て日々

2019年7月

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ちょっと理由があって数年前の研究用ノートを見返してみたが、開講期間中はあまり数学らしいことを考えていないことが日付からはっきりわかる。授業のことで頭がいっぱいと言えば聞こえはいいが、キャパシティが小さく、切り替えがヘタで、なによりも不精者なのがいけない。キャパが小さく不精者なのに、欲張ってあれもこれも手を出そうとするから、すぐに「なにから手をつけていいかわからない」状態になるのだ。自分の頭が悪くなったような気がしてすっかり落ち込むが、べつだん、最近になって急に頭が悪くなったわけではない。もともと大した人間ではないのを普段は忘れているだけである。大事なのは日々怠らずに小さい努力を続けること。高い山に登るにしても、一歩一歩は小さいステップなのだぞ。

このごろ、フロイト『夢判断』の大平健による新訳(新潮社, 2019年)を少しずつ読んでいる。とても読みやすく、読んでいて楽しいけれども、若い頃と違って、おのれの心の内奥より、フロイトの活躍した19世紀末のウィーンという土地柄のほうに関心をそそられる。なんとも独特な世界だったように思われるのだ。それで、たしかいまシネマルナティックで、まさに世紀末ウィーンをテーマにした画家クリムトとシーレの映画をやっていたと思って調べてみたら、明日が最終日で、上映時間は10:40〜12:20となっている。明日は数理論理学のテストがあるから不可能。きょうはちょっと無理をすれば行けないこともないが、ゼミの予定に間に合わせるには昼飯を抜かねばならないし、院生nCoくんに迷惑をかけてしまいかねない。残念だが見送るとしよう。もっと早くにチェックして、先週の土曜日あたりに行くべきだった。世紀末ウィーンについてはいろいろな人が研究して本もたくさん出ているので、まずは図書館でそれらを調べることにする。

さてその大学院のゼミでは、クラス OD の定義と、ON から OD への全射の構成をやった。これで次回は HOD において選択公理が成立していることの証明、すなわち選択公理の無矛盾性証明に進める。まあ、さしあたり予定どおりだ。

今夜はいろいろ放棄して早めに寝てしまう。また明日。

昼間、会議に出るため理学部から愛大ミューズへ歩く。とても暑い。

夜はピアノのレッスン。そろそろ表現についての指示を先生が出してくださるようになった。本番に向けてテンポを上げることも考えにいれて練習する。と思ったら、来週と再来週はレッスンがお休みで、次回8月20日は本番直前追いこみ回。

ピアノのあとはジュンク堂書店から Garakta Cafe & Bar といういつものコース。

朝、三番町ガーデンプレイスカフェ(と最近は言わなくなったらしい、いつものカフェ)で連載の原稿を見直す。最終チェックだけのつもりがけっこう大きく手を入れることになったが、ともあれ午前のうちに原稿を編集部に送れた。

午後は数理論理学の講義。述語論理の完全性定理を証明なしで紹介し、モデルの存在定理との同値性を示して、すべての論理的に妥当な推論がわれわれの形式的体系で定式化できていることを確認。述語論理のコンパクト性を導き、その応用として「有限群そっくりの無限群」の存在を示した。論理が完全である一方で、一階の形式言語の表現力は不完全であるという話をしておしまい。

夕方には談話会があり、それが珍しくもキャンパス外の、松山市の施設を会場としたものだったので、好奇心が手伝って俺としては行く気満々であった。ところが、そろそろ出かけようかと思ったところへ学生さんが質問に来たので、そちらを優先。それがまた不得意分野の代数学の質問で、けっこう解答に手間取った。考えてるプロセスを全部説明したので、先方の理解の助けにはなっただろうけれども、たっぷり一時間以上かかったので、残念ながら談話会に行けなかった。そういえば、先週の木曜日も、スイカ割り大会の撤収作業を監督していたら談話会に行きそびれたのだった。まあ、仕方がないなあ。

夜は、昨日作って冷凍してあったカレーを昨日買った電子レンジで解凍して夕食にした。なんというか、夕食にあたたかいご飯が食べられるのはありがたい。

朝、シーツを洗濯した。梅雨があけたと思ったら、連日暑い。そうかと思ったら洋服屋では一足早く夏物の在庫処分セールが始まっていたりして、歳月は人を待たずだ。昼飯にカレーを作りすぎた。なのでタッパーに入れて冷蔵庫に保存する。この機会に、いままで使ってこなかった電子レンジを導入しよう。

10月分の連載原稿に関連して少し確認すべきことがあったので、午後には大学に行った。大学で調べものをしたり以前の号の記述をチェックしたりの作業を少しして、電気屋に行って安価な電子レンジを買ってきた。いまどきにしては珍しく、タイマー終了のチャイムがあの「チーン♪」という本物のベル音である。

帰宅して冷蔵庫の上に電子レンジを設置して、シャワーを浴び、原稿をおおむね書き上げる。明日、最終チェックのあと、編集さんへ送ることにする。この一週間ほどよく飲んだので、きょうは休肝日にした。

昼間はうちで本を読んだり昼寝したりだらだら過ごし、夕方から一昨日に忘れた帽子の回収に向かった。俺としては Muguet に忘れたとばっかり思っていたし、ルート的に近いのでそっちに先に行ったが、本当は Garakta に忘れていたのだった。さりとて、いい歳をしたオッサンが「帽子わすれてないですか、ないですか、そうですかさようなら」と出てくるのも気が引けるわけで、またしても二軒ハシゴすることになってしまった。

それで Garakta に行ってみたところが、平日しか行かない俺には意外に思えるほど盛況だったし、どういうわけか「たこ焼きパーティー」のスタンバイがなされていた。これまた、帽子を回収してすぐに帰るという話にはならない。常連のお兄さんお姉さんたちとたこ焼を堪能し、となりの席の女の子や店先に繋がれたワンちゃんといろいろ話がはずんで楽しかった。そのワンちゃんというのが、常連のお兄さんの飼い犬で、とても人に慣れていて、定期的に「かまってほしいワン」とコールをする。いちばん戸口寄りの席についた俺としては、再々呼び出されてナデナデさせていただいた。

千円もせん帽子ひとつ回収するのにお前いったい何杯飲んでるねん、って話でもあるが、帽子を忘れたおかげで普段とは違う行動をとることになり、それなりに楽しい思いができたわけで、ここは帽子を褒めてやるべきだと思う。

うーん。たぶん昨晩行ったどっちかのバーに帽子を忘れてるなあ。

数日かけてアミン・マアルーフ『アイデンティティが人を殺す』(小野正嗣訳, ちくま学芸文庫2019年)を読み終えた。原文は1998年。宗教原理主義的な過激派の台頭やルワンダの虐殺など、高まる緊張を背景に、レバノン出身のフランスのジャーナリストが、それぞれの人々の多様なアイデンティティを守りつつ、すべての人間の尊厳を最優先する道を探る。その後20年を経て、残念ながら世の中の状況はあんまり改善しておらず、著者の主張はちっとも古くなっていない。アマルティア・センの『アイデンティティと暴力』と合わせて、多くの人に読んでほしい本である。

数理論理学の講義。論理の公理がすべて恒真論理式であることを検証し、述語論理の健全性を示した。これでようやく完全性定理のステートメントが理解できる段階になった。と思ったら、次回が最終回である。

夕方、受け持ち学生のひとり、2年生のMzさんが、二十歳の誕生日の記念にスイカ割りをやるという。誕生日とスイカ割りの関係はよくわからないがまあいい。目隠しをして角材を手にしたMzさんが、おばあちゃんから貰ったという大玉のスイカを上手に割り、集った皆で分けて食べる。俺もスイカを食うのはひさしぶりだ。次に、大学院生nCoくんが追加で買ってくれた小玉のスイカを割るのに何人かがチャレンジして失敗し、俺に順番が回ってきた、目隠しをして何度かぐるぐる回り、角材を手にして、周囲の誘導の声と風の感触を頼りに歩く。うまく割れたので嬉しかった。

夜、火曜日に行けなかった Garakta Cafe & Bar に行った。2杯飲んで、カウンターの他のお客たちと参議院選挙の感想を語りあった。今夜は珍しくハシゴすることにして、大手町に新しくできた Muguet というバーに行って、「酔神」という国産ウィスキーを飲み、バーテンさんと話した。Garakta ほど気軽な感じではないが、ここもいい店なのでまた来ることにしよう。

久々にM1ゼミ。キューネン本第V章の Df と En の定義をやった。これがわかれば、HOD を用いた選択公理の無矛盾性証明まではあと一息だ。ゼミのあとは学部の会議。それから明日の講義の準備を済ませて帰宅。そろそろ10月号の分の連載原稿を書かないといけない。いそいそ。

水曜日は定例の休肝日。

俺とO下さんは昨年あたりから共同研究を始めたばかり。だが、O下さんは残念ながら任期の関係で今月いっぱいでわれわれの教室を去って東京のある有名私大へ移るのだ。夕方にはO下さんの談話会。これまでの共同研究の成果(のうち、O下さんの貢献になるもの)を発表してもらったので、ミキ学部長をはじめ皆から「あんたたち早く共著論文を書きなさい」とハッパをかけられた。夜には二番町「響未」(これで《こひつじ》と読むらしい)で送別会。その後八坂通のska barに場所を移して学生主催の送別会もある。こちらの会は参加者こそ多くなかったが、日付が替わるころまで、しっかり盛り上った。

午後、数理論理学の講義。論理式の解釈の定義と例、ゲタ記号 \((\vDash)\) の導入。その後、研究室で学生の質問に応対。ユークリッドの互除法に関すること、パラメータ表示された双曲放物面に関すること。それ以外の時間は、休み休みながら、集合論の本の原稿に向き合う。レビューアからもらったコメントをもとに、プリントアウトした原稿に赤ペンで変更を書き込み、目印に小さな付箋を貼る。すでに原稿は付箋だらけだが、まだしばらくは終らない。サボってばかりいないでがんばっていい本にしないと、コメントを寄せてくれた人たちに申しわけが立たない。

軽い朝食のあと、参議院選の投票に行く。小雨が降っていて、投票所に向かう田んぼ沿いの道にはたくさんの小さなカエルたちがいる。小指の先ほどの小さいカエルで、小石と見分けがつかないのだが、近寄ると急にぴょんぴょん飛び跳ねて田へ飛び込んでいく。踏みつぶさないように注意しながら歩く。投票後は少し散歩することにした。タリーズコーヒーで本を読み、コンビニで家賃の保証料というものを払い込み、思い立って市内電車で道後の温泉街に向かう。

日曜日ではあるが、道後温泉の前の商店街には思いがけないくらい人が少ない。まあ、そのあたりはシーズンにもよるのだろう。道後麦酒館で地ビールを飲み、じゃこ天や親鶏のせんざんき(愛媛では鶏のてんぷらを「せんざんき」と呼ぶ)を食って昼食がわりにする。そのあと商店街を歩いていると我々の教室のOBであるマナブ先生がお孫さんを連れて歩いているのに出会った。退職から4年経ってすっかり好好爺然としたマナブ先生に「フジタくんちょっと太ったんじゃない?」と言われてしまった。はい。そうだと思います。そりゃこんな食生活してりゃあね。

道後温泉駅前の広場で足湯を使ってから、JR松山駅ゆきの電車に乗って帰ってきた。

雨がやんだようなので洗濯をする。シャワーを浴びてから県立図書館に出かけるが、何か本を借りようという気にならない。まあ、そんな時もある。躁鬱というほどの振幅はないが、拡張期と収縮期というくらいの波はあるようで、どうやら、いまは収縮期らしい。と、まことしやかな理屈を自分でつけてみる。とにかく、なにかにつけて「やめとけ」という心の声が大きく聞こえるのだ。

図書館を出て、昼飯を花園町の清まるで食う。この店はとんかつパフェが有名である。きょうは普通にトンカツ定食を食う。ただし、カツを「ダブル」にしたので、腹いっぱいである。

そのあとジュンク堂書店、銀天街、大街道と、先週と逆の順序で回る。銀天街のGET地下のスーパーで買った烏龍茶のペットボトルを片手に、まだ夜市の露店も出揃っていない昼下がりの商店街を、一番町まで歩き切る頃には、やっぱりもういっぺん図書館に行ってみようという気になっていた。腹いっぱいにしてぼんやり歩いているうちに「やめとけ」の声が止んでいる。食事と散歩の効果はたいしたもんだ。それで、進路を西にとって県立図書館を再訪。ロジャー・ペンローズの本を何冊か借りて、歩いて帰宅。少し昼寝をする。

昼があんなだったので夕食は軽くした。夜はジュンク堂に行ったときに買った仰木日向『作曲少女 — 平凡な私が14日間で曲を作れるようになった話』(ヤマハミュージックメディア)を夜中までかかって読了。理屈っぽくなく、大事なことだけに絞って書いてあり、それなりにお話としても読めて、イラストがかわいい。あとはいろいろの説明にもう少し図解が伴っていたら言うことなしだと思った。

きょうも天気がよくない。共立出版の1738さんが研究室に来てくれたので応対した。昨日届いた『数学ガールの秘密ノート/ビットとバイナリー』を学生レビューアたちが取りに来た。あとは明日の講義の準備、同僚とのちょっとした打ち合わせ、書類仕事。結果的にという感じではあるが、休肝日。

今朝も三番町ガーデンプレイスカフェに行く。スマホを家に忘れてきたらしい。まあ仕方ないが、このごろ忘れものが多い。

午前中に講義。述語論理の意味論。言語に対する構造を定義し、例をあげ、項の解釈と原子論理式の解釈まで話す。

午後、集合論の本の原稿にもらったコメントを原稿のプリントアウトに書き込む作業。コメントが単なる誤記の指摘なら話は簡単だが、よく考えて記述を直さねばならないような意見もあり、ことによると、変更が全体の構成にまで及ぶ可能性もある。コメントと原稿を見比べて、うーんと唸ってしまう。しかしいずれにせよ、原稿を読んで前向きに意見してくれる人がいるというのは、なんともありがたいものである。

川添愛さんから新著『数の女王』(東京書籍)をご恵贈いただいた。あの『精霊の箱』(東京大学出版会)の作者による新しいファンタジー小説の、今度のテーマは整数論である。

夕方、事務室から電話。学生さんたちを巻き込んでレビューをさせてもらった、結城浩さんの新著『数学ガールの秘密ノート/ビットとバイナリー』(SBクリエイティブ)が届いたという。スマホをもってない日に限っていろいろ届くものだ。普段は、本を頂戴したらすぐに表紙を写真に撮って、ツイッターで「ご恵贈いただきました」と皆に報告をしているし、結城さんのこの本に関してはLINEグループで学生レビューアたちに連絡をしないといけないのだが、スマホを忘れては、それもできない。

夜、夕食に雑炊を作る。丼鉢に半分ほどの分量の湯を沸かし、だしの素と醤油を入れ、これまた丼鉢に半分ほどの冷やご飯にとき玉子を加えて少し煮立て、仕上げにきざみ葱を散らす。簡単でそこそこ旨いが、今回は玉子を入れるのが早すぎた感があった。夕食後は、他のことは置いといて『数の女王』を通読。楽しかった。

朝、三番町ガーデンプレイスカフェに行く。銀行が開く時間になったので妻子に些少の仕送りをする。午前中は明日の講義の準備。午後、普段TGSAセミナーや数学談話会で使っている大演習室のプロジェクターを新調するため、デモ機のテストをするというので、それに参加してiPhoneの画面の表示などをさせてみた。それから、いろいろの理由で滞っていた、本の原稿の直しを再開。たくさんの人に関わってもらって、すでにいろいろな意見を貰っている。ありがたいことだ。あとは著者である俺の責任で、それを反映させて原稿を改善する。ご厚意に応えるためにも、いい本にしなくちゃならん。くたばっている場合ではない。

往年の名作マンガ、大雪師走『ハムスターの研究レポート』の Kindle版 があることを、とあるきっかけで知った。これはうれしい。ひとまず第1巻を購入してFireタブレットで見る。

水曜日は定例の休肝日。

朝、出かけようというときに腕時計が見当らない。仕方がないので代替のチープな時計をつけていった。いや、普段のも随分とチープなのだけれども、代替品はそれどころではなくオモチャみたいな見た目なのだ。昼間はいつものように大学でだらだらと仕事をし、夕方にはO下さんと数学のディスカッションを少しして、夜はピアノのレッスンに行く。来月の出番の曲をやる。まだテンポを上げると事故が多発していけないので、本番のテンポを念頭に置きつつも、ゆっくりとていねいに練習せねばならん。レッスンの後はいつもの Garakta Cafe & Bar で2杯だけ飲んで帰宅。夕食をとり、明日以降に備えてお惣菜を作り、シャワーを浴びて、あとは寝るだけとなったので押し入れから布団を出したら、布団の折り目の間から腕時計が出てきた。

急に時計が見当らなくなったのは、あまりチープな時計ばかり使っていないで年齢相応のものを持て、という天の声かと思った。しかし、天にそう言われても、すぐには高級な時計をもつ踏ん切りがつかない。

朝、シャワーを浴び、洗濯をする。朝食は昨晩作った焼き飯の残り。昼食はラーメン。午後、ようやく日の光が見えたので石手川緑地に行ってちょっとだけサックスを吹いた。平凡社ライブラリー版『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』を読み終えた。年表や人名解説が充実しており、また、巻末の柄谷行人の論説がすぐれた解説になっていて、ありがたい。マルクスの本文は1852年、柄谷の論説は1995年のものだが、2019年の日本にも通じるものが十分にあると思う。

夕方、県立図書館へ本を返しに行ったが、祝日とて普段より閉館が1時間早い。新たに本を借りることはできなかった。まあ仕方がない。コンビニで缶ビールを買って、堀之内公園のベンチに座る。芝生と砂地が世界地図みたいな模様をなしている地面。たくさんのスズメとカラス。スポーツを楽しむ人、キリストの教えを説いて回る人、ウクレレを練習する人、本を読む人。

夕食は、ビールと一緒にコンビニで買ったアラビアータソースでスパゲティ。ひよこ豆を塩ゆでにして加えたら、なかなか美味かった。

一日中、小雨が降ったりやんだり。お昼すぎに、大学へ自転車を回収に行って、ついでに少し用事を片付けた。米を買いにスーパーに行ったが、食事は冷蔵庫の残りもので簡単に済ませた。

フリーの楽譜清書ソフトMuseScoreを少し使ってみた。まだちょっと勝手がよくわからないけど、32小節の短かいピアノ譜を2つ書いた。

職場のウェブサイトの更新とサーバ機のDebianのソフトウェア・アップグレードのために大学に行き、アーケード街の土曜夜市を見物し、ジュンク堂書店に行き、買った本をまつちかの珈琲館で吟味し、(いつものGarakta Cafe&Barが開いてなかったので)家の近所の居酒屋に行って2杯飲み3品食って帰宅。朝のうちくもり空で、大学には自転車で行ったが、昼ごろから夜までずっと雨だった。

書店のホラー小説のポップに「この国には怪異が蠢いている」とあったのを、遠目に観た俺は「この国には係長が犇いている」と空目してしまい、「どういう本なんだろう」と近寄ってから事実に気付いて声を上げて笑ってしまった。いや、まあ、そんなことはともかく、きょう買ったミシェル・ウェルベックの『ショーペンハウアーとともに』(澤田直 訳/国書刊行会 2019年)は、現代フランスを代表するという作家による、ショーペンハウアーの引用と注釈からなるエッセイで、大変よい本であった。自分でもショーペンハウアーの哲学書が読んでわかるようになる気がするだけありがたい。実際には西尾幹二訳の《世界の名著》版『意志と表象としての世界』を久しい以前に入手してそのまま積読なのだけれども。

ウェルベックの本を読んだ余勢を駆って、これもきょう買った齋藤孝『読書する人だけがたどり着ける場所』(SB新書 2019年)を読み終える。読書論であり本の紹介であり、まあ、いつもの齋藤さんの調子なのだが、こちとら、長らく読書ということに情熱を失っていたので、こういう本でハッパをかけたいところ。

久々に映画館というところで映画というものを観てきた。ブルース・スピーゲル監督の「ビル・エヴァンス/タイム・リメンバード」だ。この稀代のジャズピアニストの音楽と人生を、生前の彼を知るいろいろな人へのインタビューと映像資料で描き出すドキュメンタリー。とてもよかった。

午前中、講義。述語論理の一般化定理。例によってテキストの間違いを修正しながら話す。それから背理法の原理について話し、「この論理体系はここまでのところうまく行っているようだ。では論理的に妥当な推論がすべてこの形式的論理体系で実現できることをどうやって確かめればいいだろうか」と問題提起して、次回以降の構造の話につなぐ、という、例年どおりの展開。

午後、近い将来必要に迫られる可能性に備えてWeb会議システムについて調べる。おなじみのSkypeGoogleハングアウトの他に、SOBA meetingという無料サービスがあるようなので登録してみた。

Debian10 “buster” が先週末にリリースされたというので、さっそく、普段づかいのパソコンのシステムのアップグレード作業をした。

夜はキルギスタンからの訪問団のみなさんとの食事。授業をしてチョークの粉でズボンが汚れたのと、ようやく雨がやんで夕方に晴れ間が見えたのとで、着替えと洗濯のために早めに一旦帰宅し、家で用事を済ませてから歩いて会場へ向かう。訪問団は17名。日本側からは大学の教員8名、大学院生5名が参加したので、総勢30名のけっこうな団体さんが、メシを食い酒を飲みつつ話すが、お互い英語は外国語であるから、時々トンチンカンになる。しかしまあそのうち、誰かがキルギスタンの民謡を歌い出す、こちらの院生たちが対抗して「恋するフォーチュンクッキー」を歌って踊る、日本の先生方が「上を向いて歩こう」を歌いだす、などなど、酔っ払いならではの展開になって楽しかった。ちょっとくらい言葉が通じなくても気にせずに積極的にコミュニケーションをとっていく若者たちを見て、人類にもまだまだ希望があるかもしれんと思った。AUCAのKanaiym先生と「若者は国の宝ですねえ。」と話しあう。まことに、俺たちも若者をもっと大事にせんといかん。

朝、キルギスタンから来訪中の学生さんたち相手に、和算と算額についてベーシックな知識を英語でプレゼン。しかし歴史に関することを英語で話すというのは俺の手に余る。少々グダった。きょうの夕方、院生たちがキルギスの学生さんたちをショッピングと観光に連れていくというので、プレゼンのあとで事前調査を手伝った。みな行きたい店がバラバラなので、いろいろ質問責めにあって大変だった。

どういうわけか100円ショップに行きたいという人が多かった。あとで聞いたところでは、100円ショップに相当するものはキルギスタンにもあり、そこでも中国製品が席巻している。日本の100円ショップなら、日本の製品が買えるかもしれないと彼らなりに期待していたというのだ。実際には品揃えに目立った違いはなかったらしい。

午後には学部の短い会議のあと、キルギスの人たちが自分たちの国を紹介する講演を聴き、それから明日の講義の準備。雨の中を自転車で帰宅。休肝日。

明日のプレゼンの準備をするが、テーマの選択を誤った感じで、どうも憂鬱である。まあ今さら仕方がない。スライドを作り、ハンドアウトを用意する。

夜はピアノのレッスン。発表会ではないが昨年同様の夏の演奏会にエントリーする。レッスン後は Garakta Cafe & Bar に行っておしゃべり。

午後は講義。お題は演繹定理。それからO下さんと数学の議論を少しする。夕方、いつものようにお惣菜を作る。すっかり定番になった手羽元のタレ焼きと、今回はゴーヤと豚肉の炒めものを作った。

月に1度のお約束であるから、井手神社にお参りしておみくじを引いてきた。大吉が出た。そのあと天山のイオンまで行って中華麺と野菜を買い、昼食と夕食はラーメンにした。午後は大学に明日の講義の準備を整えに行った。

今年も無事に誕生日が来て、55歳になった。ツイッターやフェイスブックでいろいろな人にお祝いの言葉をもらった。昨日神戸で買ったお土産を妻が倅を連れてうけとりに来て、引き換えに かなしきデブ猫ちゃん のTシャツを置いていった。ありがとう。

例によってJR三ノ宮駅前のなか卯で朝食のあと、アーケード街の喫茶店でコーヒーを飲みつつ本を読む。森田邦久『理系人に役立つ科学哲学』(化学同人2010年)をどうにか読了。そうこうするうちに書店が開く時刻になったのでジュンク堂書店へ行ってみる。いろいろの本に目を引かれるが、さしあたり買ったのは立山秀利『入門者のPython』(講談社ブルーバックス2018年)だけ。お昼ごろ書店を出る。帰りの電車の時間まで少し間があるが、どこかへ出かけようという気にもならんので、JR新神戸駅方面へ歩く。途中のココ壱で昼食。新神戸駅の売店で妻子へのお土産を買い、ベンチに腰掛け、少しアイシャム『量子論』(吉岡書店)を読み、少し居眠りをして、ぼんやりと時間を潰す。帰りののぞみもしおかぜも比較的すいていた。18時34分のまだ空の明るい時刻に松山に到着。

夕食は、乗り換えのときに岡山駅で買ったままかり鮨。

朝8時10分のしおかぜ10号で出発し、お昼前に神戸に着く。JR六甲道駅前で昼食のあと、坂道を登って神戸大学に行く。今回の用件は神戸大学で開催される量子論ワークショップに出ること。

ワークショップの発表者は西山陽大さんと丸山善宏さん。一時期おおいに話題になったペンローズとハメロフの量子脳の研究はその後すっかり下火になったと思っていたが、西山さんの報告によると、今年インターラーケンで開かれた意識の科学にかんする研究集会でハメロフは以前とまったく同じ路線で研究報告をしていたそうだ。ワークショップのあとは六甲道の居酒屋で飲み食い。宿は5月末に泊まったのと同じ三宮のホテル。

このワークショップ、次回はいつになるか知らんが、その時には俺も何か発表せねばならぬ。

朝、三番町ガーデンプレイスカフェに寄ってから大学に向かう。今年になって初めて蝉の鳴くのを聞いた。数理論理学の講義7回目。形式的証明の例と、仮定のある「証明」の定義まで。形式的証明可能性を意味する表記  \(\vdash\varphi\) の \(\vdash\) を「ト記号」という、と説明したのだが、そのせいか、小テストをしてみると、 \(\vdash\) の横棒が右下がりになって ト になっている答案が続出した。次回ちょっと訂正せねばならん。

職場のWindows機とDebian機にSimplenoteの更新版をインストールした。広島海外の桂さんが来たので、Chris Heunenの新しい本とIshamの原書を発注した。夕方は医者に行っていつもの薬をもらう。医者の帰りに、文具生活に寄ってサラサクリップの5色セットを買い、レディ薬局に寄って養命酒を買った。

小雨が降ったりやんだり。明日と来週月曜日の講義の準備をする。金曜日は講義の準備の時間がとれないからね。夕食後、本でも読もうとフジグラン松山のフードコートに出かけたが、読むべき本を家に忘れてきた。となると、食事は済んでるし、水曜日は休肝日だし、夜にはコーヒーは飲まないことにしているし、本はないし、まったく手持ち無沙汰であった。仕方がないのでノートに懸案事項についての考察を少し書き、宮西のブックオフを少しひやかして、1時間ほどで帰宅。

一日だらだらと過ごす。夜にはピアノのレッスン。8月の出番の出しものは決まっているが、さて間にあうのか。

というわけで7月である。朝食をとりシャワーを浴びて、天気はよくないが自転車で出かける。三番町ガーデンプレイスでコーヒーを飲み、森田邦久『理系人に役立つ科学哲学』(化学同人)を少し読んでから、大学へ移動。午後には数理論理学の講義の6回目。論理の公理の詳細と推論規則。いわゆるト記号の説明まで。

来週にはキルギスの大学から先生と学生のグループが愛媛大学を訪ねてくる。英語で1時間の講義をしなければならないので準備にとりかかる。何の話をするかは、ここではまだ内緒。