て日々

2016年3月


2016年3月31日(木)くもり

朝のうち薄曇り、午後は小雨。同僚たちと今年度の授業の報告会をやる。

「て日々」を再開して1年経過した。中断前もそれほど面白おかしい日記ではなかったが、再開後のこのテンションの低さはどうだ。なんとかしなければならんな…とかなんとか言いながらページのJavaScriptコードに手を入れている。


2016年3月30日(水)くもり

午前中に会議をし、午後は群の語の問題にかんするJohn Stillwellの古い論説を読んで過ごす。よく書けた論説で、いろいろ勉強になる。


2016年3月29日(火)はれ

妻の実家に行っていたセガレが明日開催の小学校の離任式に出るために一晩だけ戻ってくる。世話になった先生にお別れを言いたいらしい。港に迎えに行ってやる。明日の午後にはまた妻の実家に行くため船に乗ってもらわねばならない。まあ、ゲームばっかりやってるアホなセガレ一人でも、家に誰かいると料理する気にもなるってものである。


2016年3月28日(月)はれ

丸一日ひとりで過ごすと、気楽だがなんともつまらん。


2016年3月27日(日)はれ

妻の実家で昼飯のピザを作り、ワインを飲んで昼寝をしてから、自分だけ一足先に松山に戻った。帰りの船で岩波文庫版『不完全性定理』の解説を読み終えた。


2016年3月26日(土)はれ

写真は因島のホテルの窓から見た朝焼け。

朝焼け

ホテルで朝食を済ませて因島をたち、尾道の街をほんのちょっと観光してから山陽道を西へ。妻子の春休みの帰省に、俺も一泊だけ同伴。猪肉のバーベキューをご馳走になる。


2016年3月25日(金)はれ

午後、妻の車でしまなみ海道を渡って因島へ。


2016年3月24日(木)はれ

大学の卒業式。以前にもどこかに書いた気はするが、大学にとって最もめでたい、最もよい日である。なんだかんだ言っても、学生さんたちを育てて社会に送り出すために存在するのが大学という装置であり、その学生さんたちがキャンパスを後にそれぞれの一歩を踏み出す日が卒業の日なのである。だから今日こそ大学がその本懐を遂げる日というわけだ。今年の謝恩会は2次会までご相伴させてもらった。とても楽しかった。


2016年3月23日(水)はれ

古くなっていた大学のウェブサーバのOS (Debian squeeze)を更新。home ディレクトリをバックアップしてからクリーンインストールし、ユーザアカウントはすべて再発行する。

大阪は楽しかったが、松山に戻るなりさっそく、自分がやっぱりろくでもない甲斐性なしに思われて困った。これは要するに手を止めているのがいけないのだ。有意義なことができないなら、せめてつまらないことのためにでも身体を動かすべきだ。


2016年3月22日(火)はれ

妻が仕事で高松に行っているので、俺もバスで高松に向かいランデブーして妻の車で松山に戻る計画。バスは12時10分発。午前中はJR大阪駅のカフェで『不完全性定理』の林&八杉による解説を読んだり、ジュンク堂書店で数学書を物色したり(ただし何も買わない)。

高松に着いたのは午後4時ちょっと前。妻(ムスメも同行)とはすぐに合流。通りすがりとはいえ、久々に高松に来たからにはうどんを食いたかったが、どうも時間帯がよくなかった。


2016年3月21日(月) 振替休日はれ

朝8時前に宿を出発。梅田楽天地ビルのPRONTOで朝食。たまには都会もいいものである。

今回のつどいでは、ぴあのん、自分、アルゴドゥ、Eureka GAP、魔法少女と、数学基礎論系の発表が充実していた。それはそれでめでたいことだが、全体のバランスを考えると、解析系の発表がもう少し増えてもいい気はする。

片付けのあと運営のウチアゲ。石橋の居酒屋で飲食。皆でロシアンルーレット春巻なるものを試す。5本の揚げ春巻のうち1本だけに、鷹の爪が1個丸ごと入っているというものだ。6人で行ったので「当たり」を1本追加してもらったら、今回の主催 st.fake と ぴあのん に当たりが出た。st.fakeは口から火を吹いてひっくり返っていたが、ぴあのんは一気に丸呑みしてしまったらしい。

本当なら今夜の夜行バスで松山に戻るはずが、連休とて足が確保できず、やむなく梅田近くのカプセルホテル大東洋にもう一泊する。


2016年3月20日(日) 春分の日はれ

早朝5時50分発の高速バスで大阪へ。大阪大学で 第8回関西すうがく徒のつどい が開催されるのだ。2012年の初回つどいで講演して以来、久々に自分も話をさせてもらう。

自分の講演は「超限順序数と無限玉入れ勝敗判定」というタイトル。玉入れの勝敗判定に言寄せて、整列順序の概念を紹介し、最終目標は濃度 \(\aleph_1\) というものをきちんと理解してもらうことに置いた。というのも、先月18日に書いたとおり、一般の数学徒の間で \(\aleph_1\) と連続体濃度 \(2^{\aleph_0}\) との混同がしばしば見うけられるからだ。理由はいろいろあるだろうが、\(\aleph_1\) という濃度の正確な定義が十分理解されていないことも大きな要因になっていると思われる。当初は決定公理下での連続体の擬整列順序などのアヤシイ話題を盛り込むつもりだったのだが、そういう教育的配慮のようなものから今回は控え目な内容の講演とした(最後にちょっとだけ触れることができた)。アヤシイ話題については次回以降あらためて講演せねばなるまい。


2016年3月19日(土)はれ

土曜日だが出勤。午後に会議が2つある。夕方帰宅すると、ムスメが台所でお菓子づくりをしていた。このごろ、クッキーやアイスクリームをムスメはよく手作りしているのである。


2016年3月18日(金)あめ

神戸の菊池誠が企画した様相論理の本が届いた。『数学における証明と真理 様相論理と数学基礎論』(共立出版2016年) 昨年の数学基礎論サマースクールの講義をもとにした本で、様相論理を軸にして不完全性定理や集合論などのトピックを紹介し、さらに哲学的真理論との架橋を試みる。

共立出版の新刊『数学における証明と真理』

ピアノのレッスン。インベンション第13番がようやく通った。次には中村由利子の曲をやることにした。レッスン後いつものGarakta Cafe&Bar に行ってみた。店は開いていた。水曜日に閉めていた理由も聞いたが、ここには書くまい。「事実は小説よりも奇なり」であった。


2016年3月17日(木)はれ

つどい講演のスライドの準備。今度は図を Asymptote で作る。

図の一部

このごろは TikZ で図版を作るのが流行なのかもしれないが、俺はこの Asymptote がわりと好きである。

給料日くらい子供にデザートを買って帰ってやるなど。ファミマのチョコエクレア。


2016年3月16日(水)くもり

つどい講演のスライドPDFをBeamerで作る。まずは昨日手書きした内容をざくざくと入力していく。

大学で510くんに会ったのでCooper本を読む自主ゼミを提案。まあ、俺が提案したのでは自主ゼミにならんのかもしれんが。

夕食は千舟町の「べこや」でゼミ生927くんskmくんの就職祝い。そのあと夜9時からいつもの Garakta Cafe&Bar でアイルランド音楽のライブがあると聞いていたので出向いたが店が閉まっている。開演予定時刻になっても誰も現れないので頭上に「?」を三つばかり浮ばせながら帰宅。


2016年3月15日(火)はれ

ツイッターを再開。つどい講演の手書きノートを作る。これで喋る内容があらかた固まる。それでないと、スライド作りも始まらない。iPadのいろいろの手書きソフトを試してはみるが、結局は紙にボールペンである。


2016年3月14日(月)くもり

どんな日だったか思い出せないなど。[3月24日記]


2016年3月13日(日)くもり

午後、「三津の日」というイベントをやっているというので4人で電車に乗って行ってみた。かつての商店街には露店がたくさん出ている。いちばん東の隅の宮前川の橋のたもとの露店では、ばうとレナさんが鯛飯を売っている。切り花に願いごとを書いた紙を巻いて川に流す「花雛流し」という(本来は雛祭の一環だそうだが)催しもあった。あとは食べ物を買ったり、ばうのところの小さい子供たちと遊んだり。なかなか楽しかった。

FLORの駐車場


2016年3月12日(土)はれ

とてもいい天気だ。午前中、試験監督のため休日出勤。


2016年3月11日(金)はれ

まあそのようなわけで、ボレルの古い本を再び繙く。前よりは少しは読める感じ。ハイネ・ボレル定理はいつどのような文脈で数学史に登場したのか。

ピアノのレッスン。中村由利子のある曲を弾きたいと先生に申し出る。楽譜をめくりながらこれまでに弾いた曲のさわりのところを弾かせてもらったところ、これまで中村由利子のことをご存知なかったT先生はいたく気に入られた様子で「わたしもこの楽譜買います」とのことであった。


2016年3月10日(木)くもり

夕方、松山市駅のバスセンターで20日に「つどい」に行くための高速バスの切符を買い、それから医者に行った。いつものように帰りは歩く。


2016年3月9日(水)あめ

アミール・アクゼルの『ブルバキとグロタンディーク』(日経BP社2007年)を読んだ。関連して、以前一度読んだ『ブルバキ 数学者の秘密結社』を確認しようとしたが部屋に見当らない。誰か学生に貸しっぱなしになっているのか、あるいはブックオフ行きにしてしまったのかもしれない。どうして文献というのは手放してから必要になるのだろう。


2016年3月8日(火)くもり

ツイ禁前の俺のツイートを見たある出版社の編集さんからこちらの心労を気遣うようなメールを頂戴したので、慌てて返事する。すんません、そういう意味じゃないんです。原稿が進んでいないのは俺がナマケモノだからです。


2016年3月7日(月)くもり

とても暖かい日だった。だいぶ花粉が飛んでいるようで目がかゆい。マスクをして出かける。

夕方、俺にしてはめずらしく代数セミナーに出席して、木村浩名誉教授の講演を聴く。十数年ぶりにお会いするがお元気そうでなによりだ。

帰り道、歩きながら考えた。

俺はぜんぜん数学の研究ができていなくて、焦ってばかりいる。数学以外でもいろいろダメダメで、これはツイッターで油を売っている場合じゃあないと思って、先月23日を最後に実質的な「ツイ禁」状態に入っている。まあ2週間ばかりツイ禁したところでダメな奴はやっぱりダメであるから、まだツイッターに復帰する目処は立たない。

それでも、あまり自分に罵詈雑言ばかりを投げつけるのは、いい加減やめにしようと思う。まず、俺がダメな奴であるのは今に始まったことじゃないから、今さら焦ってみたところで仕方がない。若い頃はこんなじゃなかったというのは、現状への不満から過去を美化してしまっている。

若い頃は単に、目の前に垂れ下がっている柳の枝に飛びつこうと必死になっているだけでなんとかなったというだけ。つまり「この枝に飛びつけ」と、直接なり間接なりに指導をしてくれる人がいたというだけだ。

オヤジになると、少し周囲が見え始めるが、五十歩むこうの柳の木が見えるようになったからといって、その枝のてっぺんにいきなり登ることができるようになるわけではない。老若を問わず、やるべきことは、柳の木の下まで行き、垂れ下がった枝を見つけ、それ目がけてジャンプを繰り返すこと。まったく変わりはない。

すぐに結果を出そうとせず、面倒がらずに木の近くまで足を運び、よく枝を見ること。

焦りは、怠惰の裏返しでしかない。焦ったからとて結果は出ない。目的地に早く着くことばかり望んで途中を楽しめない者に、旅は楽しめない。どうせ人生なんてすべて途中なんだから、もっと観光客みたいな心持ちになっていいんだと思う。


2016年3月6日(日)くもり

家でぼんやりと過ごす。使いものにならなくなった古いリンク集を削除し、「て日々」の目次のページに古い「て日」の目次を統合する作業などなど、ほんの少しWebサイトを整頓する。


2016年3月5日(土)はれ

行きたいジャズのライブがあったが、お金が超絶たりない時期でもあり、小遣いをケチって行かないことにした。そのかわりでもないが、昼のうちに、春の陽気に誘われるように双海の海岸まで出かけた。海辺でお弁当を食べ、少しだけ数学の計算をし、子供らが遊ぶのを見る。実をいうと、弁当とお茶と子供のおやつを合わせるとライブの入場料より少しばかりお金がかかっているのだが、こちらは4人で楽しめたから、よしとする。生意気盛りのムスメが海を見て子供らしくはしゃぐのを見て、少し安心した。

双海の海浜公園


2016年3月4日(金)はれ

4月からの卒業研究のゼミ生を2人持つことになった。きょうが最初の打合せだ。新ゼミ生はKDくんと038くん。テキストを指定し、進路希望や教育実習の日取りなどを聞いてゼミの進め方を相談する。今回はゼミ生との連絡にLINEを使うことにした。新ゼミ生たちが去ってしばらくして、こんどは1年生の510くんが「マーロ基数のことがわからん」と質問に来た。どうやら『科学基礎論研究』に掲載した薄葉くんと俺の共著の論説を読んだらしい。なるほど、あれではわからない。順序数の共終数のことなどから順を追って説明した。その流れで、これまで仕事用のWebサイトにだけ掲載していた集合論のPDFファイルの主なものを「なげやりアカデミア」でも公開することにした。

夕方はいつもより早めに大学を退出して県立図書館に行き、それからピアノのレッスン。このごろぜんぜん楽器に向う時間が取れておらず非常にマズい。


2016年3月3日(木)はれ

午前中は会議。午後から数学のディスカッション。昨年の夏ごろからちょっと考えていた内積空間の基底についての問題を、アレハンドロ、フチノさん、シャクマトフ教授の3人を相手に俺が説明。百万年ぶりくらいに専門的な集合論の話をした。それが一段落したあとフチノさんからも話題提供があった。夕方にはフチノさんと散歩を兼ねて市街を高島屋まで歩き、俺は電車で帰宅。ひな祭りの日だから夕食には蛤のお吸い物が出た。

後日追記:翌日フチノさんがメールで知らせてくれたところによると、俺が考えていた問題は、かなり昔に解かれていたものであるらしい。


2016年3月2日(水)はれ

昨日までに一応は雪江代数学2の第1章の終わりまで読んで、次は第2章の環上の加群の理論に進むのが筋なのだろうが、雪江代数学3の第2章「可換環論入門」にジャンプして§2.1「ネーター環での準素イデアル分解」にとりかかる。桂『代数幾何入門』で乗りかかった船だから。ただし、頃合いを見計らって戻らねばならんとは思う。

午後はTGSAセミナー。講演は神戸のフチノさんとメキシコからきたアレハンドロ・ドランテスさん。今月のセミナーは当初、外国人特別研究員としてこれから1年間松山に滞在するアレハンドロの講演だけの予定だったのだが、告知を見たフチノさんから聴講したいとの連絡が数日前にあって、それならと急遽フチノさんにも講演してもらう話になったのだ。早稲田の江田先生も来てくれた。あと、大阪のカダくんも来てくれる予定だったのだけど、飛行機の機体のトラブルがあったとかでフライトがキャンセルされて来れなくなってしまったのが残念だった。夕食はセミナーのウチアゲとて、アミティエで会食。


2016年3月1日(火)はれ

昨日に引き続き、iPadでノートをとりながら雪江代数学2の§1.11と§1.12を読んだ。名高いアイゼンシュタインの既約性判定法を学び、ネーター環の基本をざっと学んだことになる。