てなさく世界
本を出しました
各タイトルの紹介
『位相空間のはなし――やわらかいイデアの世界』
藤田 博司 著
日本評論社 2022年 7月25日
ISBN 978-4-535-78933-3
本体価格 2,400円
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雑誌『数学セミナー』2018年4月号〜2020年3月号に連載した位相空間論の入門記事の単行本化です。抽象的な言葉で語られる位相の概念の「きもち」や直感的な「イメージ」を伝えたいと思って書きました。位相の「きもち」を伝える「はなし」という形ではありますが、目次を見ればわかるとおり、位相の初歩の教科書で扱われる内容はひととおりカバーしています。本文中に配置した演習問題には、各章の後半ですべて解説を加えています。
目次
- 第1章 大きい数・近い点・近傍フィルター
- 1. 集合について
- 2. 相対的な概念について
- 3. 十分大きな実数?
- 4. 十分近い点?
- 5. 近傍の性質
- 6. 近傍フィルター
- 演習
- 第2章 近傍フィルターを生み出すしくみ――距離関数と開集合系
- 1. 距離空間
- 2. 距離関数の例
- 3. 距離空間でない空間
- 4. 近傍フィルターから開集合へ
- 5. 開集合系から近傍フィルターへ
- 演習
- 第3章 連続写像の概念
- 1. 位相空間の例
- 2. 写像について
- 3. 「イプシロン・デルタ」から「近傍の逆像」へ
- 4. 位相空間における写像の連続性
- 演習
- 第4章 閉集合・境界・同相写像
- 1. 閉包と閉集合
- 2. 境界
- 3. 同相写像
- 演習
- 第5章 基本近傍系・開基・稠密性
- 1. そろそろタイトルのタネあかし
- 2. 基本近傍系と第1可算公理
- 3. 開基と第2可算公理
- 4. 稠密集合と可分性
- 演習
- 第6章 点と点を区別する:分離公理
- 1. 分離公理:ハウスドルフ空間
- 2. 点列の収束とフィルターの収束
- 3. 分離公理:正則空間と正規空間
- 4. 直積による空間の構成と分離公理
- 演習
- 第7章 離れていることとつながっていること
- 1. 離れた集合と連結集合
- 2. 連結集合の性質
- 3. 数直線の連結性
- 4. 中間値の定理
- 5. 連結成分
- 演習
- 第8章 コンパクト性をめぐって
- 1. ボルツァーノ-ワイヤストラスの定理
- 2. 有限交叉性
- 3. コンパクト空間
- 4. 超フィルター
- 5. 開被覆とコンパクト性
- 6. 連続関数と最大値原理
- 演習
- 第9章 正規空間とウリゾーンの補題
- 1. ウリゾーンの補題
- 2. ゾルゲンフライ平面
- 3. 完全正則空間
- 4. ウリゾーンの補題の証明
- 演習
- 第10章 ウリゾーンの距離づけ定理
- 1. 距離づけ可能な位相空間
- 2. ウリゾーンの距離づけ定理
- 3. ヒルベルト立方体
- 4. リンデレーフ空間
- 演習
- 第11章 チコノフの定理とコンパクト化
- 1. 局所コンパクト空間
- 2. コンパクト化と完全正則空間
- 3. チコノフの定理
- 4. ストーン-チェックのコンパクト化
- 5. ふたたび局所コンパクト空間について
- 演習
- 第12章 完備距離空間とベールの定理
- 1. コーシー列と完備性
- 2. 連続関数の空間のふたつの距離関数
- 3. ベールの定理
- 4. ベール空間
- 5. マーティンの公理
- 演習
『「集合と位相」をなぜ学ぶのか――数学の基礎として根づくまでの歴史』
藤田 博司 著
技術評論社 2018年 3月19日
ISBN 978-4-7741-9612-1
本体価格 2,040円
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大学の数理科学系(数学/情報など)の学科では、早い次期に「集合と位相」を学びます。必須の基礎知識とされながら、「抽象的すぎる」「わかりづらい」「面白くない」と評判が悪いこの「集合と位相」は、いったいどのような経緯で成立したのでしょうか。19世紀初頭のフーリエにまで遡って、その発展の歴史をたどります。ですから、この本は「集合と位相」の教科書ではありません。むしろ、教科書からこぼれ落ちざるを得なかった部分を集めた本になっています。
目次
- 第1章 フーリエ級数と「任意の関数」
- 1.1 フーリエの時代
- 1.2 熱伝導方程式とフーリエ級数
- 1.3 フーリエ級数の実例
- 1.4 フーリエの理論の問題点
- 第2章 積分の再定義
- 2.1 式としての関数: 18世紀まで
- 2.2 ディリクレの定理
- 2.3 リーマン積分
- 2.4 積分可能性をめぐる混乱
- 第3章 実数直線と点集合
- 3.1 点集合
- 3.2 実数の連続性の3つの表現
- 3.3 実数は可算でない
- 第4章 平面と直線は同じ大きさ?
- 4.1 集合の用語と記号
- 4.2 集合とその濃度
- 4.3 数学の基礎としての集合論-デデキントの業績
- 4.4 直線と平面は同じ大きさ
- 第5章 やっぱり平面と直線は違う
- 5.1 カントールの憂慮
- 5.2 平面の点集合, 点列の収束とε-近傍
- 5.3 写像の連続性
- 5.4 内部と外部と境界
- 5.5 閉包
- 5.6 開集合と閉集合
- 5.7 位相同型写像と同相な点集合
- 5.8 連結性
- 5.9 平面と直線は同相でない
- 5.10 位相ということば
- 第6章 ボレルの測度とルベーグの積分
- 6.1 新しい解析学
- 6.2 測度
- 6.3 ハイネ-ボレルの定理
- 6.4 ルベーグと測度の問題
- 6.5 可測関数とルベーグ積分
- 6.6 ルベーグ積分の特長
- 6.7 測度と確率論
- 第7章 集合と位相はこうして数学の共通語になった
- 7.1 ユークリッドと2000年間の難問
- 7.2 構造の研究としての数学
- 7.3 まとめ: 数学の共通語としての集合と位相
『キューネン数学基礎論講義』
ケネス・キューネン著, 藤田 博司 訳
日本評論社 2016年 7月30日
ISBN 978-4-535-78748-3
本体価格3,800円
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ウィスコンシン大学の講義テキストから発展した書籍 Kenneth Kunen, “The Foundations of Mathematics” (College Publications 2009)の邦訳です。数学基礎論あるいは数理論理学と呼ばれる分野の入門書として好適です。述語論理とモデル理論の初歩を講じ完全性理論の証明をする第II章が全体の目玉ですが、第I章は公理的集合論の初歩への導入として読んでいただけますし、第IV章「再帰理論」の集合論ベースでの扱いにも類書にない特色があります。
目次
- 第0章 導入
- 0.1 予備知識
- 0.2 述語論理
- 0.3 なぜこの本を読むべきか
- 0.4 数学の基礎
- 0.5 どのようにこの本を読むべきか
- 第1章 集合論
- 1.1 方針
- 1.2 公理
- 1.3 叙述についての二つの注意点
- 1.4 万物の理論としての集合論
- 1.5 数えること
- 1.6 外延性,内包,対,和集合
- 1.7 関係・函数・離散数学
- 1.8 順序数
- 1.9 順序数についての帰納法と再帰
- 1.10 冪集合
- 1.11 基数
- 1.12 選択公理AC
- 1.13 基数の算術
- 1.14 基礎の公理
- 1.15 実数と記号的存在
- 第2章 モデル理論と証明論
- 2.1 方針
- 2.2 証明論への史的導入
- 2.3 モデル理論への非-史的導入
- 2.4 ポーランド記法
- 2.5 1階論理のシンタクス
- 2.6 略記法
- 2.7 1階論理のセマンティクス
- 2.8 セマンティクスに関する概念の追加
- 2.9 トートロジー
- 2.10 フォーマルな証明
- 2.11 証明の構成への戦略
- 2.12 完全性定理
- 2.13 完全な理論
- 2.14 等式理論とホーン理論
- 2.15 定義による拡張
- 2.16 初等部分モデル
- 2.17 集合論のモデルにおける定義可能性と絶対性
- 2.18 弱い集合論
- 2.19 その他の証明の理論
- 第3章 数学の哲学
- 3.1 実際に真なのは何か
- 3.2 偽りのない理解のために
- 第4章 再帰理論
- 4.1 概要
- 4.2 チャーチとチューリングの提唱
- 4.3 HF上の⊿_1関係
- 4.4 対角線論法
- 4.5 論理学における決定問題
『魅了する無限――アキレスは本当にカメに追いついたのか』
藤田 博司 著
技術評論社 2009年 2月25日
ISBN 978-4-7741-3761-2
本体価格1,580円
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「知りたいサイエンス」シリーズの一冊。数学好きの一般読者のみなさんに、無限の不思議をいろいろな切り口から語る本です。数学的な無限論のやさしい解説(第1章,第2章)はもちろんのことですが、「アキレスとカメ」をはじめとするゼノンのパラドックスについてこの10年ほど考えてきたことを世に問う第3章にも、どうかご注目ください。
Yahoo!みんなの検定の【魅了する無限検定】なんてものも作ってもらいました。
目次
- プロローグ――ガンジス川の砂
- 第1章 さまざまな無限
- 1-1 消えたジンジャーエールの瓶
- 1-2 ヒルベルトの無限ホテル
- 1-3 無限は数ではない
- 1-4 素数は無数にある(無限観の変容)
- 1-5 無限に出あわない理由?(アルキメデスの原理)
- 1-6 線分上の点の数
- 1-7 無限の遠方と平行線
- コラム1-1:ジンジャーエールを使ったカクテル
- コラム1-2:アルキメデスという人
- コラム1-3:とり尽くし法による,円錐の体積の計算
- 第2章 実数の連続性をささえる無限
- 2-1 無限小数と出会う
- 2-2 実数〈ルート2〉を追跡せよ
- 2-3 犯人は蒸発しない(実数の連続性)
- 2-4 無限和は足し算だろうか
- 2-5 p進整数の世界
- 2-6 調和級数とライプニッツの級数
- コラム2-1:ゼロで割り算をしてはいけない理由
- コラム2-2:円周率πの数値計算について
- コラム2-3:循環小数と非循環小数
- コラム2-4:ワイエルシュトラスの原理
- コラム2-5:ライプニッツという人
- 第3章 ゼノンのパラドックス
- 3-1 ゼノンの4つのパラドックス
- 3-2 数と変化
- 3-3 数と反復
- 3-4 アキレスとカメ
- 3-5 ちょっと数学的に考えてみる
- 3-6 慣性の法則と時間の計量
- 3-7 時間と空間の連続性
- 3-8 証明の完成
- コラム3-1:パラドックスという言葉
- コラム3-2:ギリシャリクガメ
- 第4章 数のシステム
- 4-1 数学的帰納法
- 4-2 なぜ,自然数論の公理が必要なのか(そもそも公理とは?)
- 4-3 ペアノの自然数論
- 4-4 デデキントの自然数論とフレーゲの自然数論
- 4-5 自然数から整数へ
- 4-6 整数から有理数へ
- 4-7 有理数から実数へ
- 4-8 実数直線の連続性の証明
- 4-9 実数から複素数へ
- コラム4-1:浮世根問とソクラテス
- 第5章 無限と連続の謎と魅力
- 5-1 再び,ヒルベルトの無限ホテル(可算無限)
- 5-2 実数の全体は可算でない
- 5-3 カントールの集合論と,無限に多くの無限
- 5-4 連続体問題
- 5-5 ロビンソンの超準解析
- 5-6 百科事典棒
- 5-7 連続体と「アガスティアの葉」
- コラム5-1:カントールの定理と対角線論法
- エピローグ――連続体と時間と無限
『集合論――独立性証明への案内』
ケネス・キューネン著, 藤田 博司 訳
日本評論社 2008年 1月20日
ISBN 978-4-535-78382-9
本体価格4,500円
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数学の基本ボキャブラリとしての集合論から一歩を進めて、専門的な研究分野としての集合論を学びたい人のための本。原著は1980年発刊で、以後一貫して、この分野の定番テキストとしての不動の地位を獲得しています。強制法による独立性証明という当該分野の必須のツールを学ぶための必読書で、世界中の集合論の専門家のなかに、この本(原著)を読んでいない人はいないと断言してよいと思います。この名著の誉れ高い原著の語り口の明快さを損なわないように、また、なるべく自然な日本語に訳出するように、けっこう努力しました。
目次
- 序 章
- 1 無矛盾性
- 2 必要な予備知識
- 3 概要
- 4 この本の読み方
- 5 この本に書かなかったこと
- 6 参照について
- 7 公理
- 第1章 公理的集合論の基礎
- 1 公理を使う理由は?
- 2 論理を形式化する理由は?
- 3 数理哲学
- 4 解釈について
- 5 外延性と内包性
- 6 関係、関数、整列順序
- 7 順序数
- 8 新しいことばの定義について
- 9 クラスと再帰的定義
- 10 基数
- 11 実数
- 12 補遺1:ZF以外の集合論
- 13 補遺2:定義されたことばの除去
- 14 補遺3:メタ理論の形式化について
- 第1章の演習問題
- 第2章 無限集合の組み合わせ論
- 1 ほとんど交わりがない集合族と、交わりが一定の集合族
- 2 マーティンの公理
- 3 MAと同値な命題
- 4 ススリンの問題
- 5 木
- 6 閉非有界(c.u.b.)フィルター
- 7 ◇と◇+
- 第2章の演習問題
- 第3章 整礎集合
- 1 はじめに
- 2 整礎集合の性質
- 3 整礎的関係
- 4 基礎の公理
- 5 整礎的関係に関する帰納と再帰
- 第3章の演習問題
- 第4章 やさしい無矛盾性証明の例
- 1 非公式な三つの証明
- 2 相対化
- 3 絶対性
- 4 基礎の公理についてもう一言だけ
- 5 絶対性についてもう少し
- 6 H(κ)について
- 7 各種の反映定理
- 8 補遺1:相対化についてもう少し
- 9 補遺2:メタ理論のもとでのモデルの理論
- 10 補遺3:形式化された理論のもとでのモデルの理論
- 第4章の演習問題
- 第5章 定義可能性を定義する
- 1 定義可能性の形式化
- 2 順序数定義可能集合
- 第5章の演習問題
- 第6章 構成可能的集合
- 1 Lの基本的な性質
- 2 LにおけるZF
- 3 構成可能性公理
- 4 Lにおける選択公理と一般連続体仮説
- 5 Lにおける◇と◇+
- 第6章の演習問題
- 第7章 強制法
- 1 一般的な注意事項
- 2 ジェネリック拡大
- 3 強制
- 4 M[G]はZFCをみたす
- 5 有限な部分関数を用いた強制
- 6 より大きな部分関数を用いた強制
- 7 埋め込み、同型、ブール代数値モデル
- 8 その他の結果
- 9 補遺:他のアプローチと歴史についてのコメント
- 第7章の演習問題
- 第8章 反復強制法
- 1 半順序の積
- 2 コーエンのモデルについてもう少し
- 3 クレパの仮説の独立性
- 4 イーストン式強制
- 5 反復強制法の一般論
- 6 マーティンの公理の無矛盾性
- 7 可算サポート反復
- 第8章の演習問題
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