て日々

2017年6月


2017年6月25日(日)くもり

昨日に引き続きあまり調子が出ない。きょうもあまり外に出ずに家でゴロゴロしていた。怠け者の父親を尻目に、倅はいつになく勉強を頑張っていた。理科や社会のワークブックをずいぶん進捗させたうえ、非常に丁寧に英単語の書取りなどをやっていたので («hat»«hut» になっていたり «right»«righit» になっていたりの間違いはあったが)、褒めてやった。

娘が市立図書館から『天才柳沢教授の生活』を借りてきた。俺もこの漫画は大好きで、たしか26巻までは読んだのだが、家にあったコミックスはだいぶ前に処分している。娘が借りてきたのは12巻〜15巻のあたりで、一度は読んでいるはずなのだが、読み直してみると、ところどころ綺麗に忘れている。(「て日々」の記録によると、俺が最後に『天才柳沢教授の生活』の単行本を買ったのは2012年の1月である。)


2017年6月24日(土)あめ

昼メシはそうめん。県立図書館なりどこなりへと外出する気でいたが、昼寝して目覚めてみると雨だったので、あまり外に出ず家でゴロゴロしていた。飯田隆『規則と意味のパラドックス』(ちくま学芸文庫) を読み終えた。大変読みやすく、しかも面白かった。だが、クワス算とかグルーとかの議論を読んでいると、言ってることは一通りわかるけど、単細胞で怒りっぽい俺には哲学はできないなと思った。


2017年6月23日(金)はれ

飯田隆『規則と意味のパラドックス』を読み始める。とても面白い。

自宅で倅と共用するために、Lenovoの格安ノートパソコンを買った。RAMを8GBに増設し内蔵ドライブをSSDに換装しているので、使い勝手は悪くないはず。ただし、来週中は中学校の中間テスト期間なので、自宅に持って帰るのはそのあとにする。いま倅にパソコンを与えたら、猫に鰹節どころか、猫にマタタビ状態でテスト勉強などできなくなるに決まっているからね。

とりあえず最小限度の設定をして、不要なプリインストールソフトを削除し、FirefoxとEmEditorをインストールし、この「て日々」を書いている。新しいキーボードの感触になじむためには、まとまった量の文章を書いてみるに限る。それで、月曜日から今日までの日記を書かねばならないのだが、月曜日がどんな日だったか、いまひとつ思い出せない。ちゃんとメモを残しておかないといけない。


2017年6月22日(木)くもり

火曜日に引き続き、きょうも8時前に大学に到着。まるで、子供たちを小学校まで送っていた10年前に戻ったみたいだ。年齢などなど、戻したい部分がないこともないが…

午後は数理論理学の講義。30分で済ませるつもりが40分ちょっとかかったが、コンパクト性の証明を済ませた。テキストではこれで命題論理の話を終わらせてすぐに述語論理の議論に入るのだが、なにせこちらはコンピュータ科学などへの応用もあると謳っている講義だから、もうちょっと論理らしい話も補足しておこうと思って、「真理関数」という大層な名前のわりにはチャチな概念について話した。真理関数・命題論理における論理式の論理的同値の概念・真理関数の論理式による表現・選言標準形、これだけのトピックを、45分間で駆け足で紹介。

夕食後、Skypeで《第10回関西すうがく徒のつどい》の運営会議。このごろはハイレベルな講演が多くなってきているけど、初めての人も常連も楽しめるようにするには、講演のレベルの配分をどう調整すればいいか、みたいなことを議論した。ところが俺は話が長引いている間に寝落ちしてしまった。ごめんなさい。


2017年6月21日(水)あめ

午前中は家で明日の講義の準備をした。昼飯は妻と二人で丸源ラーメンに行った。午後は「お茶会」と「TGSAセミナー」だ。TGSAセミナーではドミンゲスさんが位相アーベル群についてのある予想の反例の話をした。10年以上前のシャクマトフさんと俺の共同研究の結果が引用されている。夜は例によってアミティエで懇親会。メインディッシュは猪のシチューで、やわらかくて美味しかったが、前菜が豊富だったこともあって肉とデザートを少し残してしまった。


2017年6月20日(火)はれ

夜中に起きて講義ノートを書き上げたこともあって睡眠不足気味なのに、いろいろの事情で朝8時前に大学に着いた。オフィスの洗面で顔を洗って、髪もセットしようとしたが、整髪料と間違えてうっかりシェービングジェルを頭につけるところだった。まてまて。俺は整髪をしようとしたんだ。剃髪じゃない。

「数理論理学」の講義は、命題論理の充足可能性の概念とコンパクト性。証明のいいところで終わってしまった。次回はコンパクト性の証明を完成させた後、命題論理の話を打ち切ってさっさと述語論理に進むか、あるいは命題論理についてテキストにないトピックを何か追加してしゃべらないといけない。小テストで真理値表を書かせてみたら、\(A\rightarrow B\) の真理値を勘違いしている解答がいくつかあった。まだ3回目だというのに、そんなところでコケられてはかなわない。あとでフォローしておかなくては。


2017年6月19日(月)はれ

ピアノのレッスン。ブルグミュラー18の練習曲8曲目の「アジタート」は16分音符の速いアルペジオを両手を交互に使って弾く。しかし最初だからゆっくりさらう。先週と同様、ピアノのレッスンのあとは松山市駅のドトールコーヒーに行って講義ノートを作る。(どんな日だったかいまいち思い出せない。日記はさぼるもんじゃないね。23日金曜日記入)


2017年6月18日(日)はれ

午後、倅を連れて長浜まわりの各駅停車で大洲に行ってきた。あっ、このごろは、長浜まわりの予讃線のことを「愛ある伊予灘線」と呼ばねばならぬらしい。本数の少ないローカル線だが、向井原から長浜までは伊予灘の海沿いを走り、長浜から大洲までは肱川沿いを遡るように走る、まことに眺めのよい路線である。

みきゃん車両・前面
みきゃん車両・側面

俺たちの乗ったのは、このみきゃん車両。愛媛県公式マスコットキャラクター「みきゃん」をはじめ、ご当地のゆるキャラが勢揃いしている。14時36分発の宇和島行。運転士は若い女性だった。この華奢な運転士さんが、長浜まわりで宇和島まで各駅停車ワンマン運行とは、またハードな仕事だ。お世話になります。

車窓から見る伊予灘
伊予上灘駅付近の海の眺め。天気はよかったが、残念なことに海にはガスがかかったようで見通しが悪かった。

長浜あたりの肱川
長浜は肱川が伊予灘に注ぐ河口近くの漁業の街。幅広く滔々と川が流れている。

列車に乗ること1時間半。伊予大洲の駅で降りて外へ出ると、なぜか駅前にシャクマトフ教授がいる。なんでやねん…。聞けば、スペインからのゲスト(ハビエル・ドミンゲス先生)を、これからどこかの宿に案内するらしい。そういえば、水曜日にTGSAセミナーでドミンゲス先生に講演していただくのだ。挨拶と簡単な自己紹介をしてから、俺と倅は歩いて旧市街地へ向かう。

臥龍山荘
如法寺河原から見た臥龍山荘。逆光なので綺麗に撮れない。

大洲は小さな城下町で、日曜日とて、旧市街はとても静かだ。時刻はすでに16時半近く、あちこち見て回る時間もなかったが、ひとまず大洲神社にお参りし、如法寺河原に行った。河原から臥龍山荘を見て気が済んだから帰ることにした。重文の如法寺仏殿は次の機会に見にいくことにしよう。帰りは特急を使ったので40分足らずだ。倅は在来線の特急に乗るのは初めてなので楽しかったらしい。


2017年6月17日(土)くもり

コミセンの図書館に本を返しに行った。7冊も借りたのに2冊しか読み終えられなかった。もうちょっと考えて行動すべきだな。

ともあれ、土曜日の午前中にコミセンの図書館に行き、その帰り道に松山市農協のマーケットで揚げ物を買って昼食に出す、というのは、お気に入りのコースである。

午後は娘を伴ってまたまたジュンク堂書店へ。今回の目当ては2冊。テッド・チャン『あなたの人生の物語』(ハヤカワ文庫)と野澤道生『教科書一冊で解ける東大日本史』(光文社新書)だ。そのあと娘は塾に行ってしまった。帰りはひとりで気楽に歩くことにする。堀之内公園のベンチで『あなたの人生の物語』所収の『ゼロで割る』を読む。算術の形式的体系の矛盾を証明してしまった天才数学者の話。面白かったが、数学的に細かいところが、すこし気に入らない。公園では、少し離れたところから、ギターとオカリナの二重奏が聴こえる。ちょっと素人くさいが、のんびりとした初夏の午後の公園にはピッタリだ。そのあと、ドラッグストアやホームセンターでいろいろ買いものをして帰宅。

夕食後、表題作の『あなたの人生の物語』を読む。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画「メッセージ」の原作なのだが、小説を読む限り、俺にはこれが映画になるとはとても思えない。まあ、それはただ単に、俺が映画という表現に疎いからだけどな。もう一冊の本の著者、野澤道生さんというのは、愛媛県の高校教員をしながら、日本史の公開講座を続けている人だ。


2017年6月16日(金)くもり

今週から卒業研究ゼミは金曜の午後。きょうの発表は、10kくんと枝eくん。

シェリー・シーサラー『「悪意の情報」を見破る方法』(今西康子訳, 菊池誠解説, 飛鳥新社2012年)を読み終えた。数日前から読んでいたのだが、最後の4分の1くらいがなかなか読み終えられなかった。途中まで読んで寝かせてしまうと、内容が頭から抜けてしまうから、本なんてものは一気に読めれば、それに越したことはない。この本は、科学リテラシーの本ということに一応なるのだが、潜在的な射程はもっと広く、情報過多の現代に生きる俺たちにとって必須のスキルというべき「情報の受けとり方」を説いた本であった。


2017年6月15日(木)はれ

梅雨入りしたのかしていないのか、晴天が続く。洗濯済ませてから出てくりゃよかった。

手書き講義ノート

いつも、講義ノートはA4用紙を4等分したものを1マスとして6〜8マス、手書きで準備する。今週から始まった「数理論理学」の講義ノートは、Webで公開する前提であるから、人前に出せるように、ていねいに書く。すると、字が小さめになって、そのぶん高密度なノートになってしまう。昨日準備をしながら、こりゃ7マス目からは来週に持ち越しかなあと思った。きょうの講義で喋ってみると、案の定、6マスぶん話して時間切れとなった。小テストの時間も必要だったからね。きょうの内容は、命題論理の意味論。といっても、大したことはしない。真理値表の書き方、真理値割当ての定義と、論理式の値が再帰的に決まるしくみ、トートロジーの概念。ここまで2回で済んだから、命題論理の話は4回で済むだろう。いいペースだ。述語論理と構造の話に多めに時間を割きたいからね。

やる気のないあひるやる気のないあひるやる気のないあひる

安東正樹『重力波とはなにか』(講談社ブルーバックス)を読み終えた。昨年ついに実現した重力波の観測について、詳しく解説してくれる本であった。重力波の測定には、なんと10のマイナス21乗(おおよそ、地球-太陽間の距離に対する水素原子の直径の割合い)という精度で空間の伸び縮みを計測せねばならないらしい。そのような高精度の測定のために、さまざまなアイデアが検討され、あらゆる先端技術が援用される。意味のある重力波信号をノイズと区別するため、そして波源の位置を特定するためにも、複数箇所での観測が必須だし、重力波と同時に電磁波(電波・光・X線など)で現象を観測すれば、より多くの情報が引き出せる。国際的で分野横断的な協力態勢が必要なのだ。成功した実験のニュースしか普段われわれの耳に入ってこないわけだが、このように、成功を支えた水面下の努力がものすごい。

昨年2月に初めて観測された重力波は、10億光年ほど離れた遠くの銀河でふたつのブラックホールが互いの周りを周回しながら近付きあい、最後に合体した際に発生した重力波だったという。このような現象が起きることは、理論的には予想されていたが、従来の電磁波による観測ではまず見つけられない現象であったことだろう。われわれは電磁波(とニュートリノ)の他に、重力波という新しい宇宙観測のチャンネルを手に入れたことになる。

ビッグバンの痕跡を示す宇宙背景マイクロ波放射は、ビッグバンの30万年ほど後に発生したいわゆる「宇宙の晴れあがり」の直前の様子を伝えてくれるにすぎないが、もしも宇宙背景重力波が観測できれば、それはビッグバン以前の、インフレーションによって拡大された「空間のゆらぎ」の残響を聴くことに相当するそうだ。もっとも、そのような宇宙背景重力波はきわめて周波数が低く(ミリヘルツからマイクロヘルツのオーダーに)なっているので、数百年間も精密な計測を続けねば観測できず、直接観測は現実的に不可能だという。まあ、それはそれで夢のある話じゃないか。


2017年6月14日(水)はれ

午前中は、ほとんど何もできなかった。慚愧慚愧。

きょうの「数学科お茶会」はO下さんがフェルマーの二平方和定理の話をした。3以上の素数 \(p\) について、4で割った余りが1なら \(p=x^2+y^2\) と二つの整数の平方の和で書ける。またその逆が成立する。トークの中でガウス整数を使う証明を紹介したあと、もうひとつの初等的な証明のガイドを「問題」として配布。

「お茶会」のあとは、あすの講義の準備。Webで手書きノートを公開するなんて約束してしまったもので、準備のハードルが高い。まあ、悪いことではないのだが。小テストは図をひさびさにTikzで描いてみたが、思うようなものにならなかったので、次回からはAsymptoteに戻そうと思う。19時すぎまでかかって準備を終えて、歩いて帰宅。スーパーに寄り道していたら、家に着くのがずいぶん遅くなった。


2017年6月13日(火)はれ

珍しいこともあるもので、朝7時には家の者がみな出かけてしまって、俺ひとりが残った。仕方がないので、洗濯機を回しながら明後日の講義の構想を練り、洗い終った洗濯物をベランダで干してから出かける。風は冷やかだが、歩いているうちに汗ばんでくる。

午後、「数理論理学」の講義の1回目。90分の間尺に全体のイントロダクションと命題論理の構文論を無理矢理詰めこんだ形で、ちょっと慌しかったかもしれない。

やる気のないあひるやる気のないあひるやる気のないあひる

奈良女子大の鴨さんのツイートに触発されて、帰り道を歩きながら、いろいろ考えた。

「関西すうがく徒のつどい」の運営会議などに顔を出してみると、最近の学生さんたちがわれわれの世代よりはるかに実際面で優秀だと感じる。彼らはまず必要にして十分な作業をテキパキとこなす。意見や感想がないわけではないが、それは、実務が済んだあとに初めて漏らす。われわれの世代(50代以上)の宿痾たる「カッコええ理屈を言うた奴が偉い」とか「皆にええ夢見せた奴が偉い」という発想が、彼らにはない。

これは「すうがく徒のつどい」の運営に携わる学生たちが、たまたま学生時代の俺より優秀だというだけなのか。いや、確かに彼らはとても優秀だが、俺の勤める大学でも、20年ほど前よりいまの学生のほうが何かにつけマジメだなと感じる。おそらく、鴨さんもこれに近い印象をもった上でのツイートだったのだろう。

・・・と、ここまで考えたところで、どこからかネコの「みぃ〜」という声が聞こえてきて、考察は中断された。夜の帳が降りてきた街の、ビルの向こう側で鳴いているらしい。探してみると、暗くてよくわからないが、乳離れしてまだ間もないような、白黒ブチの子ネコである。小さな身体で声ばかり大きくなにやら訴えている。おおかた、母ネコを探しているのだろう。近寄って姿を確かめたかったが、ネコの立っているのがよそさまの家の玄関先なもので、迂闊に近寄るわけにいかない。「不審者」になるわけにもいかないからね。


2017年6月12日(月)くもり

夕方の会議が済んだら18時半。ピアノのレッスンまで30分しかない。大急ぎで花園町の音楽教室まで行かにゃならん。2週間前に医者に行ったときのようにいいタイミングで市内電車が来てくれないかと思ったが、どうも期待薄なので歩くことにした。それで、脇目もふらずに早足で移動したら、20数分で南堀端の電停付近まで行けることがわかった。やれやれここまで来ればもう安心。セブンイレブンでエナジードリンクを買ってレッスンに備える。

レッスンでは、ブルグミューラー18の練習曲から第7曲「こもり歌」が通った。次にポップス譜の運指の相談。この曲も頑張ればなんとか弾けるようになりそう。希望が見えてきた。

レッスン後は、いつもならGarakta Cafe&Barでウィスキーだが、胃腸の具合がよくないので酒は控えることにして、ドトールコーヒーでカフェラテを飲みながら明日の講義ノートを準備する。しかし、窓側のテーブルの婆さま二人がよく喋る人たちで、ちょっとかなわなかった。講義ノートは帰宅して夕食後に完成。かなりひさしぶりに、酒を飲まずに就寝。


2017年6月11日(日)くもり

妻はバイト。娘は友達の家に遊びに行く。倅は午後から児童館へ遊びに行った。俺は一人で県立図書館に行き、先日借りた本のうち貸出し延長の手続をしていない2冊を返却。それから愛媛県美術館でウェールズ国立美術館収蔵品展『ターナーからモネへ』を見た。ターナー、クールベ、ミレー、コロー、モネなどなど、俺でも名前くらいは知っている有名作家の絵がいろいろ。ルノアールやセザンヌも1点ずつだが見れた。地味だがいい展覧会だ。ジブリの映画の協賛企画もいいけど、愛媛県美術館には、こういう地味なようで文化的な企画をもっと増やしてほしい。

美術館から出てジュンク堂書店に行って本を3冊買った。川村湊『言霊と他界』(講談社学術文庫)安東正樹『重力波とはなにか』(講談社ブルーバックス)本間希樹『巨大ブラックホールの謎』(同)という講談社人生。だが、あとで調べたらブルーバックスの2冊は県立図書館にあった。買う前に図書館の蔵書を検索して借りに戻ればよかったな。


2017年6月10日(土)くもり

年に一度の教育懇談会。後援会総会のあと、学科ごとに学修指導や就職の現状について説明する。俺の役目はそのあとで、受け持ち学生の親御さん(希望者のみ)と面談する。今年は、ゼミ生のおうちの方が1人いらっしゃった。

その後、歩いて街へ向かう。娘と塾帰りに待合せて、靴を買ってやろうと話していたのだ。それで銀天街の靴屋に行ったが、ちょっと気に入るものがないらしかったので、靴の件は延期にして、まつちかの「愛南町 みしょうMIC」で食材を買って電車で帰宅。


2017年6月9日(金)はれ

朝のうち快晴。昨日は一日じゅう家にこもっていたからなおさら、外に出ると気分がいい。昨日みたいな調子のよくない日でも、一度くらいは戸外に出るべきだったな。

夕方、ごんざぶろう こと平山寛さんが研究室を訪ねてくれた。人工衛星技術の研究者である平山さんは、ひめぎんホールで開催されている第31回宇宙技術および科学の国際シンポジウムに参加するために秋田から松山に来ているのだ。

もう20年以上前の話になるが、Macintosh向けパソコン通信ターミナルソフトJtermやテキストエディタJeditの開発元だった株式会社まつもと (現Artman21) が、サポートBBS『まつのゆ』というのを運営していたことがあった。かつて俺はその「まつのゆ」でPomと名乗って活動しており、また平山さんはGonzaburoという名で登場していた。現在に至るまで「まつのゆ」つながりの知人とはいろいろな機会に顔を合わせているが、Gonzaburoさんに直接お会いするのは、実は初めてだ。

どこかで晩飯でもご一緒させてもらおうかと思ったが、聞けば先約があるとのことだったので、日赤病院のタリーズコーヒーでコーヒーを飲みつつお話しさせてもらった。平山さんの携わる宇宙開発はやっぱり面白話の宝庫だったが、共通の話題(国立大学というところの現状など)にはどうも明るい材料がなくて、こちらからはあまり愉快でない話しか出せなかった。申しわけない。宇宙の人にも楽しんでもらえる数学の話ができるよう、俺はもっと精進せねばならん。


2017年6月8日(木)くもり

ツイッターなんか辞めてやるぅ、と思う日もあるのだった。どうもいろいろの調子がよくないので、急遽、明後日の休日出勤の代休を取ることにして休ませてもらった。伊東俊太郎『ギリシア人の数学』と、菊池誠『科学と神秘のあいだ』を読んだ。この場合の菊池誠は、神戸大学のロジックの先生でなくて、大阪大学の物理学の先生のほう。『科学と神秘のあいだ』はどこかのWebマガジンに連載していたエッセイの書籍化らしい。若い読者に語りかけるような調子の文で、読みやすかったが、認識論と倫理の両方に関わる重いテーマに、Webマガジンの連載エッセイで取り組んだのであるから、どうしても書き切れないことが残ったであろう。読んでいて、不完全燃焼な印象を受けた。


2017年6月7日(水)あめ

世間じゃあ中間テストのシーズンだが、「集合と位相 I」の期末テスト。テスト中、窓の外は大雨だった。

なんで6月初旬に期末テストなんだと言われても困る。もともと2年前まで前期に週2コマやって4単位だった科目(セメスター開講の科目)を、週4コマやる代わりに2ヶ月で済ませようって話(クォーター開講)になっている。誰が何を望んでこのような制度が導入されたのか、本当のところは、まったくわからない。いつものことだが、上から降ってきた改革案を、さも自分たちが立案し自分たちが望んで選択したかのような形で導入せねばならんかったのである。いわゆる改革のための改革で、なんともやりきれない。理不尽な思いをしたのはどこの大学も同じのようで、多くの大学の多くの学科では、従来のセメスター開講の授業を2クォーターにわたって実施して、実質的にクォーター制を骨抜きにしているらしい。しかし、俺たちの学科では、この制度を逆手に取って、それぞれの教員が1クォーターずつ授業担当のない期間を得て研究活動に時間がさけるよう、授業スケジュールを工夫している。


2017年6月6日(火)くもり

「命題論理のコンパクト性」を選択公理がわりに使って、任意の(単位的で可換な)環の素イデアルの存在を証明する、というレジュメを書いて、職場の自分のホームページに置いた。来週から始まる「数理論理学」の内容からちょっとだけはみ出した応用例という扱いだ。選択公理のないZF集合論において「命題論理のコンパクト性」「環の素イデアルの存在」「任意のブール代数上の超フィルターの存在」「ハウスドルフ空間に限定したティコノフの定理」は互いに同値である。まとめて「素イデアル定理」と呼ばれるこれらの同値な命題は、選択公理より真に弱いが、応用上重要な定理ばかりである。…なんて話は「数理論理学」の講義でやるわけにもいかないので、最小限度のレジュメだけWebで公開して、ちょっと言及するだけで済ませるつもり。いろいろの事情により、「数理論理学」では、講義ノートと毎回の小テストもWebで公開する予定である。


2017年6月5日(月)はれ

いつもの月曜日。夜にピアノのレッスンに行き、Garakta Cafe&Barでスコッチウィスキーを飲み、塾を終えた倅と合流して帰る。


2017年6月4日(日)はれ

午前中、コミセンの図書館に行ったら、第31回宇宙技術および科学の国際シンポジウムの幟がたくさん立っていた。どうやら、7日までひめぎんホール(愛媛県県民文化会館)でJAXAや宇宙技術関連企業が一般向けの展示会を催しているらしい。日頃ゲーム漬けの倅をコンピュータから引き剥がすのにちょうどいい。午後には倅を連れてこれに行こう。

というわけで、行ってきた。展示会といって、本物のロケットが見れるわけじゃないが、ロケットや衛星の部品と関連技術の展示はいろいろ興味深かった。

たとえば、デブリ(ロケットの残骸や用済みの人工衛星などの宇宙ゴミ)を掃除する計画がビデオで紹介されていた。たいていは、大気圏に落っことしさえすれば、大気圧で燃えつきてくれるわけだが、放っといても落っこちてこないからこそ、宇宙ゴミなのである。落っことすためには、軌道を変えなければならず。軌道を変えるには、それなりの力が必要になる。かといって、ゴミ処理のためだけに動力源を宇宙に持っていくのは得策でない。そこで、どうするかというと、デブリに長い電線をぶら下げるのだそうだ。地球磁場の中を導体が動くことで、導体内に誘導電流が発生して、抵抗力が生まれてデブリを減速させる。実用化はこれからだが、実証実験としてはすでに成功しているらしい。

そのほか、ロケットの構造を支える軽くて頑丈な新素材とか、軌道計算ソフトウェアパッケージとか。人工衛星ひとつ飛ばすだけでも、いろいろな企業や団体が関わって、技術力を結集していることがよくわかる。あと、これは宇宙技術に関連があるのかないのか知らんけど、燃料電池で走る乗用車(トヨタのMIRAI)も来ていた。話に聞く燃料電池の、実物を見るのはこれが初めてである。

展示を見たあとは、別行動で街に出ていた娘とJR松山駅で合流。元町珈琲でおやつにしてから、歩いて帰宅。


2017年6月3日(土)はれ

どうも土曜日はいつもグータラしている。夜、妻が友人との会食に行っているので、子供らを連れてフジグランのフードコートに行って夕食にした。


2017年6月2日(金)くもり

家でいろいろあって、大学に行くのが午後になってしまった。来週水曜日に実施する「集合と位相」の期末テスト問題を作った。基本的な問題ばっかりであるから演習の時間にきっちりやってた受講者には楽勝のはずだ。


2017年6月1日(木)くもり

朝、いろいろの事情で7時40分に大学に着いた。なんとまあ。何はともあれ、昨晩仕上げた原稿をメールで編集さんに送る。もちろんこれで脱稿などという気楽なことではなくて、これまでに書いた部分のいろいろな不具合を、これから直さねばならない。後ろから前に向かって直していくかっこうになるだろうな。

夕方、いつもの医者に行く。時間がタイトで、タクシーを使わねば予約時刻に間に合わないかもしれないと思ったので、日赤病院内のATMで手早く現金を用意。しかし今日に限って日赤病院前にタクシーが1台もない。電話で呼ぶのもひとつの手だがどうするか、と思いつつ電停に回ってみると、ほどなく電車がやってきた。ままよと乗り込んだこの電車で、松山市駅前についたのが、いつも利用するバスの発車時刻2分前。ぎりぎりだが間に合った。こういうこともあるから、物事は簡単にあきらめないほうがいい。ただし、あわてていたせいで、バスに乗る時にカードをタッチするのを忘れて、降りる時に運転手さんを手間取らせてしまった。ごめんなさい。

そんなこんなで、フタを開けてみれば、予約時刻より10分ほど前に医院に到着。しかもすぐに呼ばれたので、診察終了は予約時刻の2分後という結果。薬局で薬をもらって外へ出ても、まだ外はずいぶん明るい。いつものように、散歩がてら歩いて帰宅。