て日々

2009年2月


2009年2月28日(土)くもり

午前中、【娘】の小学校の音楽会。父親譲りの甘えんぼで母親譲りの音痴の【娘】が、クラスメートに混じって鍵盤ハーモニカを吹き歌をうたう。それだけで俺は感激してしまった。もちろん子供の芸だから上手ではないのだけど、会場全体が楽しいムードに包まれたひととき。音楽の原点がここにあると思った。3歳からピアノと坊主めくりを学んでどうしたとか、18歳で渡欧しカール・ルイスとエマニュエル・ベアールに師事とか、独特の和声に込められた作曲者の深い思想がほんじゃらとか、ヴィルトゥオジティがピアニズムとかいうのも、もちろん悪くはないが、音楽の原点は、みんなで歌って踊って楽しいってことだ。あまり楽しそうなので、【息子】が「【娘】だけ楽器、ずるぅい」とステージに駆け寄るハプニングもあった。

ウサギが悪魔を召喚?
校庭のウサギの檻
木枠から落ちる雨だれが自然に穿った模様とはいえ
地面に五角形なんか描いて
悪魔が召喚されたりしないんだろうか

午後の仕事では、小一時間ですむ簡単なものであったが、表計算ソフトの出力結果を電卓で検証するという業務を命じられた。誰か知らないけど、数学者を集めてそういう作業をしてもらおうと思いついてしまう人か、または自分の部下が思いついたそのアイディアを採用してしまう人が、うちの事業所の上層にいるらしい。あるいは、ひょっとしたら、隣室に心理学者がいて、疲労によるミスの出かたについて実験していたのかも知れない。

近所の休耕田に菜の花が咲いた。そして、久しぶりに観たNHK『中学生日記』の「非公認どっきりクラブ」がとても面白かった。こちとら「たのきんトリオの金八先生」がリアルタイムな世代なもので、『中学生日記』ってのは暗くて青い話(いじめとか、性の悩みとか)ばかりだと思っていた。そういうことを言ったら【娘】が「一回くらい試してからそういうこと言わないとねぇ。パパそゆこと多いよ」と言った。小学一年生のムスメに説教されてしまったパパであった。


2009年2月27日(金)あめ

首都大学の鈴木登志雄くんから、最近の著作『論理リテラシー』(培風館)の献本が届いた。ありがとう。これは、数学を勉強する上で躓きの石となりがちな、論理の「ならば」(\(\Rightarrow\))や「すべて」(\(\forall\))と「存在」(\(\exists\))について、日本語特有の助詞「ば」との比較などを交えつつ丁寧に考えていく本だ。教科としての数学の枠を超えて国語の領域にも踏み込む。そういうまっとうな試みが、どういうわけかいままであまりなかったのだ。学問分野が理系と文系に二分されるという間違った思い込みが世の中を跋扈しているのが、あるいは原因かもしれない。ところが、『論理リテラシー』の登場人物たちが自嘲ぎみに語るところでは、人間はまず「できる系」と「できない系」に二分される。「できる系」の人間には理系と文系の区別はない。この人たちはたいていのことをちゃんとこなす。「できない系」の人たちの間に、国語ができない理系と、数学のできない文系の区別が生まれる。数学の解説本を読むときに、理系人間は数式だけを拾って読み、文系人間は数式を飛ばして読む。とすると、さらにもうひとつ、イラストだけを眺めて楽しむ、マンガ系人間という類型が生まれることになる。

俺はどの類型にあてはまるだろう。俺はそもそも本を読まないから、定石というものを知らない。困ったときにはついつい自分で考えてしまう。そのため他の人には「独自の視点をもっていて頭の回転の速いやつ」と間違って思われることがある。だが、実際は出たとこ勝負の自転車操業で、本を読めば書いてあることなのに、本を読まないばかりに知らないでいることがたくさんあるのだ。そんなわけで、俺はマンガ系ですらない。俺は普通の人が普通に知っていることを知らないし、普通の人の心の動きがわからない。他人の心の動きというものに興味が湧かないのだ。いろいろ失敗を重ねて、少しはそういうことがわからないでもないと言えるようにはなったが、俺は要するに永遠の子供である。いっそのことそこへ居直って、子供らしく柔軟でこだわりのない心をもちたいものだ。

いや、なんだか話がおかしくなった。論理というものは、誰しもが必要に迫られれば使いこなしているものだ。誰でも「あの男は、女はみんな自分に惚れると思っている」という文章と「どんな男だって、自分に惚れてくれる女の一人や二人はいると思っている」という文章との違いを理解し、これらの文章の言っている内容を、正しいか正しくないかという問題を別にしてきちんと理解できる。誰でもそういうことができるにもかかわらず、「どんなベクトルでもこの集合の要素の一次結合であらわせる」という文章の意味が、使われている言葉の定義を十分に説明した後でもなお、多くの人に理解できないとしたら、それはなぜか。数学の言葉遣いの特殊性やロジックの複雑さにその理由を求めるのは正しいのだろうか。この問題に心を悩ませているのは、もちろん鈴木登志雄くんだけではない。知り合いのなかでももう一人、大阪府立大の嘉田勝くんが彼なりの試みを『論理と集合から始める数学の基礎』(日本評論社)という本にして出しているし、俺だって、本に書いてこそいないけれど、そのことを日夜あーだこーだと考えているのだ。


2009年2月26日(木)くもり

きょうから3日間、なんとなく家内制手工業みたいな仕事。夕方、月に一度の通院。いつものバカにつける薬のほかに花粉アレルギーの薬も出してもらう。帰宅後、幼稚園の給食当番に行っていた妻と「【息子】は男らしい」という話をする。しかし、詳細は書くまい。


2009年2月25日(水)あめ

午前中、妻と銀行へ。妻の大学院進学のための学資ローンの手続きに行く。けっこう時間がかかってお昼前になったので近所のマクドナルドで二人ランチ。

午後は普通に出勤。帰りに苺を1パック買って帰ったら、それが よかくまさん のロゴつき。これはいったい何のクマだろうかとネットで調べてみたら、熊本県産の野菜のブランドキャラクターだった。熊本県の形を子グマをおんぶした親クマに見立てているらしい。そして、天草諸島はショッピングバッグ一杯の野菜になっている。誰が考えたのか知らないが、なんというか、クマ好きの妻のためにこんなすばらしいキャラクターを考えてくださってありがとうございます。


2009年2月24日(火)くもり

朝、夢で「流れ始めた水をせきとめてはいけない」というお告げがあった。何のことかはわからないけど。

松島セミナー最終日。今回のセミナーを通じて俺が得た印象は、空間を点の集まりとイメージする「集合論的空間像」は数学の歴史の中でも、どちらかといえば新しく、かなり特殊で、むしろ転倒したものなのかもしれない、というものだった。だがそのイメージがこれだけ定着してしまった以上、それを塗り替えるためには「実数直線」並みの確固たる存在感を備えた数学的対象が登場する必要がある。ワカラン話が多かったとはいえ、それはお互いさまだし、少なくともムマートさんと原田さんの話は面白かった。そのほか、東北大で特別研究員をしている集合論の若き秀才ウスバくんからダイヤモンド原理や精妙基数についての正確かつ詳しい情報を教えてもらえたし、参加してよかったよ。

お土産に牛タンと「浦霞禅」を買い、伊丹経由で帰宅。


2009年2月23日(月)くもり

自分の発表はほとんど反響なし。そのときはすっかり自信なくしちゃうなあと思ったけど、まあ冷静に考えれば、自分が思っていたより分野間の壁が厚かったというだけのことなので、あまり悩むのはやめて、次回はもっと上手に発表できるようにしよう。


2009年2月22日(日)はれ

昨晩一夜の宿を得たのは仙台駅前のライブラリーホテル。モダンで質素。さらりと落ち着いたムード。

ちょっとしたライブラリ
ライブラリーホテル仙台駅前
ダイニングの一角には、小さなライブラリーが

朝食も充実していて、かなり満足。つぎに仙台にくるときもここへ泊まることにしたい。

ホテルを出発し、アエルの丸善で本を見て、カフェに席を占め明日の講演のスライド作り。お昼前になったので、コンビニで昼食を買い、仙石線で松島へ向かう。

松島は昭和の匂いの濃く残った観光地だ。たいへんに風光明媚である。そしてセミナーの会場はこの松島エリア最大の観光ホテル 大観荘 である。かつて皇室の方々もお泊りなさった巨大かつゴージャスな宿。高台から海を見下ろす客室の無数のガラス窓。次々と訪れる貸切バス。いくつもの食堂。浴衣姿で闊歩するおじさんおばさん。大浴場にはマッサージルームとゲームコーナー。宴会場にはコンパニオン(俺たちのところじゃなくて隣の会場だけど)。昨晩のライブラリーホテルとはある意味対照的。こうなるともう昭和の匂いどころか、ほとんどタイムスリップ状態。

ラテンなギタートリオ
こちらは松島大観荘
ラテンなトリオの生演奏

なんというか、このムードはどう考えても《土曜ワイド劇場:松島リアス式殺人事件。前は海 後ろは殺意。瑞巌寺に遺された謎を傷心旅行の美女が解く!!》である。主演はもちろん水野真紀さんか伊藤かずえさんにしてください。

いや、俺たちは決して観光旅行に来たわけではない。肝心のセミナーだけど、ゲスト講演者のムマートさん(Carl Mummert, ミシガン大学)のMF空間の話は大変面白かった。従来の集合論や位相空間論では、実数という「点」が先にあってそれの集まり具合を位相構造が規定するという話の流れになっているのだけど、このMF空間の理論では、先に位相のベースとなるべき半順序集合があって、点はこの半順序集合の極大フィルターとして後から導入される。(MFというのはmaximal filterの略だ。)そもそも実数というものが無限に続く小数表示とか縮小していく区間列とかフィルターベースとかによって表現するほかないものであったことを考えれば、本当は位相が先にあって点が後からくるという順番の方が自然なのかもしれない。そういえば近年の数値解析も、真の実数値をコンピュータ上の数値が近似するという発想から、求めたい値の入るべき範囲として、幅のあるデータの区間そのものを計算の対象とするという発想に変わりつつあるそうで、MF空間論の逆数学を追求するというムマートさんの研究はそうした応用数学の潮流とも呼応するものがあるようだ。

松島大観荘はともかく、仙台にはまた来たいしライブラリーホテルにもまた泊まりたいから、これからもお呼びがかかるように、明日の自分の講演をがんばろう。


2009年2月21日(土)ゆき

15年ぶりか16年ぶりに仙台にやってきた。

仙台空港でAIRDOに歓迎された
なぜかベア・ドゥに歓迎された

空港から仙台駅まで直通の鉄道ができてずいぶんと便利になった。まだ春は浅く、雪が残っている。花粉が飛んでいないのは助かる。ひとまずホテルに荷物を預け、駅前のイー・ビーンズの3階にあるパスタやさんで昼食。その後、歩いて東北大学へ。

残雪の広瀬川
残雪の広瀬川

明日からの合宿形式のセミナーに備えて、今日は大学で非公式なセミナーが開かれるのだけど、キャンパスの位置と会場の建物をよく確認せずに来てしまったもので少し迷った。携帯電話のEzナビウォークとPCサイトビューアを駆使して切り抜けようと試みるが、昨晩充電するのを忘れていたため途中で電池切れ。記憶を頼りに見当をつけて行ってみた建物は土曜日とて施錠されている。

これにはかなり困ったけれども、運のいいことに、そのとき別棟で日本数学会東北支部会なるものが開催されていた。そこの受付をしている大学院生くんに助けを請うて建物に入り、なんとか事なきを得た。


2009年2月20日(金)くもり

穴をふさいだら、いい具合に積み残した部分も書けた。まだ推敲は不十分だが一段落。他の仕事も一段落した。すぐさま次のもっと大事な仕事が入っているから、これから月末までは「玄妙玄ちゃん&精妙精ちゃん」の面倒を見ている場合じゃなさそうだ。が、まあちょうどいい冷却期間である。実はBeller, Jensen & Welch"Coding the Universe" なる本に玄妙基数と精妙基数についての事実を証明抜きでリストアップした箇所があり、それらに証明をつけるというのも今回のノートの目標だ。おおむね片付いたが、自分のノートに書けていない命題があと三つある。そのうちひとつにはBellerJensenWelchが証明をつけてくれている。残る二つについてはまだ方針すら立たないが、興味深く美しい命題なのでぜひ理解したい。

ひとまず、明日から4日間にわたって仙台と松島でのセミナーに出席してくる。


2009年2月19日(木)あめ

天気は一転して、冷たい雨。

精妙基数に関連して昨日気がついた自分の証明の穴は、実はけっこう本質にかかわる穴で、ふさげるといえばふさげるのだけど、そのためには後回しにしてきた話にどうしても触れないわけにはいかない。そしてそのためには、叙述の順序を変えないといけない。ゴチャゴチャやっているうちに、弱コンパクトの話に先立つ基本事項の部分のノートの準備もしないといけないという感じになってきた。けっこう面白いからいいんだけど。

俺が「穴を塞ぐことができる」という意味で「ふさげる」と書いても、どうも「ふざける」としか読めない。日頃の行いが悪いからな。


2009年2月18日(水)はれ

さっき久々にMacintoshを使ってみたら、指がすっかりPCに、というかFILCOのMajestouchキーボードの配列に慣れていることが判明。いまはThinkPad X40でこの文を入力しているけど、こいつはMacに合わせて[A]キーの左隣の[caps]キーが[ctrl]として機能するようにkeyswapなるソフトで割り当てを変更してある。こいつでも時々[ctrl]+[S]のつもりで[fn]+[S]を押してしまう。いやぁん、あたしもうMacユーザには戻れないのかしら。

職場ビルの塗装工事が済んで足場が撤去され、長いモグラ生活から開放された。窓一杯に広がる快晴の空がまぶしい。

きょうも玄妙基数と精妙基数について勉強。とくにダイヤモンド原理がらみのことを調べた。MathSciNetでMathematical Reviewsを検索してみても、κが弱コンパクト基数のときの \(\diamondsuit_\kappa\) の独立性如何という問題は完全な解決を見ていないように見える。そして、集合論とはたぶん全然関係ないけど、浅草に「鉄鍋ハンバーグ玄妙」という店があるらしく、ネットでレビューを見る限り、けっこう評判がいい。店主のブログはこちら。あと、天橋立の玄妙庵という高級旅館にもぜひ一度行ってみたいものだが、いかんせん、宿泊料金が玄妙基数ばりに large cardinal だ・・・とかなんとかアホなことを考えていたら、昨日書いた精妙基数のダイヤモンド原理を精密化する定理に自分でつけた証明にも穴があいていることに気づいた。がんばってふさがないと。

ネットを徘徊していて知ったことだが、3次方程式の解法をめぐる活躍でその名を知られたルネサンス期イタリアの数学者兼医者兼占星術師のジロラーモ・カルダーノに De subtilitate という自然哲学の著書があり、日本ではこれが『精妙さについて』という名で引用されるらしい。ということは subtle cardinal を精妙基数と呼んだのはそれほど的外れではなかったようだ。


2009年2月17日(火)はれ

朝、銀行に行く用があったので、9時までの時間つぶしを兼ねてスターバックスで勉強。デブリン本の第VII章定理2.4(κが玄妙基数なら \(\diamondsuit_\kappa\) が成立する)の証明を読んだ。どうも論証に穴が開いているように思えて腑に落ちないのだけど、誤植のためかどうにも理解不能な箇所もあって、いったん退却。あとでかがみさん集合論雑記を見たら、そこの穴はちゃんとふさがれていた。穴さえ埋まれば、その証明が精妙基数にそのまま通用することはあきらかだ。

職場の近くに新しい八百屋がオープンした。スーパーでもコンビ二でもない、普通の八百屋である。場所は(株)フェローシステムのとなり。妻が昨年かかわった (俺は【息子】と【娘】の子守という形で巻き込まれただけだけど) 事業では、フェローの皆さんに大変お世話になった。青果市場などの事業所で使われる各種ソフトウェア/ハードウェアの開発が本業だけど、地元産品の通販事業 (松山特選市場 / えびす市場) なども展開している。それだけでなく、大学生のインターンシップを受け入れたり、社会的弱者の自立支援「えんむすびプロジェクト」の一翼を担ったりで、いわゆる企業の社会的責任も十二分に果たしている。小さいながら見上げた会社だ。それで、となりの八百屋もひょっとしてその関連かと勝手に推測、というよりむしろ希望しているのだけど、もちろん本当のところはわからない。不景気な時期に街なかに突如出現した、いまどき珍しい普通の八百屋さん、なんというか、厳しいだろうが頑張ってほしいものだ。


2009年2月16日(月)はれ

妻みろりが大学院の看護学専攻を受験して、合格してしまった。それはめでたいんだけど、いまの家計の状態では入学金を捻出するあてのあろうはずもなく、銀行で学資ローンというのを組むことになった。そのあたりの相談をしつつ、昼飯はひさしぶりに とんま で天丼定食。学費の心配を別にすれば、妻が将来の仕事に役立てるための勉強をする道が開けたのは大変よろこばしいことなので、床下収納庫からワインを出してきて乾杯。


2009年2月15日(日)はれ

午前中、【娘】の縄跳びのロープを買いにでかけた。体育の授業のときロープを忘れる子がたくさんいたせいで、もうみんな自分のロープを学校に置くように先生から指示されたそうだ。【娘】は自宅でも練習したいというので、もう一本ロープがいる。ダイキに買いに行ったが体育用品としての縄跳び用ロープはなさそうだった。しかし何しろダイキなので、工作材料のロープならいくらでもある。しっかりした三つ縒りでφ1cmくらいの綿のロープ、メートルあたり160円、というのを2メートル半買った。【娘】はこのロープを使って自分で長さの調節をしながら縄跳びを練習している。

午後は市民コンサートの総会に出席。


2009年2月14日(土)はれ

昨日に引き続き、かなり暖かい一日だった。土曜日だが仕事。その裏番組で、幼稚園のおたのしみ会で、【息子】が「ねこバス」になった。俺は見にいけなかったわけだけど、【息子】が予想外に上手に歌ったり踊ったりできたというので、妻はたいへん感激していた。前日まで、【息子】はねこバスの衣装(といっても、普通の黄色い服を着てさえいればOKなんだけど)をどうしても着ようとしなかった。妻は早々にあきらめていたらしいが、今朝になって【娘】がうまく【息子】をノセて難なく黄色いトレーナーを着せてしまった。さすがお姉ちゃん。

弱コンパクト基数のノートのPDF版をようやくリリース。いつもの場所に置いてある…と言ってわからない人はメール下さればお送りします。すぐさま、『玄妙基数と精妙基数』についてのノート作りに着手。デブリン (Keith J. Devlin) の本とブース (William Boos) の論説が主な情報源だ。がんばります。

夜まで調べ物をしたりしてから帰宅すると、妻と【娘】がチョコレートを手渡してくれた。ありがとう♡


2009年2月13日(金)くもり

昨日 You've blown it all sky-high 〜 ♪ してしまった部分をもう一度書いて、ラムゼイの定理の証明を書き加えて、弱コンパクト基数の自習ノートはほぼ一段落。これでやっと ineffable cardinal の話に進めるぞ。弱コンパクトについて時間をかけてこってりと準備したので、ineffable cardinal が \(L\) に相対化できることの証明はすぐにわかったし、subtle cardinal が \(L\) に相対化できることや、最小の subtle cardinal が弱コンパクト基数でないことなどは、おかげさまで「定義からアキラカ」の世界となった。これから調べないといけないのが、subtle cardinal が強マーロ基数でその下には弱コンパクト基数が定常集合をなしてひしめいていること、ineffable cardinal が \(\Pi^1_2\) 記述不能であること、\(\kappa\) が subtle cardinal ならば \(\diamondsuit_\kappa^{\rm REG}\) が成立すること。これまた時間がかかりそうだな。

夕方、風が強く、空気が暖かかった。春一番というのかな。そして花粉もたくさん飛んでいるらしい。


2009年2月12日(木)くもり

昨晩がんばってコンパクト性定理の証明を書き終えたので、弱コンパクト基数についてのノートの材料が一通りそろった。きょうは無限言語の弱コンパクト性による弱コンパクト基数の特徴づけ、弱コンパクト基数の \(\Pi^1_1\) 記述不能性の証明、弱コンパクト基数が \(L\) に相対化されることの証明、と、これまで手が止まっていたところを一気に書き加えて、よしよしPDF版のリリースも間近じゃわいと思ったところで、バックアップをとるために同期ソフトを起動・・・したら、新しく書いたファイルを朝のうちにバックアップした古いファイルで上書きしちゃった。けさ文書フォルダのディレクトリ構成を変更したついでに同期ソフトの設定を変えたのだけど、そのときにミスがあったようだ。一日分の作業がパア。しばし茫然自失。

帰宅後、気を取り直してもう一度書く。その前に、自宅のVistaくんにもバックアップをとっておこうと、数学文書フォルダをポータブルハードディスクからVistaくんに丸ごとコピー・・・したら、コピーの最中に、あのWindows名物『青い画面』に遭遇。ダミダコリャ。


2009年2月11日(水)/建国記念日くもり

夕方、外へ出てもあまり寒くない。春の訪れを感じる。夕食は「パパラーメン」。毎回思うことだけど、スープはいくらでも工夫すりゃいいけど、麺を茹でるところは一発勝負で難しい。夕食後、完全性定理とコンパクト性定理のヘンキン流の証明を書いていたら夜中までかかった。けっこうくたびれた。両者を「ヘンキン工法 (Henkin's Construction)」で同時に証明しようとしたせいかもしれない。


2009年2月10日(火)くもり

昨日ちょっとオフザケた形で言及した Thomas Jech のもうひとつの著書 The Axiom of Choice と、モデル理論の大家 Wilfrid Hodges の著書 Building Models by GamesDover 版が届いた。Amazon.co.jp で見る限り、ホッジスの本が経済学関連書と一緒に買われるケースがけっこうあるみたいだ。無理もない。不確実な状況下での行動計画を最適化する方法を探るゲーム理論は、数理経済学の大事な要素だし、数理経済学の目的は経済現象の数理モデルの構築とその解析にあるんだから。だけど、あいにくホッジスのこの本はゲーム理論とも経済現象とも何の関係もない。これは、複数の「プレイヤー」が交代で特定の数学的構造がもっていてほしい性質を指定していくプロセスが、最終的な構造をうまく定めてくれるかどうかという観点から、数理論理学の一部分であるモデル理論のいろいろなトピックを論じた本なのだった。タイトルにだまされてこの本を買ってしまった数理経済学者のみなさんが、マカリマチガって数理論理学にハマるなんてことが起こったら、世の中少しは面白くなるんだけど、まあ期待できない。それでも、筑波の金子守先生のように、論理学と数理経済学の二足の草鞋を見事に履いている学者だって、いることはいるのだ。


2009年2月9日(月)あめ

一昨日書いたように、めっきりMacを使わなくなった。いまは MacBook を持っていないので、JechBook を愛用している。MacBook ほど多目的に使いまわすことはできないが、有益な情報がぎっしり詰まっていて、そこそこ高価で、世界中に熱心なユーザがいる点はこちらも同じだ。それにこちらは枕にもなるぞ(してないけど)。

Jechブック TeXブック
これが Jech(イエック)Book
Thomas Jech 著『Set Theory』第3版
そしてこれが TeX(テック)Book
Donald E.Knuth 著『The TeXbook』
(一応、お約束だから...)

いつもこんなアホなことばかり考えながら生活している俺が、けさ電車に乗ったら、車掌さんが車内アナウンスで「ただいまから車掌が参ります。常識をお持ちでないかたは、お持ちになってください」と言ったように思ったが、ひょっとしてあれは「乗車券をお持ちでないかたはお申し付けください」と言ったのだろうか。


2009年2月8日(日)はれ

そろそろ花粉が飛んでいるので気をつけよう。しかし気をつけるといってもこればかりは・・・

きょうも三食俺が用意。ただし、残り物活用のため少々手抜き気味であった。昼食をカレーにしようと近所のディスカウントスーパーに行った。で、その帰りに、隣接する書店にちょっとだけ立ち寄った。江戸川乱歩の少年探偵団シリーズが文庫化されている。子供向けの作品だが昭和30年代のものだけあって言葉が丁寧だ。まあ、漢字にはきちんと振り仮名がついているとはいえ、一年生の【娘】にはまだ難しいだろう。ミステリー好きの妻なら喜ぶかもしれないし、俺も読んでみたくなったので、近々買うことにしよう。きょうは持ち合わせがなくて買えなかったのだ。

弱コンパクト基数について書くからにはコンパクト性定理について触れないわけにいかないので、そのあたりを勉強。


2009年2月7日(土)はれ

天気がよいので、午後短時間ながら南江戸公園へ。妻が子供たちを遊ばせている間、ちょろっと抜け出して宮脇書店へ。MacPeople3月号の『アイ・テー虚言録』は、パスワード管理についての話で、面白かったがまあアタリマエの内容で、いつものような過剰な展開がなく、すこし残念だった。それにしてもこの一年でほんとうにMacを使わなくなったな。

朝のチャーハン。昼のきつねうどん。夜の鶏鍋と、三食を俺が用意。きつねうどんの油揚げを自分で煮たら案外うまくできてうれしかった。


2009年2月6日(金)はれ

立春が過ぎて、少し暖かくなった。ピアノのレッスン日だが楽譜を持たずに仕事に出てしまったので、いったん帰宅してから電車でレッスンへ。


2009年2月5日(木)はれ

俺が子供の頃ってことは、たっぷり30年以上前のことだけど、NHK教育テレビの、小学生のための道徳教育番組のテーマ曲はこういう歌だった。

口笛ふいて 空き地へ行った
知らない子がやってきて
遊ばないかと 笑っていった

一人ぼっちはつまらない
誰とで仲間になって
仲良しになろう

口笛ふいて 空き地へ行った
知らない子はもういない
みんな仲間だ仲良しなんだ

スタンダードな解釈をすれば、これは次のような情景を描いた歌であろう:

常識的な理解を図示

ところが、子供の頃の俺は次のようなノンスタンダードな解釈をしていた:

てなさくの理解を図示

ある日、わたくしは、一人で家の前にぼんやり立っておりました。そうしたら、見知らぬ子が一人で口笛を吹きながら空き地へ向かって行きました。なぜかその子は、しばらくして戻ってきて、家の前にぼんやり立っているわたくしに《遊ばないか》と言ってニヤニヤ笑ったかと思うと、あっちへ行ってしまいました。わたくしは、一人ぼっちでつまらないなと思いました。口笛を吹きながらあっちへ行ったその見知らぬ子は、どこかへ行ってしまい、もうここにはいません。その子がいなくなった結果、《みんな仲間だ仲良しなんだ》

子供ごころにケッタイな歌だなあと思っていたのだけど、どうやらケッタイだったのは俺の解釈のほうだった。スタンダードな解釈に到達するまでにたっぷり30年を要した俺は、空き地でみんなと仲良く遊ぶとかいう発想のカケラもない幼少期を過ごし、当然の報いとしていつも寂しさを抱えていた。だからこそ、このノンスタンダード解釈なわけだ。


2009年2月4日(水)はれ

昨日書いたようなわけで久々にフランス語の論文を読んだ。といっても4ページだけの短いものだ。記号が近年のものと違っていて面倒だった。しかし、定理の証明は、キューネン本の論法とはかなり違っているものの案外わかりよかった。少なくともカナモリ本のトドルチェヴィチの証明よりはよくわかった。

スペッカーの証明をノートに書き終えて、やれやれ一段落。今日はどうも塗装工事のシンナーのにおいがきつくてかなわんので、定時に帰ることにした。歩きながら、それにしてもキューネン本の演習問題が解けんのは悔しいぞと思っていたら、昨晩まで必死で考えていた部分を少し違う角度から (裏側から) 見ればできるかもしれんと思いついた。帰宅後それを確認し、キューネンの演習問題の解をノートに追加。よかったよかった。いったん白旗を上げて原論文にあたったのが、袋小路から抜け出すきっかけになったということなのだろう。人間の心というものの不思議なところだ。

それはそうと、スペッカーの論文では、アロンシャイン木の存在問題が「シコルスキ の問題」として取り上げられている。シコルスキがその前年だったかにチューリヒで開かれた国際会議においてこの問題を提起したという説明で、アロンシャインへの言及はない。アロンシャインはポーランドの高名な解析学者であったから、シコルスキにその名が知られていないはずはないと思うのだけど、このあたりの事情はどうなっているのだろう。

EeePC (通称 ごらぴー) に EBWin をインストールし、手持ちのEPWINGの辞書をいくつか SDHC ドライブにコピーした。EeePC を買うまでは、電子辞書を買おうか EeePC のような UMPC にしようかと迷っていたのだけど、これでヘタな電子辞書よりよほど便利になった。


2009年2月3日(火)くもり

弱コンパクト基数に関連してキューネン本の演習問題にもなっている \(\lambda^+\)-アロンシャイン木の存在証明を書き下そうとして昨日から悪戦苦闘。どうしてもわからなかったのでスペッカー (Ernst Specker) の原論文に当たることにした。 最初どういうわけかスペッカーの別のドイツ語論文が原論文だと勘違いしていて、ドイツ語は読めないからなんとか自力でがんばるしかないなあと思っていたのだけど、念のためにと MathSciNet で確認したら、このスペッカーの定理の初出は1949年の Colloquium Mathematicum に掲載されたフランス語の論文だった。フランス語ならなんとか読めるぞ。


2009年2月2日(月)くもり

昨日買ったビールとワインはおいしかったのでその日のうちに飲んでしまった。弱コンパクト基数について引き続きまとめ中。前から知っているつもりのことでも、ノートに証明つきでまとめようとすると、自分の理解のアヤフヤなところが見つかるもので、それを繕いはじめたら、もうあるわあるわ。いつになったら ineffable cardinal の話に移行できるやらわからん。だがもともと自分の勉強のために始めたんだから、先を急ぐ意味はない。それよりは、ペースを保って続けることが大事。


2009年2月1日(日)はれ

アイテムえひめで開催されている松山メッセなんちゃらいうイベントに行ってきた。温暖化対策のエコ生活を提案するいろいろな企業のブースがあり、松山市の姉妹都市であるフライブルクやサクラメントや平澤の物産を販売するブースもあった。フライブルクのビールとワインを一瓶づつ買った。それと、フライブルクのソーセージと、沖縄そばと、ペルシャ風のシシカバブサンドイッチを食った。写真はチキンを一杯に積み上げたシシカバブのロースター。

鶏肉のシシカバブ

俺が、シシカバブのサンドイッチを注文してお金を払い、話のタネにロースターの写真を撮っていいかとシシカバブ屋台の兄ちゃん (ってことはイラン人かトルコ人かな? 東洋人ではなかった) にたずねたら、となりのインドカレーの屋台から「はい写真500円!」とインドのおっさんの声 (ダミ声だが流暢な日本語) が飛んできた。写真を撮り、サンドイッチを受け取って「お金は払ってあるよね?」と念を押したら、となりの屋台から間髪をいれず「二回払ってもいいよ〜ん」ときた。インドのおっさんは決してヒマだったわけではない。むしろシシカバブよりカレーの屋台のほうが行列ができて忙しかったくらいで、片時も手を休めずカレーを作りながら、間断なくアドリブで無駄口を利いているのだ。この自由自在当意即妙即興能力は実にうらやましい。「国際会議で日本人に話をさせるのは難しいが、インド人に話すのをやめさせるほうがもっと難しい」という古いジョークを思い出した。