て日々

2016年2月


2016年2月29日(月)くもり

コピー用紙の裏にボールペンでノートをとりつつ、雪江『代数学2』§1.11のおしまいまで読んだ。奇素数 \(p\) が二つの平方数の和で書けることと4で割って1余ることとが同値であることの証明など。午前中は暖いかなと思っていたが、夕方からは雪がちらつき、えらく寒くなった。夕食は豆乳鍋だった。

iPadの手書きノートアプリを探してNotes Plusというのを見つけた。大変高機能なようで、まだ慣れないが、よさそうな感じであるから、当分はこれを使ってみる。同じ作者のINKredibleという無料アプリもあるから、興味のある人はそちらをまず試してみるといい。


2016年2月28日(日)はれ

日曜日だが午前中だけ仕事に出る。帰り道は、歩いているだけで嬉しくなるような春めいた陽気であった。

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写真はうちの近所の線路脇の菜の花

昨日に引き続き、アルコール抜き。


2016年2月27日(土)くもり

昨日の続きで仕事だが、昨日思いのほか捗ったので、きょうは午後から出ればよいことになった。助かる。朝のうちに洗濯をして、昼食にはうどんを茹でて子供らに喰わせる。午後、仕事をする間に外の雲行きがあやしくなって、ちょうど作業が終わって解散するころに小雨がパラついた。ほんのちょっとの降りだったが、洗濯ものはパアだ。小さくアンラッキー。午後に仕事が待っていることもあって、昼食の食材を買うときに酒を買う気はしなかったので、珍しくノンアルコールビールを飲んだ。


2016年2月26日(金)くもり

妻が朝から泊りがけで東京出張。俺は俺で、朝から夕方まで抜けられない仕事がある。子供らの夕食を作ってやらねばならんので、ピアノレッスンはお休みにさせてもらう。ただ、ありがたいことに、こういうとき、子供らは普段より聞き分けがよい。晩飯には麻婆豆腐。夜はめずらしく子供らとトランプをして遊ぶなど。

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歩数計カウント13,952歩。


2016年2月25日(木)くもり

雪江『代数学2』の§1.9と1.10は「お話」なのでさっと目を通し、§1.11を半分ほど読んだ。昨日ときょうのぶんのノートは iPad 上で GoodNotes という手書きメモアプリを使った。このアプリは書き心地はよいのだが、データ量が嵩むうえに、文書のエクスポートに難がある。なので、紙のノートを廃止してこれ一本で勉強を続けるわけにはいきかねる。筆記具に関してはいまだに最適のソリューションが見つからない。


2016年2月24日(水)くもり

まあそんなわけで、『代数幾何入門』はお休みにして、雪江明彦『代数学2 環と体とガロア理論』(日本評論社)の第1章の環論を読むことにした。ひとまず§1.8の局所化のところを読んだ。


2016年2月23日(火)くもり

桂利行『代数幾何入門』§2.4の続きを読み始めたが、頭に入らない。若い頃から決して努力家ではなかったが、このごろの自分の「がんばれなさ」は目に余る。凹みつつ、フジグラン松山に行ってフードコートでボーっと過ごす。


2016年2月22日(月)くもり

桂利行『代数幾何入門』§2.3〜2.4を読みかける。第2章は層の理論なのだが、さっぱりイメージがわかない。

歩数計カウント11,544歩。


2016年2月21日(日)はれ

午後、ひとりで散歩に出かける。井手神社のおみくじで初めて大吉をもらった。学問「安心して勉学せよ」とは、ありがたいことである。春の訪れを感じさせる気持ちのよい午後で、まさに散歩日和だった。


2016年2月20日(土)あめ

暖かくなったり寒くなったり降ったり止んだり、ずいぶん安定しない。まあ季節の変わり目とはそういうものか。午後、ひさしぶりに妻と二人で新空港通のミスドに行った。


2016年2月19日(金)くもり

町田健『生成文法がわかる本』(研究社) を読了。読んで生成文法がわかったかと言われると、もちろんわからなかったのだが、これから少しずつこういう本も読んで勉強していくことにしたい。

桂利行『代数幾何入門』§2.2を読んだ。前層・層・茎・芽といった、層の理論の基本語彙の定義。

ピアノのレッスン。少し希望が見える。


2016年2月18日(木)はれ

朝、本が3冊届いた。

3冊の本

このうち右側の洋書は料理のレシピにこと寄せて数学の発想法を語るという内容のものらしい。著者はこの人。 なかなか楽しそうな本だ。

午前中に大学の評議員選挙があり、会議が午前と午後にあった。授業こそないが、2月は大学教員にとってなかなか多忙な時期なのだ。

きょう届いた本のうち坪井俊『幾何学II ホモロジー入門』(東京大学出版会)を見たら、冒頭のp.2に連続体濃度を \(\aleph_1\) と書くとあった。これは間違いだ。連続体濃度は書くとすれば \(2^{\aleph_0}\) であり、これは定義上は \(\aleph_1\) とまったく別物であり、両者が一致するかどうかは数学史上に名高い「連続体仮説」という独立命題である。もっとも、ここをこう違えたからといって、この『ホモロジー入門』の論旨が崩壊するわけではない。\(\aleph_1\) と書いてあるところを「連続体濃度」あるいは \(2^{\aleph_0}\) と読み替えさえすれば問題ない。ツイッターで間違いを指摘し、あわせて、正しく読み替えれば問題ないという趣旨の発言をした。

この『ホモロジー入門』で集合の濃度に言及するのはここだけだろうから、この件はそれでいいが、しかし「連続体濃度を \(\aleph_1\) と書く」という間違いが続出するのはどうしたことか。

思うに、これは \(\aleph_1\) が連続体濃度と比較して陰が薄いことに問題がある。「最小の不可算濃度」という定義が理解されていればいいほうで、それがいかなる集合の濃度であるかまでは理解されていないのだろう。可算無限基数 \(\aleph_0\) が有限順序数の集合 \(\mathbb{N}\) の濃度であったのと類比的に、最小の不可算基数 \(\aleph_1\) は可算順序数全体の集合の濃度だ。そこが理解されていれば、連続体濃度すなわち実数全体の集合の濃度と簡単に等値されることもないと思うのだが。

さてしかし、21世紀の数学には、「整列順序集合」とか「超限帰納法」とかの出る幕がなさそうだ。ゲオルク・カントールは可算な閉集合の分類問題(それ自体は彼の三角級数の研究に起源をもつ)から超限再帰と整列順序の概念に到達したのだが、その可算閉集合の分類問題の成果であるカントール・ベンディクソン定理にしてみても、カントールは孤立点を捨てる操作を超限的に反復して最後に残る完全集合に注目したが、集合論が完成してしまった今日では、同じ結果が、凝集点のなす完全集合と非凝集点のなす可算集合への分割、という形で簡単に証明されてしまうのだ。ボレル集合族だって、再帰的に生成する方法をとらず、すべての区間をメンバーにもつ最小のσ加法族という特徴づけで impredicative に定義すれば、実際上問題ないのだ。逐次近似の代わりに不動点定理を使う解析学の方法論もこれに類する。そういう具合に上から抑え込むように物事を特徴づけることが可能になるのが、集合論の有難みというわけで、数学を集合論に立脚させる試みが大成功を収めたこと自体の皮肉な結果として、超限帰納法には出る幕がなくなった、というわけだ。

とまあ、なりゆきは理解できるわけだが、しかし「連続体濃度を \(\aleph_1\) と書く」が間違いであることはどこまで行っても変わらない。この誤解はけっこう広く行きわたっているようだ。集合論屋のハシクレとしては、笑っていてはいけない。誤解を解くために、なんとかしなければならない。

夜、元町珈琲でコーヒーを啜りながら考える。

それぞれの分野でちゃんとした見識をもって研究も教育もしていて、良い教科書を書いてもいる先生が、こと基礎論に関わると、急にトンチンカンなことを言い出す例というのが、これまでにも複数例報告されている。ひとつひとつの誤解はそのつど正していくしかないのだが、今回の「連続体濃度を \(\aleph_1\) と書く」などのようにあちこちから同じ誤解が飛び出す例があるからには、個々の著者たちの不見識を正すだけでは話は終らないだろう。それとは別に、正しい知識を広める活動が必要だ。森毅的な、倉田令二朗的な立場の書き手が必要だ。そうだ俺はそういうことをやろうと思っていたんじゃないだろうか。

見失っていた目標を思い出させてくれる事件であった。


2016年2月17日(水)はれ

訳本の原稿を版元の編集さんに送った。

うちの部署の業腹な慣例に従い、きょうも昼休みに会議があった。午後はk27くんのゼミをやる。先日の卒業研究発表会でオフィシャルには卒業研究は終わっているのだが、テキストに採用した高崎金久『学んでみよう!記号論理』(日本評論社)のうち、ヘンキン流の完全性定理の証明をやる第15講だけやり残したので、このさい片付けてもらうことにしたのだ。きょうと、あと1回やれば終わるだろう。

ゼミのあと遅い昼食を取り、町田健『生成文法がわかる本』の第5章を読み始めるが、意識がボッとして内容がちっとも頭に入らない。これはいけない。疲れている。物理のジョセフくんがバイトしているドラッグストアで養命酒を買って帰る。歩数計カウント12,299歩。


2016年2月16日(火)はれ

さる14日の休日出勤の代休をとった。

訳本ではページ間参照の解決が懸案だったのだが、昨晩寝る前に思いついた方法でうまくいきそうだ。簡単なマクロをいくつか追加するだけなのだが。

きょうは妻も自宅で仕事をしている。それで俺が昼食のスパゲティを作った。トマトソース。ベーコン入り。ルッコラ乗せ。けっこううまかった。

夜、家がいろいろゴタゴタしていて本読みのノルマが果せない。

きょう気付いたこと:トンチンカンでも一生懸命やってる時のほうが、斜に構えてる時より、人生楽しい。


2016年2月15日(月)はれ

午前中に後期の成績入力。午後は訳本の索引づくりが7割ほどできた。夕方には元町珈琲で『生成文法がわかる本』第4章を読んだ。帰宅後は少し夜なべして、明日やろうと思っていた索引の残りを終わらせた。


2016年2月14日(日)くもり

卒業研究発表会2日め。わがゼミのk27くんの発表もある。ゼミ生の発表のあいだは自分が講演するときよりも緊張する。そのほかに、他の先生のゼミの発表の座長をしたり、聴衆として質問をしたり。うちの学科の卒業研究発表会は、この数年の若手教員のがんばりもあって、とても高密度で楽しいイベントになってきたと思う。

きょうもきょうとて、発表を聴く合間に桂『代数幾何入門』を読み、§1.7の終わりまで進んだ。射影代数多様体の概念を定義して、第1章はあとは練習問題を残すのみとなったが、この練習問題がとても手強い。巻末の解答を見て「これは気付かんわ」と思うことしきり。

夜は卒研発表と修論審査のウチアゲの意味をこめた懇親会。俺は普段よく酒を飲んでいるようで実はそれほどは飲めないし、それほどしゃべる相手もいないので、本当を言うとこのテのパーティーは苦手。1時間ほどでこっそり抜け出して帰宅。『生成文法がわかる本』第2章と第3章を読む。バレンタインデーとて妻とムスメがチョコレートをくれた。ありがとう。


2016年2月13日(土)あめ

きょうとあすは大学の卒業研究発表会。代数系のゼミの発表がいつもながらハイテンションですばらしい。

発表を聴く合間に桂『代数幾何入門』§1.6を途中まで読む。ヒルベルトの零点定理を証明し、アフィン代数多様体の概念を定義するが、実質的な議論が始まるわけではない。

夕方からは書店に行った。桂本で学んだ可換環の理論が思いのほか面白いので、このさい何か環論の本を買おうかと思って行ったのだが、それはまたの機会を期することにして、町田健『生成文法がわかる本』(研究社)高橋のり『やさしくはじめるWebデザイナーのためのjQueryの学校』(マイナビ)を買う。それからGarakta Cafe&Barに行き、3杯飲む。なにかレモンの飲みものが欲しいと頼んで作ってもらったスカイボールというカクテルがとてもおいしかった。詳しくは聞かなかったが、ウォッカにレモンを漬けこんだ酒とトニックウォーターらしい。

スカイボールのグラス

帰宅後、『生成文法がわかる本』第1章を読む。


2016年2月12日(金)はれ

うっかり遅刻してしまったが、きょうは修士論文の審査の日。わがゼミのskmくんの発表が思いがけず好評で胸をなでおろすなど。桂『代数幾何入門』§1.5の終わりまで。正規環の話。歩数計カウント9,461歩。ピアノはレッスンのない日。


2016年2月11日(木) 建国記念の日くもり

午前中、県立図書館に行って本を何冊か借りてきた。昨日桂本で読んだネーター環の話を、いろいろな本で読み比べてみるなど。エディオンに寄ったりダイキに寄ったりしながら帰る。午後は家で久々に Raspberry Pi をいじって遊んでいたが、夕方には例によってムスメを連れて散歩に出たりしたので、休日ながら歩数計カウント14,703歩。


2016年2月10日(水)はれ

桂『代数幾何入門』§1.4の終わりまで。ネーター環におけるイデアルの準素イデアル分解など。恥かしながら、ネーター環についてちょっとでも勉強したのは今回が初めてだ。帰りには元町珈琲に寄る。歩数計カウント12,779歩。


2016年2月9日(火)はれ

少し気分を変えるため、いつものコートではなく革のジャケットを着て出かける。日差しはあるが風が強くかなり寒い。

苦手分野の克服のため、まずは桂利行『代数幾何入門』(共立出版 1998年)を読むことにした。さしあたり1日1セクションを目安とするが、きょうは初日でもあり、§1.2の終わりまで読んだ。環の素イデアルによる局所化および局所環の定義にかんする話だった。この環の局所化というものがどう「局所」化なのか、恥かしながら、いまだにさっぱりイメージできない。図書室でそのようにO下さんにぼやいたら、正則関数の環の例で説明してくれた。やはり具体例をいくつも見ることが大切なのだろう。

歩数計カウント7,516歩。


2016年2月8日(月)はれ

金曜日に来れなかった人のための追加ガイダンスをやりに図書室に行ったら、千客万来という感じであった。ただし、ガイダンスのために来ている人は半分位で、みんな本来の目的は次年度の3年生向け科目「数学セミナーI」の相談のためだ。

リビングの掛け時計が故障中だ。修理に出さねばならないが数週間を要するという。一時しのぎにダイソーで小さな掛け時計を買ってきた。コチコチいう動作音が懐しい。

ダイソーの掛け時計


2016年2月7日(日)はれ

家で原稿の直しをし、昼食の用意をする。昼食のおかずはひき肉の炒めものレタス包み。午後は少し昼寝をして、それからムスメを連れて散歩に出る。フジグラン松山と宮西のブックオフという、これまたよくあるコースだ。日が暮れてから、別行動していた妻とセガレも合流し、久々に家族そろってフジグラン3階のフードコートで夕食をとった。


2016年2月6日(土)くもり

午前中にコミセンの図書館に行くが、それ以外はだいたい家ですごす。自分がとてもつまらぬ人間になってしまった気がして落ち込むなど。しゃあないから早く寝てしまう。


2016年2月5日(金)はれ

昼間は訳本原稿の直しのほか、学科の図書室がらみの作業やガイダンスなど。夕方はピアノのレッスン。それからGarakta Cafe&Barとジュンク堂書店という、いつものコース。歩数計カウント10,984歩。


2016年2月4日(木)はれ

修士論文発表会が朝からあり、昼休みに学科の会議があり、会議が済んで、修士論文発表会の午後の部が済んだら、30分ほど置いて(しかもその空き時間の30分のあいだに洋書の業者さんが来たので対応して)学部の会議があり、すぐ引き続いて学部の研修会があった。というわけで、なかなかタイトなスケジュールだった。俺は発表会午前の部が済んでから会議までの20分のうちにコンビニで買ったパンを食って昼食としたが、他のスタッフは昼飯をどうしたんだろうな。

帰りに元町珈琲に寄った。歩数計カウント9,689歩


2016年2月3日(水)はれ

卒研ゼミ生927くんの発表の練習をする。

帰り道に子猫をみかけた。自動車ディーラーのビルの前で小さくみゃあみゃあ鳴いていたのだが、俺が近くにしゃがみこんでも逃げ出すようすもなく、おとなしく頭を撫でさせてくれるばかりか、膝の上に乗ってきた。まあ猫は高いところに登りたがるものだし、コンクリートの床の上より人間の膝の上のほうが暖かいのはわかるが、それにしてもずいぶん人に慣れている。

ネコ

カゼを引いているらしく、目ヤニがひどく、くしゅくしゅと咳をしている。うーん。かわいそうだが、だからといって、どうしてやることもできぬ。後ろ髪引かれつつ立ち去り、帰宅すると、妻もカゼを引いているようだった。猫のカゼとは関係はないだろうけど。


2016年2月2日(火)はれ

途中でだいぶ間をあけてしまったが、アミーア・アレクサンダー『無限小』(岩波書店)を読了。17世紀に数学の世界に登場した困難な概念「無限小」をめぐる数学史なのだが、それと同時に宗教改革とイエズス会の成立史であり、ついでガリレオの異端審問の歴史であり、イギリス市民戦争(ピューリタン革命)の歴史であり、イギリスの王立協会成立史であり、トマス・ホッブズとジョン・ウォリスの喧嘩の顛末でもある。なぜ、ルネサンスの花開いた文明開化の地イタリアではなく、北ヨーロッパ、とくに当時の感覚では僻地であったイギリスに産業革命が起こったのか。その理由のひとつが、驚いたことに、数学的概念「無限小」をめぐる論争にあったというのだ。いやはや。とても面白かった。

写真は、今朝の愛媛大学キャンパスの梅の花。

ume20160202

歩数計カウント11,982歩。


2016年2月1日(月)くもり

朝はM2のゼミ。午後は卒業研究ゼミ。どちらも発表の練習である。それから訳本の原稿の直しをする。途中、Og2さんと共に図書室の整備をする。壁面の平積み棚に各教員のゼミテキストを展示するのだ。

歩数計カウント10,458歩。