て日々

2017年5月


2017年5月31日(水)くもり

講義の最終回。タッキーの補題を使って濃度の比較可能性の証明をする。30分ほどの残り時間で連続体問題について「お話」をして、最後にお約束の授業アンケートをとろうと思ったら、事務方からもらったアンケート封筒に回答紙が入っていない。間違えて設問用紙を入れてくれているのだ。しかし、設問用紙は各教室に備え付けのものがあるのだから、わざわざコピーをもらうまでもない。これでは仕方がないので、明日の演習の時間に講義と演習のぶんをまとめて回答してもらうことにする。

講義のあとの時間をとって、きょうが締め切りの原稿を書きあげる。夜10時半をまわるまで元町珈琲にいて、原稿の読み返しをする。それから帰宅し、夕食後またまたパソコンに向かって、夜中過ぎの1時半まで、原稿を修正。編集さんに送ってもよさそうな格好にどうにか整える。途中何度か、CotEditorがクラッシュして、肝を冷やす。


2017年5月30日(火)はれ

午前中は演習。午後には卒業研究ゼミ。他の時間は、リーマンの講演『幾何学の基礎をなす仮説について』の近藤洋逸訳と、ブルバキの論説「数学の建築術」の英語訳(William Ewald ed., «From Kant to Hilbert» 所収)を読む。原稿は進捗せず。


2017年5月29日(月)はれ

ずっと焦げついているあの原稿の最終章を書く。月末までにやるという、編集さんとの約束を、今度こそ守らねばならない。


2017年5月28日(日)はれ

俺としては、そろそろ原稿を書いてしまわねばならないから、家で本の続きを読んでいたいわけだが、いつの間にか家族とドライブに行くことが決まっていた。近所のスーパーでお弁当を買って、大浦海水浴場へ。

大浦海水浴場の写真

有無を言わせず連れてこられたのだが、気分は悪くない。快晴で見通しがよく、すばらしい眺めである。お弁当を食べて、少し散策して、午後2時半ごろ帰宅。夕方からはそれなりに進捗して、『新幾何学思想史』を読み終えた。


2017年5月27日(土)はれ

非ユークリッド幾何に関連して、近藤洋逸『新幾何学思想史』(三一書房1966年/ちくま学芸文庫2008年)を読んでいる。非ユークリッド幾何の確立とリーマンによる微分幾何の提唱に至る歴史をたどりつつ、関連する数学者たちの認識論的背景について、踏み込んだ議論をする。最初から「思想史」と言っているのだから、それはそれでよい。だけど、ちくま学芸文庫版の腰帯に「非ユークリッド幾何学誕生までの苦闘のドラマ」というキャッチコピーを書いた人は、いったい何を考えていたのだろう。

訝しく思いつつ、話は変わる。百人一首にある大江匡房の《高砂の尾上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ》をトンデモ解釈して次のようにツイートしたが、てんでまったく何の反響もなかった。タイミングということもあるかもしれないが、完全スルーは残念すぎるので、ここに書き残しておく。

尾上さくらさんとめでたく高砂のお席についた大江匡房さん。だが結婚式場には先にケリをつけておいたと思った外山かすみさんの姿があった。そのことが気になった匡房さん、大事な新婚初夜に機能しなかった。さくらさんは「あら…なんなの?」

2017年5月26日(金)はれ

講義。タッキーの補題。ツォルンの補題の双子の妹みたいな命題で、実際どちらも同値である。この「集合と位相」では、集合論の少しだけ進んだ題材(濃度・順序集合・ツォルンの補題)を扱うが、2回生の第1クォーターに開講という関係で、説明に不可欠な例示をするためのバックグラウンドがない。無限次元ベクトル空間の基底の存在証明などはよい例になるはずだが、われわれのコースでは、1回生の前期の「線形代数」で数ベクトル空間と行列式を終えているものの、抽象ベクトル空間を扱う「線形空間論」は2回生の第2クォーターからだ。もちろん、群も環もまだだから極大イデアルもハーン・バナッハもない。だからといって、そちらの講義を集合論の講義より先にするわけにもいかない。今回は仕方がないので、ツォルンとタッキーの同値性の証明をする。これで一応、両者の使いどころの例示にはなる。

先日からいろいろ試している、ネッカーのキューブ実写版は、雑な工作ながらどうにかそれらしいものができたので、ひとまず写真を公開。しかし竹ひごの簡素な工作なので見栄えが悪い。いずれ、もっとちゃんとしたのを作ることにしよう。

竹ひごで作ったネッカーのキューブの写真

やる気のないあひるやる気のないあひるやる気のないあひる

夜、いろいろあって、またまたツイッターでヒートアップしてしまった。済んだことだし、詳細をここに書くこともあるまい。探せばログだって残っているから、読みたければそちらをどうぞ。俺は論理学の先生などという仕事をしているが、論理というものがどうも好きになれなくて、他の人のなんでもない発言に論理主義の匂いを嗅ぎつけて過剰反応してしまうことがある。はずかしい。はずかしい。ごめんよのうこ。


2017年5月25日(木)はれ

朝、この時期恒例の、職場の定期検診。昨年は体重も腹囲も理想的な値だったが、今年はすっかり一昨年までの水準に戻っている。つまり、また太ったのだが、昨年がある意味で異常だったのだろう。昨年妙に低かった血圧(93/68だった)も、今年は130/90とまったく平常運転だ。

朝食を抜いて来ているので、検診終了後に大学会館の2階カフェテリアで遅い朝メシ。あれもこれも取っていたら、普段の昼飯より高くついた。まあ、そういう日もあるか。

夜、仕事の帰りにスーパーで水まんじゅうなる和菓子を買った。片方を楊枝で半分に切りながら「アンダルシアの犬」と言ってみたが、何のことか妻にはわからなかったらしい。

クロモジの刺さった水まんじゅうの写真

妻と倅はこういう餡のお菓子を食わないので、娘と俺で1個づつ食った。


2017年5月24日(水)くもり

この数年のうちに、われわれの学科では、会議を昼休みに開くという妙な習慣がすっかり確立してしまっている。今年度になって初めての会議でもあり、12時40分の授業開始までには到底終わらない。38分ごろ退出して、講義に向かう。極大・極小、鎖(チェーン)、上界・下界、と用語を定義しては例を挙げて説明し、最後にツォルンの補題のステートメントを述べる。テキストでは選択公理を用いたツォルンの補題の証明を述べているが、この授業では、証明まではしない。


2017年5月23日(火)あめ

19世紀の数学の概観を得る目的で、中村滋・室井和男『数学史 数学5000年の歩み』(共立出版 2014年)という本の後半部分を読む。最後の§19(「数学」とは何か? そしてこの先どこへ行くのか?)で示されたずいぶん楽観的な見方には、必ずしも賛成できない。数学が消えてなくなるとはさすがに思わないが、 最近の150年ほど維持されてきた研究態勢がそろそろ崩壊するんじゃないかと危惧しているからだ。まあ、いずれにせよ、今すぐどうなるという話じゃないし、無能な俺はどっちに転んだってダメなんだけどね。


2017年5月22日(月)はれ

このところ好天つづきで気分がいいな、と思っているうちに、もう5月も下旬である。今月中に片付けると約束したものを書き上げないといけない。いいかげん約束を果さねば。うぉぉぉぉ。

tsudoi10-recruit

次で10回目になる「関西すうがく徒のつどい」をこの夏に開催しようという話が出ている。現在、リーダー(主催)が名乗りを上げ、手伝ってくれる運営担当者を募っているところ。例によって俺と証蔵さんは運営の手伝いに加わる。「つどい」開催に協力してやってもいいよ、という人は、ぜひ知らせてくださいな。

そもそも「関西すうがく徒のつどい」とは何じゃ、という情報は、公式サイトのほかに、過去の開催時のツイッター実況をまとめたものtogetterにいろいろあるので見てやってください。


2017年5月21日(日)はれ

寓話。

むかしむかし、ある街に、お寿司が好きなだけ食べられるお寿司の城というものがありました。ある日、噂を聞きつけて、お寿司が大好きな子供たちが、お寿司の城を訪ねてきました。子供たちは、ここなら好きなお寿司がたらふく食べられるんだと、期待に胸をふくらませていました。でも、実は、子供たちの知っているお寿司は、いなり寿司とちらし寿司だけだったのです。

お寿司の城に入ってみると、そこは、マグロやヒラメはハマチやイカの握り寿司や、イクラやトビコや納豆の軍艦巻きなど、子供たちの見たこともないようなお寿司でいっぱいでした。

子供たちは、初めて見る握り寿司に、ビックリしました。「なんだこれ、ご飯に生の魚が乗っているぞ」「それにこの緑色の味噌みたいなのはすごく辛いし鼻にツンとくるな」「あっちに《サバ寿司おいしいでぇ〜バッテラおいしいでぇ〜》って関西弁で言ってる変なおじさんがいるよ」「これがお寿司なの?」

そんなふうに最初は戸惑っていた子供たちですが、そのうちに、大抵の子供たちはちゃんと握り寿司や軍艦巻きの味を覚え、こういうお寿司もいいよねえ、と満足して帰っていきました。中には、家の人に食べさせてあげたいと、握り寿司の作り方を覚えて帰る子もいました。

でも、何人かの子供たちは「いや違う。こんなのお寿司じゃない。やっぱり、お寿司は油揚げに入ってなくちゃ」と言って、最後まで握り寿司を認めようとしませんでしたとさ。

いなり寿司も握り寿司も、どちらもお寿司だと俺は思います。ピクニックにも持って行けるいなり寿司は、お手軽で楽しいです。お祝いごとなどの改まった機会にちょっと張り込んで食べる握り寿司は、これまた楽しいです。寿司の発展の歴史とかいろいろあるでしょうが、どれが本物の寿司だ、ってことはないと思います。

え、なに? 何の話かわからん? ははははは。


2017年5月20日(土)はれ

一日じゅうとてもいい天気で気分がよかった。午前中、まず近所の温泉に行き、そのあとコミセンの図書館に行って先日借りた本と楽譜を返却。近所の農協のスーパーで昼飯に揚げ物を買って帰った。コミセンの図書館(松山市立中央図書館)では今回は何も借りなかったが、思うところあって、午後に県立図書館に行って5冊の本を借りてきた。まずはブルデュー『科学の科学』を読むことにしよう。

books20170520

温泉から歩いて帰る途中、伊予鉄の駅の近くで「両親に彼女を初めて紹介する男」という光景に遭遇した。きっと彼がこの近くで育った人で、就職した街で見つけた彼女を船かJRで松山まで連れてきて、実家に最寄りの伊予鉄の駅まで来たところへ、両親が車で拾いにきた、という流れだろう。いやあ、人生だなあ。こんな快晴の気持ちいい天気の日でよかったねと、他人事ながら思うのだった。

妻の車で県立図書館から帰るついでに、食材の買い物のために、久枝のコープえひめに行った。あんまり天気がいいんで「これはビールでしょ」とずっと思っていたが、ほどよくエアコンの効いたスーパーマーケットで小一時間過ごしているうちに、なんだかビールの気分でなくなってしまった。いや、買って帰って風呂上がりに飲んだけどね。


2017年5月19日(金)はれ

「集合と位相」講義。順序集合の話。現時点では「数の大小関係」「集合間の包含関係」「整数間の整除関係」という3つの例くらいしか出せない。そのかわりに「ハッセ図による順序構造の図示」という、テキストにないトピックを追加。これがあるとないとで、わかりやすさが違うはずだ。

ペンローズの三角形の話が一段落したので、次にはネッカーのキューブの実写版というのをやってみたい。遠近法の効果を考慮して少し計算すれば、できないことはないようだ。実作の前に、計算値にもとづいてPOV-rayで作画してみたのが下の画像。うん。計算は間違ってなかったらしい。

neckercube20170518.png

だが、この画像1枚では、これが実際にはどういう三次元的な構造物なのかがイメージできない。試しに竹ひごと糸でプロトタイプ第1号を作ってみた。そうしたら、コンセプトの正しさは確かめられたが、仕上がりがあまりにも貧相なので、まだ写真は載せない。

それにしても、MacへのPOV-rayのインストールが HomeBrew を使ってコマンド一つ打つだけで済んでしまうんだから世の中進歩したものだと思う。いや、ありがたいことだ。


2017年5月18日(木)はれ

「だまし絵」に関する杉原厚吉さんの本2冊。大学生協に注文していたのが届いたというので、受けとりに行った。そしたら、3月に注文した言語統計に関する本も3冊、俺を待っていた。すっかり忘れていた。わははははは。

杉原厚吉さんの2冊とは、『だまし絵のトリック-不可能立体を可能にする』(化学同人社)と『だまし絵と線形代数』(共立出版)だ。言語統計についての3冊のことは、いずれ改めて。


2017年5月17日(水)はれ

「集合と位相」の講義。冪集合の濃度に関するカントールの定理。連続体濃度を \(2^{\aleph_0}\) と表記する理由。すなわち \(\mathbb{R}\) が \(\mathbb{N}\) の冪集合と対等であること。最初に冪集合の「冪」の字の成り立ちの説明などなどをしていたこともあって、最後に連続体問題について紹介する時間が取れなかったのは残念だ。

講義のあとは今年度3回目の「数学科お茶会」で、俺が《ペンローズの三角形(実写版)》というタイトルでショートトークをやり、そのあとは特製「ペンローズの三角形製作キット」を配布して工作の時間となった。数学科というところは理学部の中では異色で、工作とは基本的に無縁だから、参加者は思いのほか苦労しているみたいだった。

ペンローズの三角形(1)
一昨日の準備中に撮ったもの

ペンローズの三角形(2)
工作するO下さん

ペンローズの三角形(3)
こちらは1年生女子の作品
わりと綺麗にできた


2017年5月16日(火)くもり

午前中は「集合と位相」の演習。午後は卒業研究ゼミ。先週相談したとおり3人に1コマずつ発表してもらう。夜はTGSAセミナーの懇親会。例によってワインを飲みすぎて沈没。明日のショートトークのスライドづくりが途中だが寝るしかない。まあ、画像データ等々は集まったからなんとかなる。

やる気のないあひるやる気のないあひるやる気のないあひる

卒業研究の10kくんの発表で面白かったのが、《任意の集合 \(A\) について \(\{0,1\}\times A\) から冪集合 \(\mathcal{P}(A)\) への単射を構成してみせよ》という例題。\(A\) が3個以上の要素をもつ場合は、\((0,a)\) に \(\{a\}\)を、\((1,a)\) に \(A\setminus \{a\}\) を対応させればいいのだけど、2要素集合 \(A=\{a,b\}\) のときにはこれでは困る。さて、どうするか。

それと《空でない集合 \(A\), \(B\), \(C\), \(D\) があり、直積 \(C\times D\) から和集合 \(A\cup B\) に単射があるならば、\(C\) から \(A\) への単射または \(B\) から \(D\) への全射が存在する》という定理もあった。これは地味で些細な結果のようだが、見方を変えると濃度の積と和に関するケーニヒの定理の添字が2個の場合だし、無限濃度の積の冪等性から選択公理を導く2012年10月1日の日記に書いた証明の鍵となる部分でもある。


2017年5月15日(月)はれ

明後日のショートトークの段取りを考えたり、先週の中間テストの採点をしたり。

夜はピアノのレッスン。昼にダウンロード購入した楽譜の初見。発表会の出し物はこれでもいいかも。ともあれ、練習しておこう。


2017年5月14日(日)はれ

倅が友達とマクドナルドに行くという。その友達は、クラスメートとマクドナルドに行くのが長年の憧れだったそうだ。初めての体験ということで、双方の母親が見守りについていくという。まあそんなわけで、俺と娘も、別行動ながら、昼食は彼らと同じフジグラン松山のフードコートでとることにした。聞くところによると、お友達のお父さんと妹も同じように別行動でフジグラン松山に来ていたらしい。わははは。娘は「ザ丼」で海鮮丼とうどんのセット、俺は「れんげ」で中華あんかけ炒飯と担々麺のセットを取った。

赤いカーネーション

午後、娘は母の日のプレゼントにクッキーを焼いた。それはいいのだけど、俺としては、母の日には赤いカーネーションがほしいので、近所のスーパーに行って買ってやった。それと、京都の実母にメール。

例年《妻》が何やら手配しておりますものを、今年は忙しさにかまけて、やりませんでした。ごめんなさい。

《娘》が母親(と、もうすぐ誕生日の友達)のためにクッキーを焼いたりしておりました。《倅》はまったくの平常運転なので、母親に渡すカーネーションを私が買って、言って聞かせてやらねばなりません。まあ、中学生男子なんてそんなものでしょう。

ともあれみな元気です。

2017年5月13日(土)くもり

いつも通っている六軒家の道沿いに新しいローソンが昨日オープンしたというので、子供らを連れていってきた。ビールや何かはどこで買っても同じだが、ローソンオリジナルのロールケーキがサービス価格だったので5個買い、あと、子供のおやつなども買った。午前中は天気がよく、ちょうどいいお散歩になった。ローソンからの帰り道に洋服屋で安売りになっていたポロシャツを買ったが、家に帰って着てみると、これはどう見てもコンビニかピザ屋の店員である。まあ、いいんだけど。


2017年5月12日(金)あめ

朝食。トースト3枚、ハム2枚、鮭1切れ、豚肉1口、スパゲティ1口、コーヒー1杯。子供らの食い残しを片付けるためとはいえ、ちょっと多かったな。

講義では選択公理に触れた。どんな無限集合も可算無限集合を含むという命題と、可算個の可算集合の和集合がまた可算集合になるという命題を証明したあと、この二つの証明には「無限回任意選択可能」という仮定が含まれており、この仮定は「選択公理」という形で定式化されている、と説明する。そのうえで、選択公理の明白な使用例として、単射 \(f\colon A\to B\) の存在と全射 \(g\colon B\to A\) の存在の同値性を示した。

Cooper本講読ゼミは第9章を読み終えた。ようやく第I部が済んだわけだけど、すでに増長天さまは就活のためほとんど参加できなくなっているし、Nm²さまもそろそろ修士論文の研究が忙しくなる時期だから、解放してあげるべきだ。Cooper本は第10章以降が内容豊富で面白そうなのだが、ゼミはここでお開きということにする。増長天さまの都合のよい日取りを選んでウチアゲを催すことにしよう。


2017年5月11日(木)くもり

洋書屋さんからの情報。かつてSpringerから出ていた Perspectives in Logic シリーズの古い何冊かがこのたび Cambridgeから再版される。Jon Barwiseの«Admissible Sets and Structures»とか、K.J.Devlinの«Constructibiity»とか、G.E.Sacksの«Higher Recursion Theory»とか、S.Shelahの«Proper & Improper Forcing»とか。実はこれらはどれもPDFがProject Euclidから無償でダウンロードできるので、買う人おるんかいな、と思わないでもない。とはいえ、紙の本が好きな旧弊な俺はDevlinとSacksを自腹購入するつもり。大学図書館の蔵書はあるが、大学にあるSacksの本は妙な匂いのする、たぶん酸性紙で、出版後25年を経てひどく変色していたりするのだ。

午後は「集合と位相」の演習。集合の濃度の基本のところなので、\(1<2\) であることを証明せよ、みたいな問題が出て、学生さんたちが一生懸命解いている。地方国立大とはいえ、理学部数学科に進学して、専門科目で勉強することが \(1<2\) であることだなんて、親戚のおじさんおばさんが聞いたら憤慨するかもしれない。だが、学生さんたちには、この問題を、集合の濃度の定義に従って、集合 \(\{0\}\) と集合 \(\{0,1\}\) の間に全単射が存在しないことを示す、という課題に読み換えられるようになってもらわねばならないのだ。いま大学でこんな当たり前のことを殊更に証明させているのは、将来、当たり前でない問題を自力で発見・分析して解決する能力を手に入れてもらうためである。


2017年5月10日(水)くもり

講義ではベルンシュタイン・シュレーダーの定理をやった。集合の濃度について \(\boldsymbol{a}\leq\boldsymbol{b}\) かつ \(\boldsymbol{b}\leq\boldsymbol{a}\) だったら \(\boldsymbol{a}=\boldsymbol{b}\) となる、という命題で、実に自然な、「そらそうでっしゃろ」と言いたくなる結果だが、濃度の定義に照らせば、これは、単射 \(f\colon A\to B\) と単射 \(g\colon B\to A\) が存在するならば全単射 \(h\colon A\to B\) が存在する、という命題なので、決して自明なことではない。いかにも明瞭なこの定理の「意味」ではなく、この定理が証明を要し、また証明が可能である、ということの「意義」を、どれだけの聴講者が理解してくれただろうか。

そのあと、今週も「数学科お茶会」がある。きょうはHd准教授がなにやら数学の話をするのだが、ちょっと遅れて会場に行ったので俺は聞くことができなかった。それでも、教員のショートトークを入れる企画のおかげで、昨年までと比較して、今年はお茶会がなんだか盛況である。けっこうなことだ。


2017年5月9日(火)あめ

「集合と位相 I」の中間テスト。全部で5問用意。自筆ノート持ち込み許可。解答開始後20分ごろに見て回ると、みんな早くも第3問とか第4問とかをやっているので、また匙加減を間違えたかとも思ったが、わりと最後まで手が動いている人が多かったから、簡単すぎるということはなかったらしい。午後は卒業研究ゼミ。発表担当なのにITくんがいつまで待っても現れない。もう一人の枝eくんの発表だけで終わりにする。あとで聞くところでは、ITくんは昨晩飲み過ぎて起きられなかったという。仕方がない。本人にひとこと注意したうえ、次回のゼミを延長して発表してもらう。来週の火曜日はTGSAセミナーの当日なのだが、この分ではウーゴくんの講演は聴けないかもしれない。

卒業研究ゼミのあと、来週の水曜日の「数学科お茶会」の出し物を検討する。おおむね計画は立ったが詳細は来週までヒミツ。きょうの中間テストの採点も来週火曜日までにせにゃならんし、いつになく用事が立てこんでるぞ。わははは。


2017年5月8日(月)くもり

いやあ、俺には5連休は長すぎたわ。きょうは普段より早めに大学に到着。といっても、やることは普段と変らない。一日が長かった。

愛用の靴と草履
特に意味はないが
職場で普段履いている草履

夜、例によってピアノのレッスン。ブルグミュラー18の練習曲から第6曲。音がしっくりと頭に入っていない部分では左右の手の協調ができなくなっている。左手の準備を意識しながらゆっくり練習することにしよう。第7曲もそろそろさらい始めねばならず、練習と選曲のためにポピュラー系の楽譜を何曲か見ておかねばならない。なんだか大変になってきた。

ピアノのあと、Garakta Cafe&Bar でウィスキーを2杯。塾に倅を迎えに来た妻の車に便乗して帰宅。昨日一日じゅう寝ていたせいか、ピアノのレッスン前にモンスターエナジーなど飲んだせいか、あまりよく眠れない。


2017年5月7日(日)はれ

連休最終日。一日寝て過ごしましたとさ。


2017年5月6日(土)くもり

朝のうち、時々バラバラという感じで雨が降った。午後には雨は止んだが、昨日と打って変わって涼しい。昼メシのうどんを作り、その後、娘と2人でいつもの1,000円カットに散髪に行く。3か月ぶりに髪を切ってさっぱりした。コミセンの図書館に行き、楽譜その他数冊を借り出してから、電車で帰宅。

夜には、昨晩の実験結果を踏まえて、IchigoJam用拡張ROMボードを作った。IchigoJamの基板の上に覆いかぶさるシールドタイプのボードにする。I²C接続用のコネクタを備える。IchigoJam主要部とは別系統の3.3V定電圧レギュレータを介して給電する。ついでのことに圧電スピーカーも搭載する。という構想はよいが、工作の手際が悪くて、散々な仕上りになった。一応は構想どおりに動くけれども、見た目が悪すぎる。なので写真はなし。夜中まで頑張ってずいぶんくたびれた。


2017年5月5日(金) こどもの日はれ

快晴。子供らと散歩を兼ねて南江戸のマクドナルドへ昼メシを食いに行った。休日だし公園に近い店だし、ろくに空席がないかと思ったが、実際行ってみたら余裕で座れた。昼食の後はマクドナルドと同じ敷地にある文具生活に行き、近くの宮脇書店に行って、歩いて帰る。暑いくらいの天気で、けっこう汗をかいた。おかげで帰宅して飲むビールがうまかった。

夕食後、倅の体操服にゼッケンをつける針仕事を妻があんまり大変だ面倒だと言うもんだから、途中で替ってやった。確かに手間はかかったが、難しい作業ではない。

針仕事を終えて、風呂に入って汗を落としたあと、一昨日うまくいかなかったIchigoJam と AT24C256 EEPROM の実験に再挑戦。最初のうちは前回と同じ症状が再現するだけだったので、試しに I2CW/I2CR でデータを読み書きしてみると、それはちゃんとできる。それでまあ思い立って、いったんすべてのアドレスにゼロを書き込んでみたところ、その後は SAVE も LOAD もちゃんと動作するようになった。買ってきた状態のままの ROM チップで闇雲に実験したのがいけなかったのかもしれない。よくわからないが、まあ結果オーライと言うところだ。やっているうちに真夜中になったので、本番のROMボードの製作は明日に延期。


2017年5月4日(木) みどりの日はれ

朝からバイトに行く妻のために、朝食と弁当を作ってやった。

昼メシは出来合いのソースを使ったカルボナーラ。ベーコンを増量し、サラダを添えた。3人でスパゲティ4束を分けあったが、娘が食いきれなかったのを代わりに食ったので、けっこう満腹になった。

昼食後は IchigoJam で小さなプログラムを組んだり、娘が百人一首を覚えたいと言うので読み手を引き受けたり。

以下に示すのは6行だけの小さなプログラムで、圧電スピーカーをつけた IchigoJam で走らせると、古いSF映画に出てくるロボットのような調子で IchigoJam が ぱぺぴぽぱらぴれ と音を立てると言うだけのもの。これだけではなんでもないが、LEDなどのエフェクトと組み合わせたらそれなりに面白いものができる気がする。

10 L=RND(16) 20 FOR I=0 TO L 30 BEEP 5+RND(45): WAIT 5 40 NEXT 50 WAIT (20+RND(101)) 60 GOTO 10


2017年5月3日(水) 憲法記念日はれ

そこそこいい天気の休日だが、ちょっとした事情があってほとんどの時間を家で過ごす。妻は某巨大ショッピングモールの医務室のアルバイトに、娘は友達と映画に出かけた。きょうがプログラミング環境 Scratch の10周年記念日だとかで、倅が張り切って何か作っている。日頃ノンストップで言い続けるアホなセリフも言わず、ほとんど黙って一日じゅうパソコンに向っていた。日頃落ち着きのない倅とは思えない集中っぷりで、逆に心配になるくらいだった。

出かけるわけにいかない俺は、昨日書き切れなかった来週金曜日の講義ノートを書くことにした。いろいろ迷った末、ひとまず型どおり、\(\aleph_0\) が最小の無限濃度であることを証明して、選択公理に言及し、単射 \(f\colon A\to B\) の存在と全射 \(g\colon B\to A\) の存在の同値性、とか、可算個の可算集合の和集合がまた可算集合になること、とか、濃度に関するいろいろな命題に選択公理が用いられている事例を紹介する。あとは、テキストにはないが、全射でない単射 \(f\colon A\to A\) の存在と、単射 \(h\colon\mathbb{N}\to A\) の存在の同値性を示す予定。

来週分の講義ノート

こうしてどうにか来週の講義ノートを書き上げて、さらにセクション6.4を扱う再来週水曜日の講義について考える。いろいろの構想を独り言的にツイッターでつぶやいていたら、思いのほか沢山の「いいね」をもらった。

夜は、先日通販で買ったEEPROMチップ AT24C256 を IchigoJam につなぐ実験。I²Cデバイスの使い方がわかってきたので、いろいろプログラムを作ってみたいわけだが、IchigoJam本体のプログラム用ストレージは1kBのプログラムが4本分のスペースしかなく、そろそろ心許ない。それで、他のI²Cデバイスよりも、プログラム保存用のEEPROMの優先度が自ずと高くなってきた。

EEPROMというのはElectorically Erasable Permanent ROMつまり「電気的に消去可能な永続性読み出し専用メモリ」である。ソフトウェア的に書き換えができるが電源を切ってもデータが消えない。みんなが常用しているUSBメモリドライブというのと、まあ同じ仕組みのデバイスだが、このAT24C256はI²C接続で読み書きできるようになっている。以上、蛇足ながら解説。

今回はブレッドボードに差した AT24C256 を IchigoJam に接続した。電気的には接続されていて、SAVEコマンドで保存させると、IchigoJam本人(?)はプログラムの保存に成功したつもりでいるのだが、実際には保存ができておらず、読み出しできない。俺が何か勘違いしているのかもしれないが、きょうのところは、実験はうまくいかなかった。まあ、ゆっくりやりましょう。


2017年5月2日(火)くもり

午前中は「集合と位相」の授業だが、講義ではなく中間テスト前のまとめの演習をやった。午後は卒業研究ゼミ。担当はITくんと10kくん。枝eくんは所用でお休み。各人とも、そろそろ「これまでに学んだことの振り返り」から離陸したいところ。ゼミの後、昨日に引き続き来週の講義内容を考える。水曜日の講義ノートを書いてみた結果として、セクション6.4まで来週中に終わらせるのは諦めたほうがよいと判断した。冪集合の濃度の話は再来週の水曜日に回そう。そうすると少し楽になる。それでも、このテキストの第6章の、とくに後半は、系統だてて話す計画がどうにも立てにくい。


2017年5月1日(月)はれ

大学に着いたら、4階の研究室の窓の網戸に、やや大きめのバッタがしがみついていた。バッタというやつは、あの後足でピョンピョン跳ねるだけが能ではなくて、そこそこ飛行能力があるようだ。大きさを測ってやろうと網戸に物差しを当てたら、バッタは勢いよく飛び去った。春過ぎて夏来にけらし、である。

飛び去りはしたが、体長は測れた。頭から腹部の先端までが6センチほどあった。

連休の中日であるが普通に仕事。来週の講義の段取りを決めてしまおう。来週は、火曜日に中間テストをし、水曜日にベルンシュタイン・シュレーダーの定理の証明をする。金曜日に冪集合の濃度に関するカントールの定理の証明をして濃度を論じた第6章を終わらせようか。しかし、セクション6.3は思いのほか内容が雑多だから、これを水曜日の一回の講義で終わらせると詰め込み過ぎになる。それに、これまでの話の流れとの繋がりや、テキストにはないが関連してぜひ話しておきたい題材などのことも、考えに入れなくちゃならん。なかなかまとまらない。

夕方、銀天街のGETに行った。目的は3階のセリアで、スマホにつけるマクロレンズを買うことだ。虫めがねの代わりとして使えば重宝しそうである。効果は下の写真のような感じ。はんだ付けの下手さが丸わかりである。

トランジスタ2SC2120Yある基板の半田付けのようす

ゴールデンウィークとて、ピアノ教室はお休み。