て日


2006年 8月分


2006年8月31日木曜日

NHKラジオのニュースのストリーミングをせっせとハードディスクに録音していたら、2ヶ月足らずで37GBの外付けディスクがいっぱいになってしまった。というのも、VideoLAN Playerのストリーミング録音の選択肢が限られているせいで、サンプリング周波数32kHzステレオ無圧縮という無駄に高品位なデータ形式をで保存しているからだ。これをモノラル11.025kHzにするだけで、一挙にデータ量は5分の1以下になる。記録という意味ではこれで十分だ。それで SoundStudio を使ったデータの変換作業をしているところだ。

それにしても、NHKの中央局にはいったい何人のアナウンサーがいるのやら。朝7時と正午と午後3時のニュース2ヶ月分は、少なくとも42人が分担しているようだけど。


2006年8月30日水曜日

昨年の一時期、熱心にひらがなのお稽古をしていた【娘】だが、いつのまにか書けなくなっていた。壁に貼った五十音表も、破れたり汚れたりで痛々しいので外してあった。そこで、AppleWorksを使って簡単な五十音表を自作して、いろいろなシールを貼って可愛くして、ダイニングの引き戸に貼った。一度覚えたものなら、思い出せるはずだ。気長に行こう。

自作のあいうえお表
【むすめ】ちゃんと 【むすこ】くんの
あいうえおひょう


2006年8月29日火曜日

寝る前に、月刊おひさま7月号に載っていたお話を【娘】に読んでやった。『おひさま』7月号の表紙には、花輪を頭に乗せて牧場を歩く牛の親子が描かれていて、その周りに黒いチョウが3頭と (そう、蝶は1頭2頭と勘定するのだ...嘘じゃないぞ)、アイスクリームが三つ描かれている。それを見た【娘】は、「アイスが三つとチョウチョが三つだから、このアイスはチョウチョが食べるアイスだね」と発言。これは、一対一対応に注目するという、数学的思考の萌芽だ。

「バーバラ・アレン」のピアノ版も書いた。といっても、メロディーを2回くり返し、簡単な前奏と後奏をつけただけのものだ。Garritan Personal Orchestra の Stainway Piano 音源を鳴らしてオーディオファイル(MP3形式, 約1.3MB, 演奏時間1分20秒前後)を作ったが、意に反して荒っぽい音になったところがある。MIDIファイルも生成させたが、これを「てなさくDTM」に公開する前に、もう少し手を入れたい。楽譜はこちら(PDF, 23KB)。


2006年8月28日月曜日

Finale 2007英語版が届いた。いじっているうちに、ようやく、Garritan Personal Orchestra 音源をFinaleで使う方法がわかった。Finale 2006ですでにバンドルされていたのだけど、どうやって鳴らすのかわからなくて、使わずにおいていたのだ。これはさすがにいままでの音源と比較にならない音質だ。すばらしい。あまりにもイイので、普段使う楽器の音はこの系列でそろえておきたくなるが、サックスの音源は、いわゆるオーケストラ=管弦楽の楽器ではないので含まれていない。仕方がないけど残念だ。そこで、Garritan Jazz and Big Band とか、近日発売の Garritan Marching Band Library にも手を出したくなる。だがそうすると今度は、現有のMac miniのPowerPC G4 1.42GHz/512MB RAMでもCPUのパワーとメモリ容量が心もとない。まことに、人間の欲望というものは際限がない。

昨日の日記で「昨年」と書いていたのは「一昨年」のまちがいであるらしい。昨年の大洲の演奏会の日には、俺は家族+妻の両親と行った高島屋の星野富弘詩画展を一人で抜け出して、屋上でビールを飲んでいた。日記をつけていないとなかなかこういうことは確認できないね。


2006年8月27日日曜日

大洲市民吹奏楽団の演奏会を聴きに行った。一昨年は長浜まわりの鈍行列車で海を眺めながらのんびり行ったのだけど、今年はガリクソンの運転する車でR56経由。演奏を聴いて受ける印象が一昨年とはだいぶ違う。アルトサックスの人がいい音だった。そして肉zは偉い。


2006年8月26日土曜日

吹奏楽の練習。今日は人数が少なかったが、いつものようにオンドリャァと練習。すると、ある意味では自然なことだが、合奏がメトロノーム的なテンポからズレまくっていることが判明。夕食は久万ノ台のココイチでカレー。俺は黒カレーにした。


2006年8月25日金曜日

それにしても、一昨日届いた『ジャズ協奏曲』のデモ演奏、昨日と今日は他の曲には目もくれず、もう50回くらいは聴いているけど、さっぱり全体像がつかめない。小気味よい各種ジャズテイストのフレーズ満載で、一応緩急の区別もあるのだけど、いろいろ詰め込んだわりに構成がルーズなんだろうと思う。あるいは、バンドがガンガン鳴らし過ぎなのかもしれないし、録音がよくないのも関係あるかもしれない。ところで、12分の曲を50回聴くというのはつまり、10時間!! なにやってんだか・・・

家族のいない家でボケッと夜を過ごすのも3日目となるとちょっとイヤになってきたので、ピアノのレッスンのあと、大街道のはなまるうどんで夕食を食い、三番町ガーデンプレイスでコーヒーを飲みながら矢口史靖『スウィングガールズ』を半分くらい読んで、8時半頃に《松山バーガンディ》に移動。前回行ったのは3月だから、ずいぶんなご無沙汰だ。おいしいワインを飲んで、ヒメノさんとひとしきり話をして、10時頃帰宅。

それから、妻に電話したら、なんと子供たちがまだ起きていた。妻子が今回帰省したのは、義母の手伝いのためなので、いつも寝ている二階ではなく義母 (っつうか妻にとっては実母) と同じ一階で寝ているというのだが、子供たちにとって、それは遊び時間と寝る時間のメリハリがないという意味でもある。

電話を切ったあと、寝っ転がって『スゥイングガールズ』を最後まで読んだ。ラストの数行がたまらない。長い練習を経てステージ上で大好きな音楽を演奏をしたことのある人なら、そこに書かれているのが、言葉の綾でもなんでもなく実感そのままだとわかってもらえるはずだ。

そのあと、もう夜も遅かったけど『ジャズ協奏曲』をあと3回だけ、スコアを眼で追いながら聴いた。こりゃあ難しいぞ。


2006年8月24日木曜日

やっと、mixiの足あとの数がGREEのアクセス数を超えた。どちらも地味にやっているのでアクセスしてもらう材料に乏しいのだけど。最近ではmixiばっかりやっていてGREEをあまり使わない。このふたつ、コカコーラとペプシコーラのようなものだからなあ。

ここ数日、少しずつ暑さが和らいできているように思う。秋の気配だ。

昨日から妻子はまたまた帰省中。ちょっと事情があって・・・つっても別に、ケンカして「クニへ帰らせてもらいます」とか、そういう話ではないぞ。


2006年8月23日水曜日

さて、新しい電子ピアノはヤマハのClavinova CLP-240だ。Windows向けのドライバと演奏データ管理ソフトの収録されたCD-ROMは添付されていたが、Macintosh向けのソフトは同梱されていなかったので、少なくとも、メーカーのサイトからUSB MIDIドライバをダウンロードする必要がある(→YAMAHA USB MIDIドライバ)。これをインストールしたMacintoshにUSBケーブルでClavinovaを接続すれば、MIDI機器としてOSに認識されるから、あとは自分の好きなMIDIソフトウェアを使ってデータの送受信をすればいい。

ところがそのMIDIソフトウェアが問題だ。旧MacOS7〜9だったら、TONTATAさんのMIDIGraphyで決まり。もっと古いSystem6とかだったら、Passport DesignsのTraxという選択肢が俺にとってはベストだった。ところがMac OS Xになってから、そのテのお手軽MIDIシーケンスソフトウェアがなかなかない。MIDIだけにこだわらずGarageBandを使えばいいのかもしれないが、PowerBook G4/867MHzにGarageBandは少々荷が重い。

何かないかとネット上で物色していたら、同じ悩みを持つ人がはてな::Questionsで質問しており、そこでは、MidiSwingがよかろう、という結論になっていた。Pascal Naidonという人の開発してくれたJavaベースのフリーウェアだ。なるほど、試してみよう。このPascal Naidonという人、フランス生まれアメリカ在住のどうやら物理系か化学系のポスドクだけど、自分でデータ入力した音楽とか、Nonstandard-Analysis (超準解析: 無限大や無限小を実体的に扱う数学の手法) についての文章をホームページで公開している。アカデミックな論考と趣味の音楽を分け隔てなく扱えるこういう人には、俺はけっこう好感を持つ。

「バーバラ・アレン」のピアノアレンジはなかなかまとまらないが、サックス四重奏版の楽譜はできたから、次の練習に持っていこう。楽譜を印刷するには、インクジェットプリンタ(キヤノン PIXUS 6500i)のインクを買いにいかなきゃならぬ。いや、レーザープリンタ(ブラザー HL-1470N)もあるが、そろそろトナーの交換時期だ。先日妻が買ったトナーは他機種向けのやつで、うちのプリンタには入らない。これも買い替えないと。

MusicStore.jpに発注したコンチェルトの楽譜も届いた。ビル・ホルコム作曲『サックス四重奏と吹奏楽のためのジャズ協奏曲《サクソフォンの時代》』(Musicians Publications版, 演奏時間13分弱)。デモ演奏CDつきなのでさっそく試聴してみる。ガーシュウィンやジョビンにヒントを得たと思われるフレーズがてんこ盛りの (聴く分には) 楽しい曲で、俺にとっては大好きな部類の音楽だが、わが松山ウィンドのこれまでの路線とは違いすぎるかもしれず、なによりソロパートがとんでもなく難しい。


2006年8月22日火曜日

今朝からスコットランド民謡「バーバラ・アレン」のメロディーが頭の中で無限リピート再生されている。早いとこ、ピアノ独奏版とサックス四重奏版にアレンジして楽譜を書いてしまおう。とかなんとか思っていたら、土曜日に発注した新しい電子ピアノが届いた。最近のこの手の電子楽器はUSB端子を備えていて、特別な機材なしでもパソコンを直接接続できるうえ、USBメモリディスクなどの記憶媒体に演奏情報を記録することもできるらしい。面白いものだ。鍵盤のタッチも本物に近いし音もなかなかいい。ということは当然、値段もいい。来月から15回ローンでお支払い(汗)。

夜は市民コンサートの機関誌作り。俺はWindowsに関してはまったくの門外漢だし、Microsoft Wordはできれば使いたくないと思っているのだけど、他の人と共同作業をするにはどうしても必要に迫られる。で、プリントされた写真をスキャナでデジタルデータ化してWord文書に貼付けるとかいう作業を、適当に見当をつけながらやっていると、どうしたものか周囲が感心して「えーっ、教えてください」なんて言い出す。もちろん、絶対に教えてあげない。だって、俺だって誰かに教えてもらったわけではなく、行き当たりばったりにやっているだけなのだ。その人たちも、上達するためには、誰かに教えてもらうものという固定観念を捨てて、行き当たりばったりだろうがなんだろうが、自分の手でいじり倒す経験を通じてセンスを磨くべきなのだ。


2006年8月21日月曜日

ラジオニュースの市場動向を聴いていると「アメリカのインフレの懸念が後退したことを受けて幅広い銘柄が買われ」とか「当面の利益を確保するための売り注文が出され」というように、市況の変化が理由付きで話されているのだけど、証券取引所に意思があってインフレを懸念しているわけじゃあるまいし、これって不思議だ。誰かが「インフレの心配はなくなりました、みなさん株を買いましょう」と言ったところで「はい、そうします」なんて市場動向をコントロールできるはずはないし、できたとしてもするわけにいかない。かといって、取引に忙しい仲買人をつかまえてインタビューしているわけでもなかろう。ということは、市況評論家(?)みたいな人が後づけで理由を説明しているのかもしれない。


2006年8月20日日曜日

妻はまたしても早朝出勤かつ休日出勤。まあ、週末の帰省 (俺は行かないけど) を控えているので仕方がないのだ。


2006年8月19日土曜日

夕方から吹奏楽の練習。とくに理由はないけどマウスピースをセルマーのC**に戻したら、だいぶ楽になった。練習場の冷房の効きがよすぎて、半ズボンで行ったら寒かった。夕食は谷町のジョイフル。


2006年8月18日金曜日

人が歩くぐらいの速度で移動する台風というのも冗談がきついな。

夜、市民コンサートの機関誌づくり。


2006年8月17日木曜日

台風の影響か、ずいぶん蒸暑かった。

うちの電子ピアノの中央のドとシとラの鍵盤が、タッチのときガチャガチャ言うようになってしまった。買って10年ほどになるから、そろそろ買い替え時かもしれない。インテルMacも欲しいが、なかなか手が出せないなあ・・・


2006年8月16日水曜日

なんだかんだで中断しがちだったが『時間のない世界』を読了。これ一冊読み終えるのに一週間もかかるというのは、自分としてもまったく情けないが、それはともかく、「てなさく読書欄」で紹介することにしよう。いそいそ。

コンテンツバリアX4 (オリジナル英語版ソフトはこちら) というペアレンタルコントロール用ソフトウェアのWebサイトのバナーがかわいいので妻に見せたら、予想どおり悶絶寸前で、喜びのあまり俺の背中の、昨日の海水浴で日焼けしたところを思いっきり引っ掻いてくれた。イテテテテのテ・・・


2006年8月15日火曜日

託児所の休日にあわせて妻も休みを取ったのでドライブに。最初はしまなみ海道をめざして出発したが、途中の道の駅風和里とその隣の海水浴場で簡単に手を打った。段取りというものの嫌いな俺は「行き当たりばったりで結果オーライをつかめ」がモットーだ。海と太陽があれば、お金をかけずに家族で楽しめる。

立岩海岸 午後2時40分頃 立岩海岸 午後2時40分頃
松山市北条地区 立岩海岸海水浴場
写真は午後3時ちょっと前のようす

海水浴なんて【娘】が生まれてこのかたやっていない、ということは6年ぶりだ。家族連れ、友達同士誘いあってきている若い男女のグループ、ナンパ待ちとしか思えない若い女の二人連れ・・・なかなかのにぎわい。こういう場合のお約束として、【息子】はビキニのお姉さんにたちにもてた。【娘】は、パパが支えてやっても、足の届かない深いところは怖いらしい。俺としては、大変けっこうな眼の保養が(以下省略)


2006年8月14日月曜日

年休を消化するため一斉に休みなさいというお触れが職場に出ているので、17日までは仕事がない。妻は出勤したし、子供は託児所預かりなので、俺ひとり家でぼんやり過ごす。片付けなければならない家事はたくさんあるが、どうもやる気が出ない。


2006年8月13日日曜日

ローソンのキャンペーンで、シールを30点集めるとミッフィーの絵皿と交換してもらえるというのをやっている。30点たまったので、近所のローソンへビールを買いに行くついでに交換してもらった。2種類の絵皿のうちどちらにするか、【娘】に聞いたら、海岸で遊ぶテーマのほうがいいという。なぜかというと、砂山の後ろにミッフィーの顔が半分かくれている絵柄がママの大好きな絵だからだ。子供なりに、親の気持ちを慮ってくれているらしい。

最近よくあることだが俺が夕食を支度。カブの炊いたのに肉味噌を乗せたのと、きんぴらごぼうがおかず。カブの葉を茹でて刻んでご飯に混ぜて食べた。あ、せっかく買ったところてんを出すのを忘れてたぞ。


2006年8月12日土曜日

松山まつりの野球拳おどりの日だが、踊りの会場からほんの少し離れると、もうごく普通の休日と変わらない。午前中、【娘】が耳鼻科に行くので、俺は医者の近所のハトマートで【息子】のお守。うちで昼食後、午後にはいよてつ高島屋へ行った。結婚前に買ったCOACHの革の財布が、8年を経ていい風合いにはなったけれど、傷みもひどくなってきたので、同様のものを新調。みろりは7階のバーゲンでなにやら購入。

きょうは吹奏楽の練習がお休みなので、非公式な飲み会をすることにした。俺は待ち合わせ時間を勘違いして50分も早く着いたが、ちょうどまつちかでジャズのライブをやっている時間だったので結果オーライだった。時間どおりに待ち合わせ場所に行くと、少し離れたところにマエストロ奥さんがいる。道端の一隅を凝視したまま、微動だにしない。普段から落ち着いた人ではあるが、それにしても今日はまた超越的に落ち着きすぎ。と思ったら、実はビルの前に黒い仔猫がいて、奥さんはそいつとコミュニケーションを取っていたらしい。なるほど。今日の宴会の出席者はマエストロと奥さんとジョーヘニョとじんくんとガリクソンと俺。ひとまず千舟町の食彩倶楽部でジンギスカン食い放題+酒飲み放題の2,000円というのをやり、次に紀伊国屋近くのG-クレフへ移動。しばらくアホな話に興じて、10時過ぎにお開き。


2006年8月11日金曜日

ピアノのレッスン。お盆休みをどう過ごすかという話の途中で、O先生は薮から棒に「わたしはクマなんですけど」と言い出した。うわっ、てっきり人間だと思ってました。お見それいたしました。実は俺はイヌなんですわん。いや、そういう話ではなくて、久万 (=愛媛県上浮穴郡久万高原町) 在住 (あるいは出身) であるという話だった。レッスンのお題は相変わらず、ツェルニー百番練習曲の89曲目とバッハのインベンションの1番と2番。バッハの1番はだいたい形になってきたが、2番は両手で弾くのは今日が初めてで、音楽にならない。途中、右手と左手の音域がぶつかって、どうやって弾くのかわからないところが何カ所かある。

レッスン後、市駅前のファミマでSガさんに遭遇。


2006年8月10日木曜日

このところ連日天気がよく、また今年は水不足がそれほど心配ないので、毎日の洗濯が楽しい。こういうしょーもないことでもいいから、幸せの種は大切にかじっておこう・・・って、ハムスターみたいやな。「ゲーデルと20世紀の論理学 第1巻」に続いて、『時間のない宇宙』を読んでいる。ゲーデルとアインシュタインの生涯と、主要な業績の哲学的な含みと、両者の交流について書いている本で、なかなか面白いが、翻訳が悪いのか原書の記述に問題があるのか、不正確な表現が数々あるので、そのあたりのことをメモしながら読んでいる。そのうち「てなさく読書欄」で揚げ足を取ろうと思う。

NHKジャーナルに井上ひさしが出て、自著『井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法』について語っている。自由とか権利とかの漢語はとどのつまり「インテリことば」であり、そうした言葉で書かれた憲法は子供には理解できないので、やまとことばに翻訳して、また、いわさきちひろの絵を添えて、日本国憲法を子供にも伝えたい、そういう趣旨の本であるらしい。漢語やカタカナ語は子供には伝わらないし、また、大人に伝える際にも、たとえば井上さんの本職である演劇で用いる話し言葉としては、やまとことばほど通じやすくはない。そのこと自体はまことに正しい判断だと思う。幕末から明治初期にかけて福沢諭吉らの思想家が right や freedom といった概念の訳語をさんざん苦労して作り、しかしそれは漢語という「インテリことば」であるから、やまとことばに直すために井上さんが逆の苦労をした、というのもわかる。また、社会科についてはまったく不勉強な俺には、日本国憲法について意見を述べる資格はない。だが、具体的な翻訳の一例として、「自由」が否定的な意味を持つ仏教用語であり、それを「のびのびとおだやかにいきること」というやまとことばに翻訳したと聞かされると、それでいいのかどうか疑問に思う。自分の意志で波瀾万丈の冒険の人生を選ぶ自由はないのだろうか。freedom は「のびのびとおだやかにいきる」というより、「自由」という漢字にも表現されているとおり「ただおのれのみをよりどころとする」ということではないかと思うのだ。また「権利」ということば (にあたるやまとことば) をこの本では使わなかったという。日本国憲法の精神は、権利ということばを使わないでも伝えられるものなのだろうか。俺には判断できない。だから、これ以上のことは、この本を読んでから言わなければならないだろう。


2006年8月9日水曜日

てなさく読書欄にゲーデルと20世紀の論理学の紹介を追加した。夕食は茜屋。最近、チャーシューが燻製から炭火焼に変わった。


2006年8月8日火曜日

台風が近づいているけれども、いま(19時25分頃)のところ、窓の外の西の空には雲は見えず、オレンジから青への綺麗なグラデーションを見せている。だんだんとオレンジ色があせて青が濃くなり、やがて夜の帳が街を包む・・・うわっ、俺らしくもない文章だなあ。

すでに「大久保彦左衛門問題」や「森の石松問題」で実証されてしまっているとおり、わが妻みろりは歴史関係に弱い (もっとも、大久保彦左衛門忠孝や森の石松が日本史の教科書に載ったという話は聞いたことがないけど) のだが、実は俺だってそれほど詳しいわけではない。だが、ああ見えて秘めたる情熱の人である妻に、和泉式部の「枕だに知らねば言はず見しままに君かたるなよ春の夜の夢」を教えたら、大喜びしていた。ので、「和泉式部日記」と「紫式部日記」を買ってきた。こういう書物について夫婦で酒飲みながら話題にできれば、ちょっと人生楽しいはずだ。

物思へば 沢の蛍もわが身より あくがれいづる魂かとぞ見る (和泉式部)
物思へば 川の花火も我が身より ぽんと出でたる 玉やとぞ見る (唐衣橘洲)


2006年8月7日月曜日

東京大学出版会の『ゲーデルと20世紀の論理学(ロジック)』の刊行が始まった。第1巻では、日本へのロジック (日本ではなぜか数学基礎論と呼ばれている、数学の一分野としての論理学) の受容の歴史を田中尚夫先生が語り、つぎに、ゲーデルの業績の哲学的含みを飯田隆さんが論述する。大変面白い。俺の本来の狙いは、ゲーデルの集合論上の業績とプラトニズムにフォーカスした第4巻にあるのだけど、もちろん4巻全部そろえるつもりだ。

それに関連して「復刊ドットコム」(http://www.fukkan.com/)というサイトにサインインした。これは、品切れ・絶版になった本 (国内で刊行された本) の復刊リクエストを集め、多くのリクエストが集まった本については版元と交渉して復刊をめざすというサービスだ。ゲーデルの赤本(近藤洋逸訳)とかコーエンの『連続体仮説』(近藤基吉+坂井秀寿+沢口昭聿訳, 東京図書)などはリクエストが登録されているものの、やはり、マンガやエンターテインメント小説のようには票が集まらない。

昼食は銀天街の「ジャックと豆の木」。ランチとコーヒーで650円。落ち着いた店内のムードが気に入ったので、時々来ることにしよう。


2006年8月6日日曜日

えひめグリークラブの演奏会だ。招待券があり、妻も聴きたがっているので、ピクニックがてら四人で出かける。会場は市民会館中ホール。目測ではざっと7割以上の入りで、空席を見つけるのに困る。すばらしい。だけど、【娘】が黙って聴いていてくれるのは1ステージくらいなので、俺は第2ステージだけ会場で聴いて、あとはロビーで【娘】の相手をしていた。【息子】はなぜか生まれながらの音楽好きで、熱心に聴く姿勢をすでに身につけている。見所があるので妻が抱っこして第3ステージも聴かせていたが、聴いている途中で大きな笑い声を上げたりするので、第3ステージの途中でこれまた退場。そんなわけで、第2ステージしか聴けなかったが、それでも、ハワイ沖えひめ丸海難事故鎮魂歌「希望海」には、涙が出そうになった。


2006年8月5日土曜日

最近インターネットでこまめにチェックしているNHKラジオニュースで、昨日の京都の最高気温が36℃を超えていたという話を聞き、あわてて実家に電話。両親が干涸びていないか心配だ(笑)。普段は俺はめったに実家に連絡をとらないが、昨年のお盆以来子供たちを連れて帰っていない。たまには【息子】の成長ぶりなど見せてやりたい。


2006年8月4日金曜日

おおっ! ついにAmazonの「おすすめ商品」から枝雀落語のCDが一掃されたぞ。んじゃ、そろそろもう一枚買いに行くかな。多少購入のペースが落ちているのも事実だが、枝雀落語は当分廃盤にはならないだろうし、買う気になれば、けっこうあちこちのレコード屋にあり、未購入のものがたくさんあって入手困難なナンバーを意識する必要がとくにないうちは、アマゾンで買うまでもないと思っているところだ。

帽子
日中、外を歩いていて、暑さに危険を感じたので、
通りすがったサンクスで帽子を購入


2006年8月3日木曜日

正五角形はユークリッド幾何の範囲内で (つまりコンパスと定規だけで) 作図できるが、その作図法は正三角形や正方形の作図と比べるといくぶん複雑だ。ピュタゴラス学派のシンボルは五芒星だったというが、ユークリッドに先立つこと数百年のピュタゴラスの時代には、正五角形の作図法が秘儀扱いであったとしても、さほど驚くべきことではないのかもしれない。ヨーロッパの伝説上のひとファウスト博士がメフィストフェレスを召喚するときには、床に五芒星の魔陣を描くし、日本でも安倍晴明の紋所が五芒星だった。魔法使いの皆さんは五芒星や正五角形がお好きらしいが、もしかして、安倍晴明はギリシャからヨーロッパへ連なる秘儀の伝統を知っていたのだろうか?

定規とコンパスだけで正五角形を作図する方法 (それは最終的には、与えられた線分のルート5倍の長さの線分を作図することに帰着する) を、自分でもいろいろ考えちゃあ試してみるのだが、なかなか綺麗に描けない。ましてや、俺のように単に理屈で押すのではなく、ユークリッドのように理屈にも合っていてなおかつエレガントな作図法を見つけるとなれば、それは「秘儀」の名に値するかもしれないという気に、だんだんなってくる。

このごろは、数に関する非数学的観点からの知見とかそういうことも、ちょっと勉強しようかと思っている。マリー・ルイーズ・フォン・フランツの『Numbers and Time』やジョン・キングの『数秘術』は読もうと思うが、mixiのユング心理学コミュニティーからは退会した。そもそも、ほとんど見てなかったからな。


2006年8月2日水曜日

一日に数百件の迷惑メールが届くこのごろは、スパム屋さんも差別化に必死とみえる。だから、Googleで "主人がオオアリクイに殺されて一年が過ぎました。" をキーワードとして検索すると、(二重引用符は、このキーワードをこれ以上分割しないでこのとおりの表現を含むサイトを検索せよ、という指示) きょうの17時50分の時点で52,800件ヒットがある。ちょっとしたオオアリクイブームだ。だから、アマノジャクな俺はこの件についてこれ以上は面白がらないことにする。だからといって、このメールを自分だけが受け取ったかのようにblogのネタにする人たちを見下すようなことも、もちろんしない。せっかくアマノジャクになるなら徹底しないといけない。 (先月28日の日記を参照) それに、ネタに困っているのはお互いさまだ。

さて、知恵を絞ってこのような大ヒットを飛ばすスパム屋さんもいれば、件名「全新生活を改善いたします(*^。^*)」差出人「love you 2人vip奥様」とかいう、どう考えても日本語がご不自由なスパム屋さんもいる。俺の全新生活 (って何?) を改善してくれる前に、ぜひ自分の全作文能力を改善してほしい。

いつも「こいつアホやなあ」と思うのは、まず、件名が「Message Subject」という、おそらくなんらかの裏ソフトのテンプレートをろくすっぽ変更せずに送信しているスパム。それと、件名がたとえば「棒に当たる」で、差出人が「犬も歩けば」といった具合に、差出人の名前欄を件名欄の一部として使っているスパムだ。決まって、差出人→件名の順で読むかっこうになっている。そりゃあ、Apple Mailのメール表示画面では、差出人が上、件名が下に表示されるが、Mozilla Thunderbirdをほぼデフォルト設定で使っている俺のようなユーザの場合は、件名が先、差出人が後だから、かなり頓珍漢な表示になる。それに、「嘘ではありません」とか「月収100万円だったら」とかいう名前は、ハンドルネームとしてもまずありえない。ひょっとして、送り主は、メールを受け取る人がみんなWindowsユーザでOutlook Expressを使っていると想定しているのだろうか。

本文が日本語、文字エンコーディングが Shift_JIS なのに、件名のエンコーディングが BIG5 という、二カ国語チャンポンな迷惑メールも後を絶たない。こうなると、差出人は日本人ではまずありえない。そりゃあ日本にもアホはいるから、ひとつそいつらを騙して ¥yen を稼いでやろうと、かの国 (どの国?) のスパム屋さんが思うのも無理はないのかもしれないが、他所のアホを狙うのは、まず自分のアホを直してからにしてほしい。

そもそも、人を騙してお金をかすめとるという稼業が、はたして真面目に働くより割がいいのかどうか、まずそこのところに疑問を感じるが、それを承知のうえで裏稼業に勤しむと言うんなら、せめてもうちょっと賢くならないとなあ。たとえ汚い手段を使っても、というか、たぶん裏の世界に行けば行くほど、アホのところにはお金は回っていかないぞ。


2006年8月1日火曜日

8月だ。小学生だったころ「夏休みの宿題は7月中に片付けちゃうくらいのつもりでやりなさい」とよく言われていたなあと思い出す。ごめんなさい。ちゃんとやります。

【娘】は一日でだいぶ快復した。夕食時の様子など普段と変わらない。俺はどうかというと、例年ならとっくにバテているような暑さだが、食欲もあるしそれなりに体も動く。土用の丑の日とその前の晩にうなぎを喰ったからか、養命酒を毎朝飲んでいるからか。いずれにせよ、ありがたいことだ。

むしろ人間より先に、仕事場のエアコンがヘタっている。窓を開けて風を通したほうがまだしも過ごしよいので、一日エアコンなしで仕事をした。自分の仕事部屋のeMacから別室にある PowerMac G4 (QuickSilver) に接続したPM-A900で写真をプリントアウトする(光沢紙オプションをつけて背面給紙で印刷する)手順がわからず四苦八苦する。プリンタ独自のオプションを利用するには、プリントサーバだけでなく自室のクライアントマシンにも純正のプリントドライバをインストールしないといけないらしい。気がついてしまえばそれだけのことに、ああでもないこうでもないと小一時間も考えあぐねていたわけだ。