て日々

2008年10月


2008年10月31日(金)はれ

本屋に行くと次々と読みたいと思う本が見つかるが、お金がなくて買えない。買えないとわかっているから、以前より迷ったり悩んだりしなくなった。悩んだところでどうせ買えないんだもん。家に積ん読してしまっている本がたくさんあるから、まずそれを読むことにしよう。あとは図書館利用ね。


2008年10月30日(木)はれ

仕事場近くの中学校の音楽室で生徒さんたちが文化祭の出し物の練習をしている。合唱コンクールか何かがあるのだろう。『大地賛頌』とか『涙をこえて』とか、いたってマトモな曲目が多いのだけど、今日の午後に聞こえてきたのは、なんとクイーンの『WE WILL ROCK YOU』だ。これには驚いた。いや、もちろん中学生がこの曲を気に入るのも、合唱コンクールでやりたいと主張するのも、まったく普通に理解できるけど、その案がちゃんと採用されて、音楽室で音楽の先生がちゃんと指導してくれるというところに驚いているのだ。だって、あの WE WILL ROCK YOU (→別バージョン ほかにもYouTubeにたくさんある) ですよ。時代は変わったということなのだろう。あるいは、ロックがかつての過激さを維持できなくなってしまったということかもしれない。中学生バージョンでは、手拍子を入れながら、クラス全員でユニゾンで歌い、あのWe will, we will, Rock You!!と決めるところだけ2声のハモリになる。だけど、いつだったか放課後に悪ガキどもがふざけて歌っているのが聞こえてきたときと比べると、まるきりパンチが効いていない。これなら『大地賛頌』のほうがまだいいぜベイベ!


2008年10月29日(水)はれ

【娘】が定期券をどこにしまったか忘れちゃったおかげで、電車賃200円損しちゃった。いつものポーチに入っていないことに、駅に向かう途中で気づいたのだ。実はランドセルの普段と違うポケットにしまってあったらしいのだけど、そんなことわかりゃしない。いつもの電車に乗り遅れたら遅刻は確実なので、急遽俺が切符を買ってやった。着いた駅で帰りの切符も買い与えて、こども運賃の往復で200円なり。

それはともかく、「まるちびっと」の社長(わが妻の呼び方でいうところの)やすひらぴゃぁ に、第二子誕生。元気な女の子だそうで、まことにおめでとうございます。


2008年10月28日(火)はれ

この4月から小学校に通い始めた【娘】の登校につきあって朝7時過ぎに家を出発するパターンを続けている。【娘】が1年生のうちは学校までついていってやることにするが、電車賃もなかなか馬鹿にならないので2年目以降は駅の前までついていくだけにするぞ。まあそれはともかく、最近どういうわけか登校時の【娘】の様子が妙にハイなのが気になる。夜9時には寝させているから、寝不足でラリっているということはあるまい。ということは、幼い身で大人に混じって電車に乗ることに必要以上に緊張しているせいかもしれない。俺たちが小学生だった頃には小学生が電車通学なんて考えられなかったことだ。(いや、たしかに、実家近所の路線はそのころまだ電化されてなくて、SLが走っていたけど、そういう意味ではないぞ。)

ともあれ、【娘】のおかげで朝型の健康的な生活にシフトすることができた。こういうことは、自力で実現したいと思っていても、ある意味強制されないとなかなか身につくものではない。ありがたいありがたい。


2008年10月27日(月)はれ

朝から晩までMetaPostな一日だった。虫メガネのアイコンはけっこう自信作。

MetaPostの虫メガネ
MetaPostで描いた虫メガネ(EPSデータ)
ソース

MetaPostをいじっていてちょっと思ったこと。図を描くときの思考の流れは、左上を原点として右下へ向けてイメージが展開していく。少なくとも俺はそうだ。いっぽう、PostScriptの座標系は数学と同じく右と上が正の方向で、まあ普通なんだけど、MetaPostで作図するとき、描き始めの点を(0,0)にすると、どうしても縦方向の座標値に負の数が多用されることになる。EPSデータを作ってTeXで読み込むぶんには、それでも問題はない。だけど、スタンドアロンのEPSデータとしては、そのままではちょっと具合が悪い。たとえばの話、GhostScriptでデータをプレビューしようとしたら、図が紙面からはみ出して絵が真っ白けだとかね。もちろん、作図が完成してから全体を平行移動すればいいだけのことなんだけど、今回のように50枚近い図版を急いでつくらなけりゃならないときは、そういう作業はどうしても後回しになってしまう。昔のBASICマイコンのグラフィクスに慣れた俺には、右と下が正の方向という座標系のほうが、かえって自然に思えるのだった。


2008年10月26日(日)くもり

昼間は妻子が外出していたので、昼寝をしたりMetaPostのマニュアルを読んだりしながら過ごした。タチバナさんがテナー(サックス)を借りに来た。なんでも、創価(学会愛媛吹奏楽団)のエキストラに呼ばれていて、アルトとテナーの持ち換えをせにゃならんそうだ。それとは別に、サックスの出番の話も持ってきてくれて、ありがたい限り。ほんじゃあ、楽譜が書けるようにVistaマシンにFinaleをインストールしなくちゃ。

奥村さんの本(奥村晴彦著『改訂第4版LaTeX2ε美文書作成入門』(技術評論社))の付録のTeX環境(Windows版)についてきているMetaPostは0.97とか0.98で、TeXでタイプセットした文字列を回転するとフォントが変わってしまうというバグがあるようだ。Troy HendersonさんのサイトのMetaPost Previewerが使っているMetaPostのバージョンは1.005で、そのせいかどうか、この不具合は発生しない。

夕方からは家族4人で姫原のパルティ・フジへ買い物に行った。


2008年10月25日(土)くもり

昨日の唐草模様だけではMetaPostのありがたみがわからないかもしれないので、サンプルを追加。

MetaPost Sample
幾何学的な作図の例
ソース

MetaPost Sample
MetaPostのカメさん(EPSデータ)
ソース

カメの作図がうまくいったのでしばし悦に入るが、先に進むには90ページ近い英語のマニュアルを読まねばならない。読まねばならないのは、面白いからいいんだけど、気が散ってなかなか英文に集中できず。


2008年10月24日(金)くもり

グラフィクス言語MetaPostの勉強を再開。かなり高機能なので、うまく使えば数学的なコンセプトを説明する図を作る際の省力化につながる気はする。

MetaPost Sample
Troy HendersonさんのMetaPost Previewerのページで作ったサンプル
ソース


2008年10月23日(木)くもりあめ

あ、誰か俺の噂してるな。クシャミが出る。今日は【娘】が皿洗いのお手伝いとリビングのお片づけをがんばってくれた。妻の作ってくれた弁当もうまかったし、仕事の懸案事項もひとつ片付いたし。こういう日はありがたいね。

読書欄のバックナンバーも載せようか。けどHTMLに手を入れるだけで済まないかも知れず。どうしようかな。


2008年10月22日(水)くもり

どんよりした天気だったがどうにか一日もった。

帰り道に考えたこと。近代のヨーロッパで数学が危機に陥った理由は、集合論の矛盾の発見によるというよりは、それに先立つ非ユークリッド幾何学の確立によって、数学の基礎をなす自明な真理への信頼がゆらいだことが大きいらしい。それで幾何学がわれわれの住む空間に関する真理の集積というより仮説からの演繹体系という性質のものと考えられるようになった。それはまあ、それだけのことなのだけど、それでたとえばヒルベルトが数学全体を公理化しようとしたときに、一定の機械的なルールに従って文字列を書き換える操作をよりどころにしたというところが、数学者がいかに計算や代数的な操作に深く信頼を置いているかということを暗に告げ知らせているようだ。同じ問題に取り組むにあたって、哲学者は言葉で論じるというところへ最後のよりどころを求めるだろうけれど、数学者は手にとって扱える感じを重視する。そこのあたり、哲学者と数学者の感覚に大きなギャップがあるような気がする。

幾何学の基礎にある仮説という論点については、たとえばカントだったら、幾何学的な直観は人間の理性が自らの経験を理解するための枠組みとして、経験に先立って用意しているものだから、たとえユークリッドの第五公準(平行線の公理)が他の公準から導かれないとしても、第五公準はアプリオリに真である、と考えただろう。そういう幾何学的直観への信頼が、非ユークリッド幾何学の確立によってゆらいでしまった。というあたりから、話は変わる。

時間的に変化する現象を語るための数学(つまり解析学)に実数直線の連続性が不可欠であるいっぽうで、物理学が原子論的だったり量子論的に不確定性をもっていたりであることとを考え合わせると、たとえば直線の連続性という直観が現実の物体の連続性に由来すると考えるわけにはいかない。物質のほうに連続性の原理の根拠を求めるわけにいかないとなると、カント流に、じゃあそれは経験するこちらの理解の枠組みなのね、と考えたくなる。原因が客体にないなら主体にあるんでしょうよ、という発想なわけだけど、それはどうも単なるひっくり返しで、経験というものの仕組みをずいぶん単純化しているような気がしないでもないのだった。

だけど、これ以上のことは、やっぱりカントをもう少し読んでから言わないとダメだろうね。


2008年10月21日(火)はれ

前の晩に飲みすぎたウォッカのせいで調子が出なかった。今夜は無理せず早めに寝る。

前にはISO-2022-JPエンコーディングを使っていたが、今後はUTF-8で保存する。行末コードはLFのみ。CGIスクリプトはスクラッチから書きなおそうと思う。携帯電話への表示とか全文検索とか、やってみたいことは沢山あるが、意気込んでみたところで、なにか難しいプログラミングをしてテストしないといけないというのではいつまでたってもサイトの公開がおぼつかないし、日記の公開前に日記サイトの動作テストをしようとしたら、テスト用のデータを別に作らないといけない。それは馬鹿馬鹿しい。だから、ひとまず数ヶ月のあいだ、切りのいいところで今年いっぱいくらいは、HTMLを手作業で編集して公開ということにする。旧版て日もそうやって始まったんだからな。

既成のブログサイトを借りるという選択肢はハナから考えていない。俺としては、主に継続への動機づけと、自分も他人も読みたい時に勝手に読める、押し付けがましくない利便性ということもあって、ウェブ上に日記を書いているだけだから、公開するにはするけれども、基本的には(数年後の自分自身を含む)何人かの親しい人々に読んでもらえればそれで満足で、不特定多数のコメントを求める気持ちなどはない。だいいち、ブログサイトはコメントだトラックバックだと五月蝿くてしかたないから、借りる気はしない。誰でもその気になれば、日記ぐらいはテキストエディタでHTMLを入力して書けるのだ。


2008年10月20日(月)はれ

たいていは身から出た錆ではあるんだけど、何かに行き詰まって、すべてがまるきりイヤになってしまうことが、俺には時々あり、先日もそういう不安定な状態で「てなさく世界」をばっさり削除してしまった。自分をなかったことにしたいという、いわば自殺の代償行為。しかし、数日して頭も冷えて、よく考え直してみると、あんな内容ではあっても、何年にもわたって「て日」を書き続けてきたことは、少しは作文やなんやかやの練習になっていた気がするし、記録として役に立ったこともたびたびあるし、あとで読み返すとそれなりに感慨深いものでもある。やっぱり日記を復活させようと思う。一度中断した習慣を復活させるのは大変だけど、まあ、あまり難しく考えずに書いていこう。

吹奏楽団も退団してしまった。10年以上続けた音楽活動をやめてしまうのは確かに面白くないけれど、こちらは一時の気の迷いではないので、もう復帰することはない。ピアノのお稽古はもうしばらくは続けるつもりだ。いろいろリフレッシュしたくて、先月末に頭を刈って坊主にした。mixiもGREEもやめた。もともと、社交だなんて柄ではないのだ。そして、そこそこ働いてはいるが、あんまりお金がない。そんなこんなで、出かける機会はとんと減った。だからまあ要するに、あまり面白い話にはならないかもしれない。しかし、少なくとも記録に残るようなところに愚痴や泣き言を書くつもりはないし、面白くないなら面白くないなりに記録しなきゃ、日記にはならない。将来これを読んで、あああの時は大変だったねと笑って振り返れるように、いまは前進するしかない。

復活にあたっての前口上はこれくらいにして、本題。

今日は【娘】の授業参観日だ。【息子】の幼稚園が先週土曜日のイベントの代休だが、授業参観に【息子】を連れて行くのは、もう爆弾を持ち込むようなものだ。かといって、一時預けにいくお金もない。結果として、母親が参観に行くのは無理と出た。そこで、俺が仕事を少し抜けて参観してきた。難しいお勉強ではなく「ごあいさつ」の実習で、参観に来た父母も参加。なかなか楽しかった。

子供たちが寝てから、YouTubeで栗山千明主演の『高速ティーチャーチアキ先生』全9話を妻と一緒に観て、いまさらだけど爆笑。