに行った。北久米のあの茜屋の姉妹店である。基本的にあの茜屋の味なのだが、さすがに本店にはちょっと及ばない。それでもあのラーメンが近場で食べられるのはありがたいので、また来ることにする。その後、大学近くのローソンまで届いた荷物を取りに行った。

届いたのはUSB Type-CのSDカードリーダとHDMIディスプレイアダプタとUSBハブを兼ねたデバイスだ。YOGA Book C930は、USB Type-Cのポートが2つあるだけで、しかもそのうち1基がバッテリーの充電用を兼ねるので、拡張性に乏しい。そこを補うためにこういうものが必要というわけ。持ち運びが便利なYOGA Bookだけに、ディスプレイアダプタは必要だ。原稿書きや発表のスライド作りは手になじんだdynabook R63/Tでやりたいけれども、どこかへ出向いていってプレゼンテーションという段階では、かさばらないタブレットPCのほうがありがたい。

さてさて、夕方からは音楽教室の発表会。自分はバッハの第4フランス組曲(BWV815)のアルマンドを演奏。2箇所ほどとちったが、どうにかしまいまで大きな事故もなく弾くことができてありがたかった。

本番の演奏となると、どうしても「ミスしちゃいけない、間違えちゃいけない」「恥かきたくない」と思いがちで、それで緊張してアガってしまうんだけれども、しかし冷静に聴いてみれば、俺ももちろん、俺よりずっと上手い人たちも含めて、ノーミスの完璧な演奏なんて、出演者の誰もしちゃいないのである。そして聴くほうも、ちょっとした演奏中のミスなんかどうとも思ってない。だから少々トチったところで、どうってことない。もちろんミスするのがいいわけでもないが、とにかくそういう、ちょっと居直った気分で本番に臨んだ。とはいえ、大事故が起きなかったのは、やはり前回より実のある練習の時間をとれたのと、曲が身の丈に合っていたおかげだろう。

山本さんのフォーレ「言葉のないロマンス」、西原さんの弾く同じくフォーレの「シチリアーノ」のピアノ版、北野さんのラフマニノフ「楽興の時第5番」、ヴァイオリンの田内さん夫婦がそれぞれ弾いた「Breezing Air」と「Another Sky」、明賀さんが弾いた齋藤圭土「Cooking Time」などなど、いい曲をたくさん知れたのもよかった。それに、数年ぶりに松本さんのソロ(ラフマニノフ「鐘」)を聴けたのも嬉しい。

打ち上げはカトリック教会近くのナットフォード・テラス。毎回このパーティーがあるおかげで何人かの出演者とはすっかり顔見知りである。これまたありがたいことだ。お開きのあと、火曜日に行けなかった Garakta に立ち寄り、ダメ押しに一杯だけ飲んで帰宅。テシマ先生に頂いた花を花瓶がわりのマグカップに活ける。

このごろ少し体内時計が調子っぱずれになっているので、早起きはつらいが、なにしろ倅に朝食を食べさせて学校へ送り出さねばならぬ。昨晩思い立って買っておいた鮭の切り身を味噌汁の具として入れて鍋もの風にしたら、たいへん美味しかった。

大学では個人情報保護に関するオンラインコースを受講したり、講義の最後に出す課題を考えたり、合宿研修の問題に関連した数値計算をJupyter Notebookで試したり。それと、すっかり忘れていたけど夕方からは談話会があった。生物学コースの中島敏幸さんが情報の哲学を語って、とても面白かったので、ピアノの発表会を明日に控えている身も顧みず、普段あまり行かない懇親会に急遽出席することにした。案の定、飲みながらの延長線の議論も楽しかった。

講義はゲーデルの第一不完全性定理の証明まで進んだ。だいたい思ったとおりの進行だ。ただしPAが定理の条件をみたしていることの検証がまだなので、月曜日の最終回にその検証と、第二不完全性定理の話と、できればロッサーの定理の話をして千秋楽としたい。講義のほかは、たまった事務仕事を片付けたり、1月の合宿研修のための演習問題を作ったり。

夜は倅が泊まりに来た。

大学院のセミナーは例によってアーベル群の話の続き。可算なホワイトヘッド群が自由であることの証明に向けてのいろいろな補題。セミナーのあとの時間は原稿の読み返しと手直しに使ったので、明日の講義の準備は夕食後に自宅でやった。

午前中は、先週の木曜に行くはずだった医者に行ったら、けっこう混んでいて、それで昼までかかった。午後は3年生ゼミ。

夜はピアノのレッスン。本番直前なので会場のスタジオでスタインウェイを弾かせてもらった。とても気分がよかったけれども、家での練習とも教室でのレッスンとも響き方が違いすぎて、これまで練習してきたことがちゃんと表現できているのか自分ではわからない。ともあれ、土曜日の本番まであと少しがんばりましょう。レッスン後は例によって Garakta に行ってみるが開いていなかった。まあ、よくあることだ。ジュンク堂書店に行って三宅陽一郎『人工知能のための哲学塾』(ビー・エヌ・エヌ新社2016年)という本を買って帰った。

結局、朝6時までかかって『聖者のかけら』を読み終えた。なにしろ途中でやめられなかったくらい面白く、読み応えがあったが、本を読むためにいちいち徹夜していては身体に悪い。もっと時間の使い方を考えなくてはなあ。1時間半ほどの仮眠のあと、朝食と弁当の支度をして、大学へ行き、講義の準備をする。講義は、形式言語のコード化、すなわちゲーデル数の話。対角線定理まで話したので、不完全性定理まではあとひと息だ。

『聖者のかけら』は中世のヨーロッパで神秘的な力を宿すとして尊ばれた聖遺物すなわち聖者の遺品をめぐるミステリーだ。ミステリーだから、そこに探偵ふうの合理的な考え方をするキャラクターはもちろん登場するが、その人物にしても他のすべての登場人物にしても、最後の審判と身体の蘇りを信じて疑わない中世の人として描かれている。まず中世、十三世紀イタリアという世界があって、そこで事件が起こるという順番。世界が事件を入れるための入れ物あつかいになっていない。それが印象に残った。物語もさることながら、その世界のほうを川添さんは書きたいんじゃないのかと思ったくらいだ。そう思うと、何人か、もうちょっと活躍させてあげたかった登場人物がいる。

夜になってから川添愛『聖者のかけら』(新潮社)を読み始めたら、期待どおりとても面白い。明日の講義の準備もまだだというのに、話の続きが気になってやめられん。

連載原稿を書く。ベランダで布団を干す。BALでワインを飲む。コミセンの図書館に本を返しに行く。トマト書房で古本を買う。大学へ行ってウェブサーバのシャットダウンをスケジュールする。フジグラン松山へ行ってズボンのベルトと冬服を買う。原稿は粗くは書けたが、もう少しだけ分量を書いてから推敲する。コミセンの図書館では、新たに本を借りるのはやめておいた。ズボンのベルトはボロボロだったので買い替えたかったのだ。

そして気がついてみると一昨日に入っていた医者の予約をすっかり忘れていた。なんだかんだで薬がちょうど一週間分余っていたので、来週末だとすっかり勘違いしていたのだ。予約時刻の1時間前にはスマホがアラームを表示したはずだが、それすら見落していたらしい。わはははは。月曜日に医院に電話しなくては。

昨晩深酒して寝たので未明に目がさめた。そのときに娘の夢をみた。夢のなかで、娘は俺と顔を合わせると嫌そうな顔をした。実際には昨年の夏から娘には会っていない。妻の報告によると、それなりに元気そうなのだが。

それで二度寝して、朝は少し寝坊した。朝食をとり、弁当を作り、洗濯をし、ピアノの練習をし、それから大学へいく道で銀行に寄る。給料日なのでいつものように妻子への仕送りほかいろいろの資金の移動をするのだ。

『PythonユーザのためのJupyter〔実践〕入門』の第5章を読み終えた。Matplotlibのいろいろな機能を知ることができたのはありがたかったが、書き方なのか何なのか、どうも好きになれないし、マニュアル代わりに手もとに置きたくなる本というわけでもないので、他のいろいろな本と一緒にブックオフに持っていってしまった。

講義では自然数の有限列を自然数でコーディングし、列の長さや各項を求める計算が原始再帰的関数でできることを説明した。これでようやく次回は心置きなくゲーデル数の話ができる。講義はあと3回あるから、不完全性定理の証明をちゃんと説明できるだろう。

連載の2月号の記事をいいかげん書かねばならん。大まかには、完備距離空間とベールの定理について書くと1年前から決まっているが、この「大まか」というのは、どうも曲者である。実際に書くものは「こまか」に書かねばならない。大まかで安心していてはどうしようもない。

先日買ったYOGA Book C930は論文や電子書籍を読むブックリーダーとして使いたいところだ。だから当然Adobe ReaderやWindows版Kindleアプリなどを入れ、OneDrive、Google Drive、Dropbox、iCloud Driveといったクラウドストレージサービスに接続する。しかし、電子書籍リーダーとしてはKindle Fire HDがすでに手許にある。使いわけが難しい。ただ、Fire HDにはiCloud Driveの公式アプリは存在しないようだし、どちらのデバイスにも一長一短があるだろう。まあ、しばらくゆっくり考えよう。

朝食を作り弁当を作り、洗濯をし、倅を学校へ送り出し、少しピアノの練習をしてから大学へ行く。

午後、大学院のセミナー。自由アーベル群の話。自由アーベル群の部分群がまた自由アーベル群であること。有限生成でねじれのないアーベル群が自由アーベル群であること。自由アーベル群がホワイトヘッド群であること。集合論プロパーの話をしていたときのようにすいすいとは進まない。ゆっくりやるしかない。

夕方、早めに帰宅して、夕食のあと、明日の講義ノートを作る。明日は有限列のコーディングの話をする。夜、『PythonユーザのためのJupyter〔実践〕入門』の実習を少しだけ進めるつもりで始めたが、気がつけば1時間半もやっていた。

水曜日なので休肝日。

火曜日だけど月曜日のスケジュールで授業をするので午後に講義をする。原始再帰的関数とその表現可能性について。これが済めばゲーデル数のアイデアを説明して不完全性定理の話に入れる。

『PythonユーザのためのJupyter〔実践〕入門』は第5章。Matplotlibのいろいろな機能の紹介だ。第4章に比較すれば少しは面白いけれど、きょうの実習は少しだけ。この本については、先日から面白くないとか面白いとか勝手なことを言っているが、それは、ビッグデータの可視化よりは数学的なグラフのプロットをやってみたいという俺の動機づけに関連して、という話で、これすべて「個人の感想」である。データサイエンスの重要性は俺とて認めるに吝かではない。面白かろうが面白くなかろうが、Pythonの実習を兼ねて、おさらいせねばならぬ。

夜はピアノのレッスン。本番まであと10日。少しはリラックスして弾けるようになったので、これから陰影をつけて弾くように、ゆっくり丁寧に練習したい。レッスン後は Garakta で常連さん2人の誕生パーティ。楽しかったが今夜も倅を泊めねばならぬので早めに退散。

学祭の撤収作業のため休講。『PythonユーザのためのJupyter〔実践〕入門』第4章を読み、Matplotlibでのデータの可視化の実習をするが、どうも面白くない。面白くないが有意義ではあるはずなので信じて進む。第4章を読み終えたあとは気分を替えて、『フラクタルの世界』の図版のリメイク作業を進める。第2章の図版についてはパラメータが一切記載されていないので目測でやるしかない。

夜は倅が泊まりにきた。

朝、変な夢を見た。「お寺そっくりなスーパー銭湯《極楽湯》に行ってみる。玄関に金色の阿弥陀さまが安置してある。坊主頭に作務衣の店員さんが案内してくれるのだが、余所見をしているあいだに店員さんを見失ってしまい、館内で迷子になる。」

お昼前に県立図書館に行って本を借り換えた。まつちかのワインバーBALでワインを飲んだ。月末の東京行きの飛行機を手配した。あと、ちょっと冒険して、新しいデバイス (Lenovo Yoga Book C930) を張り込むことにした。これについてはおいおいレポートする。

毎年恒例、理学部公開講座。今年は松浦教授の講演。高校生と卒業生を中心に、20名を越えるお客さんに来ていただいた。数学科の卒業生である附属高校の上床先生は、生徒さんを何人も連れてきてくれた。一昨年の大学院の卒業生たち(赤松さん、足立さん、桐島さん、乗松さん)が登場した。いつもながら、松浦教授の話はわかりやすくサービス満点で、とても面白い。そして面白いだけでなく、ちゃんとポイントを押さえて考えさせる話である。

そして、ちょうどそのころ東京では、加藤さんが数学カフェで幾何群論の講演をして会場は大いに盛り上がっていたらしい。

立冬である。寒さに備えなくちゃね。

『PythonユーザのためのJupyter〔実践〕入門』(技術評論社2017年)という本を買った。Jupyter NotebookやPandasやMatplotlibのいろいろなTipsが載っている。読んで面白いという本ではないが、Matplotlibでグラフのタイトルなどに日本語を使うと文字化けする問題への対処法なども書いてあって、けっこうありがたい。データの可視化はこれからどうしても重要になってくるので、MatplotlibやBokehの使い方をしっかり勉強しておきたいのだ。

朝、三番町ガーデンプレイスカフェに行く。きょうの講義ノートを少し見直し、連載記事のことを少し考える。

午後には講義。中国剰余定理と、ベータ式による有限列の扱い。これでようやく、ペアノ算術が再帰的定義を扱えること、あるいは少なくとも、あたかも扱っているかのように解釈できることがわかった。次回は原始再帰的述語と表現可能性の話をして、それからぼちぼち不完全性定理の証明に突入する。

講義のあとはまたPythonをいじった。昨日の実験で滑降シンプレックス法を用いて極小値を探索した関数は、勾配ベクトルが簡単に計算できるので、最急降下法も試してみたところ、なんだこっちの方がいいじゃん、という結果となった。微分が使えるなら、その強みは活かしたほうがいい。そのあと、ずっとやってみたかったこと、陰関数で与えられた曲線のプロットを試してみた。これは勾配ベクトルを計算して、基本的には勾配と直交する方向へ一歩を進め、そのたび、関数値がずれないように(最急降下法と同様のアイデアで)勾配と平行に小さく動いて位置を補正するという戦略。ただし、特異点の近傍を通過するときにどうするか、工夫が必要だ。

夕方、帰り道にダイソーに寄ってミシン油を買い、自転車の錠と、アパートのドアの蝶番に注油。やたら軋んでいたアパートのドアが静かになった。昨日に続いて、結果的にという感じだが休肝日。

夕食後またパソコンに向かい、昔ながらのフラクタル画像の配色について思いついたことを、今度はJavaScriptで実験してみる。宇敷重広さんの『フラクタルの世界』(日本評論社1987年)のPascalのコードをJavaScriptに移植して再現してみたいのだが、配色の工夫だけは改めてやるしかない。

川添愛さんの新著『聖者のかけら』(新潮社)をご恵投いただいた。ありがとうございます。とっても楽しみなんだけど、さて、いつ読もうかな。

大学院のセミナー。\(\mathbf{V}=\mathbf{L}\) から \(\diamondsuit^+\) を導く証明が終わり、話題はアーベル群に移る。

昨日に引き続いて “NUMERICAL RECIPES in C” の第10章から、きょうは「滑降シンプレックス法」のコードをPythonに移植した。ためしに \(((x_0^2+x_1^2)-1)^2\) という2変数関数の極小値を探索させたら、なんだか動作がおかしい。コードの移植のときに何か間違えたかと思ったがそうではなく、もとのコードで \(|y_1-y_0|/(|y_1|+|y_0|)<\varepsilon\) という分数の不等式を使っているところが原因だったようだ。分数を扱うときは分母がゼロでないことを保証せねばならないが、極小値がゼロである今回の関数の場合はその保証ができない。この分数の分母がゼロになるのは \(y_0=y_1=0\) のときだけで、浮動小数点数を数値解析の文脈で扱っている限りそういうケースはなかなか起こらないので見過ごされたのだろう。分母を払い、さらに両辺がゼロになる場合を考慮して \(|y_1-y_0|\leq\varepsilon(|y_1|+|y_0|)\) という不等式を使うことにしたら解決した。

さしあたり何に使うでもないコードのバグ取りにずいぶんと時間をとられたので、明日の講義ノートづくりが夜になった。帰宅して家でやる。そろそろ講義の残り回数を考えてうまく話を着地させないといけないぞ。

水曜日なので休肝日。明日の弁当のおかずが心許ないので、夕食後にひき肉の味噌炒めを作る。

午後、3年生セミナー。ヒルベルトの幾何学基礎論のうち順序の公理の話。

すいぶん昔になるが、『NUMERICAL RECIPES in C 日本語版』(技術評論社1993年)という本を中央通のブックオフで入手してあった。値段は1,000円もしなかったと思う。昨日読み終えた『Pythonで動かして学ぶ! あたらしい数学の教科書』(翔泳社2019年)から、機械学習がいわば関数の最小化問題だと学んだので、我妻さんの本で扱っていた最急降下法以外にどんな最小値探索アルゴリズムがあるか、この “NUMERICAL RECIPES” の第10章を読んで調べることにした。きょうのところは1変数関数の「黄金分割法」「Brentの方法」の実験をした。本当はもちろん多変数関数の場合に興味があるわけだが、それは明日以降のお楽しみ。

夜はピアノのレッスン。その後、ジュンク堂で本を1冊だけ購入。Garakta は、開いていなかった

朝のうちに『あたらしい数学の教科書』を読み終えた。この本の最後には、1個の1入力のニューロンが関数のグラフの形状を学習する、というプログラムが紹介されている。といっても、\(0\leq x\leq\pi/2\) の範囲の \((1+\sin x)/2\) のグラフに、シグモイド関数 \(1/(1+\exp(-xw+b))\) のパラメータを調整してフィッティングさせるという事例で、これはよく考えると、サインカーブとシグモイド関数のグラフの形状からいって、簡単すぎる。単一のニューロンの学習能力を初学者に過大評価させかねない事例なんじゃないかと思った。しかし、いずれにせよ誤差を最小化するようにパラメータが漸次調整されていく様子が見れて、なかなか面白かったのは確かだ。この本のおかげでPythonのコードの書き方もJupyter Notebookの使い方も少しはわかるようになったし、それだけでもありがたい。

昨日に引き続き『あたらしい数学の教科書』の第6章「確率・統計」を済ませ、最後の第7章「数学を機械学習で実践」に進む。夜10時近くまでやって、セクション7.2のロジスティック回帰の実習までやった。といっても、ずっとパソコンに貼り付いていたわけでもなくて、午前中はコミセンの図書館に行ったし、夕方には食材の買い出しにも行った。

いい天気である。シャワーを浴びてから、和光会館できょうあす開催の松山ブックマルシェに行った。高田淳『易のはなし』(岩波新書1988年)やエッシャーの画集など合わせて4冊買った。nCoくんも来ていた。昨日の雑談の中でこの古本市のことも伝えてあったのだ。阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男』(ちくま文庫)があったので、笛吹き男の伝説のことをnCoくんに説明して、この本の一読を薦めた。昼食にはまつちかのBALに行くことに決めていたので、nCoくんを誘って歩いて行く。大街道でもイベントをやっていた。ハンドメイド品のフリマのようだった。それに堀之内公園でも「えひめラーメン博2019」とかいうイベントをやっていた。さすがにこの連休はイベント目白押しというわけだ。

帰宅後はしばらく昼寝してから、『あたらしい数学の教科書』の第5章「微分」を読んでJupyter Notebookで実習する。シグモイド関数のことや最急降下法による最小値探索のことなどについては知らなかった。読んでみるもんである。本のことをツイートしたら著者の我妻さん(@yuky_az)に「いいね」とリツイートをもらった。

あと、Mathematical Logic Advent Calendar 2019というのをAlweさん(@Alwe_Alwe)が作るというのでひと口乗ることにした。ゲーデルのLとゼロ・シャープについて何か書かせてもらう。

11月になったので、押入から冬服をひっぱり出す。

今週火曜日の日記で触れた我妻幸長『Pythonで動かして学ぶ! あたらしい数学の教科書』の実習の続きをやる。慣れてくると、Jupyter NotebookはPythonのコードをちょっと書いて動かしてアイデアを試すのに確かに便利だ。これでコードを書いたり、Matplotlibでグラフを表示させたり、気づいたことをMarkdown形式で書き残したりしていると、なんでもないことでもちょっと高級な見栄えがして、仕事をしている感が演出できていいぞ。

先日入稿した縦書き原稿のゲラが編集部から届いたので校正をする。何箇所か文章を直すところもある。

夕方、nCoくんが研究室を訪ねてきた。自由アーベル群の部分群がまた自由アーベル群であることの証明の話などなどを少しして、その後、長々と雑談。