て日々

2021年10月

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昼間はほとんど家から出ず、明日の大学院の授業のスライド作り。

晩飯は麻婆丼。夕食後、倅の2度目のコロナワクチン接種に行く。倅のやつ、明日は学校が休めるぞと言って嬉しそうにしている。

一日じゅう曇り空。午前中は木曜日の授業のためのスライド作り。午後、卒業研究ゼミ第1組。その前後には、Pythonを使って少し計算。ExcelのワークシートをPythonに読ませるopenpyxlパッケージの使い方がなかなか覚えられず、毎度毎度リファレンス本を探すところから始めなければならない。

火曜日は近所のスーパーで豚肉が安い。なので夕食はポークソテー。ピアノ教室が今週お休みなのできょうはレッスンなし。倅が塾に行ってる間、地下BALで飲んだ。思いがけない方向から世間の狭さを思い知るなど。

朝は非常勤先での初めての対面講義。天気がよくないから自転車じゃ無理と思って、早めの電車で行ったら、早すぎるくらいに着いてしまった。講義室はちょっと大きめの階段教室で、スクリーンはなんとLEDディスプレー。こんな立派な教室で授業をさせてもらえるなんて嬉しい。受講者の雰囲気も教室の設備も、今回でだいぶわかったから、次回からもがんばろう。

それから本務先に移動し、昼休みに教室会議があって、午後には大学院の講義。公理的集合論における直積の存在証明から始めて、二項関係や関数のあつかい、それから自然数の理論をやった。次は、自然数から整数、整数から有理数、有理数から実数を作る話を木曜日にやって、それで「普通の数学を公理的集合論に埋め込めますよ」というデモンストレーションはおしまい。来週は順序数の理論に進もうと思っている。

夕食はビンチョウマグロとカツオのぼっかけ飯。箸休めにししとうの焙ったやつ。

倅はきょうも登校。記念式典のためだ。昼食は冷し中華。夕食は豚肉と茄子の炒めたやつ。午後の早いうちに、明日の大学院の講義のスライドづくりを一段落させた。

明日は第1時限から非常勤の授業がある。昨年も担当した講義であり、今年の授業もすでに3回目だが、キャンパスへ出向いていって対面授業をするのは明日が初めてだ。朝早いのと、勝手がわからないのとで、若干不安だが、まあ、なんとかなるだろう。

倅の通う高校が、創立130周年記念式典というのをやるというので、倅は準備のために午前中だけ学校に行った。昼食にはチャーハンを作り、帰ってきた倅と一緒に食った。

昼食後、県立図書館に行く。あさって月曜日の大学院の授業のさいに文献を紹介しようと思ったのだ。集合論の枠内で自然数を定義し、基本的な性質、すなわちデデキント-ペアノの公準が成立していることを示し、さらにその応用としてたとえば足し算やかけ算が定められることを解説するというのが月曜の授業の主な内容で、さらに木曜日にはこの自然数の構造をもとに整数や有理数、さらには実数の構造を定義してみせる予定だ。このようにすれば、古典論的な数学は集合論の中で定式化できる、という話なのだが、self-contained にやって見せようとすれば何時間も必要だろう。この授業では、ほんのさわりのところだけ紹介して、詳しく知りたい人にはいろいろの文献を読んでもらうことにする。紹介する文献は、彌永昌吉『数の体系』上下(岩波新書)とか、高木貞治『数の概念』(講談社ブルーバックス)とか、リヒャルト・デテキント『数とは何かそして何であるべきか』(渕野昌訳、ちくま学芸文庫)とか。ちゃんと調べれば、もっと新しい本もいろいろあるに違いないのだけど。

午前中に時間をみつけて、いよてつ高島屋の紀伊国屋書店へ藏丸竜彦『数学ゴールデン』の第3巻を買いに行ってきた。倅も読みたがっているようだし。いよてつ高島屋では、紀伊国屋書店のある7階の催事場で、一昨日から北海道物産展をやっていて、平日の開店直後だというのに、なかなかの賑わいだった。が、俺は紀伊国屋書店で目的の買い物を済ませてさっさと退散。

テストを終えて帰ってきた倅といっしょに昼食のスパゲティを食ってから、歩いて大学へ。職場のウェブサイトの更新などなどの作業をし、3年生ゼミをやる。往復を歩いたのでけっこう汗をかいた。夕食はもやし炒め。ちょっと醤油を入れすぎた。

きょうは午前中に街へ出かけ、大学へ歩いて往復し、夕食後にも散歩を兼ねたウォーキングを30分ほどした。その結果、Apple Watchのムーブリングは964kcal、エクササイズリングは114分で、どちらも自己ベスト更新。歩数は16,824歩を記録している。そこそこの運動量になった。

午前中、お昼前まで大学院の講義第2回。公理的集合論が描き出そうとする「純粋集合の世界」の素描、言語の形式化、ZFCの公理の一覧。

午後には卒業研究ゼミ第2組が13時からあるが、倅が学校から戻るのが12時40分過ぎである。倅に昼食を出してセミナーに臨んだのはいいが、自分の昼食の時間がとれない。まあ、セミナーがいつになく短かめで終わったので結果オーライではあった。内容は命題論理のLKの健全性の証明だった。その後は夕方まで大学院の講義の第3回のスライド作りの作業。週2回のオンライン講義なので、ずっとスライドを作り続けている感じである。夜は倅が塾に行っている間に運動を兼ねて家からちょっと離れたスーパーに買いものに行った。テスト週間だからかどうか、倅の塾はきょうは夕刻から20時までというスケジュールで、そのため夕食は帰宅後になる。牛肉と大根の煮物を作った。休肝日。

午後、授業はないが、学生のアポイントメントがあったために大学に行き、ついでにいろいろの手続きもする。その一環で、8月10日に受けた検診の結果が返ってきた。夕方、知人と会う約束がある地下BALへ向かう途中の市内電車で、検診の結果を開封してチェックする。中性脂肪とγ-GTPと尿酸がよくない。理由は明らか。運動不足と酒の飲みすぎだ。こりゃいけない。大街道で下車して、まつちかまで歩いた。

きょうも天気がよくて嬉しい。倅を学校へ送り出し、シャワーを浴びて洗濯をして、そのあと午前中は明後日の大学院の講義のためのスライド作り。午後には卒業研究ゼミ第1組。ルベーグ積分とリーマン積分の比較。

夕食は豚肉のマスタード焼き。夜、倅は塾に行き、俺はピアノのレッスンに行った。声部ごとの力加減ができず、どうしてもガチャガチャブンブンとやかましく鳴らしてしまう。決してそういう曲ではないのに。まあ、こればっかりは丁寧に練習するしかない。レッスン後は地下BALで軽く飲む。ラベルに KOTOBUKIYA CO.LTD. との印字がある「サントリー角瓶復刻版」は、普通の角と比較してかなりスモーキーで、ハイボールで飲んだらなかなか旨かった。21時すぎに帰宅し、夜食にチキンラーメンを倅と食った。夜食なんてことをするのは数年ぶり。チキンラーメンを食うのは、もう十年ぶりじゃきかない。四半世紀くらい食ってなかったんじゃないだろうか。

朝、倅を学校へ送り出すと、ほどなく非常勤の講義の時間。きょうは2回目。テーマは「データの可視化」だ。

Zoomを使った遠隔授業を終え、やれやれと思ってダイニングを見ると、倅が弁当を置き忘れている。昼休みまでに高校へ届けてやらねば。ちょうどそのとき、家の浄化槽の法定点検が進行中だったので、それが済むまで待って、電車で出かけようとしたが、タッチの差で電車を一本逃がしてしまった。駅で次の電車を待ちながら高校の事務室へ電話して、あわてて購買でパンを買ったりしないようにと倅への伝言を頼んだ。弁当は無事に間に合ったが、帰りの電車に乗るのがお昼過ぎになってしまって、今度は自分の昼食の時間がなくなりかけた。というのも、12時40分から大学院の特論の遠隔授業をせねばならないからだ。仕方がない。コンビニでお茶とおにぎりを買って帰り、パソコンをスタンバイ状態にしながら簡単な昼食にした。

弁当を忘れるなんて、倅が学校に出発するときに、俺か倅のどちらかが気付けばいいだけのことなのに、今朝は俺も迂闊だった。週末ちょっとバタバタしたので、俺も倅も、ちょっと疲れていたのだろう。

大学院の講義は公理的集合論で、今回は初回なので、全体的なガイダンスのあと、素朴集合論の概要と、公理化の沿革を話した。言語の形式化も公理のステートメントの叙述も、本格的には次回からだ。

先週から読んでいたカミュ『シーシュポスの神話』清水徹訳・新潮文庫版を読み終えた。大学生のころ以来の再読であった。夜、倅が塾に行っている間に、散歩を兼ねて近所のブックオフに行ってみる。鈴木宏昭『認知バイアス 〜 心に潜むふしぎな働き』(講談社ブルーバックス2020年)など、合わせて3冊を購入。

昨日の日記には妻は俺と倅の面倒を見るつもりで帰ってきたようだと書いたが、妻としては、この3月末にバタバタと済ませた引越し作業で取り零したいろいろな物を回収するというのも、大きな用件だったらしい。きょうも妻は朝から、右のものを左にやったり、上のものを下へやったり、あいかわらず大騒ぎしている。

妻は夕方の羽田行きの飛行機で松山を発つ予定だったのだが、飛行場で動き始めた飛行機に何らかの機体トラブルがあったとかで、急に欠航することになってしまった。空港のカウンターで1時間以上にわたって交渉した結果、夜行バスで大阪へ移動し、明日の朝、伊丹発の飛行機で帰るという代替手段が決まった。夜行バスの発車まで少し時間があるので、妻は家に戻ってきて、俺たちと一緒に夕食をとった。松山市駅行きの最終電車で出発する妻を、俺は駅まで送ってやった。

実は、妻が一昨日に松山へ来るのも一筋縄ではなかった。木曜の夕方に勤務地から東京行きの夜行バスに乗って金曜の朝に羽田に着いたはいいが、台風16号の影響で松山行きの飛行機が欠航することになったのだ。仕方なしに妻は高知行きの飛行機に振り替え、高知から高速バスで松山入りした。台風も昨日には温帯低気圧に変わり、さすがにきょうの帰りの便は安泰だろうと思ったら、まさかの機体トラブルだ。

ひょっとしてと思ってネットで調べてみたら、いまは占星術でいう「水星逆行」の時期である(9月27日~10月19日)。交通や交易、広い意味でコミュニケーション全般をつかさどる神ヘルメスを象徴するという水星が黄道上で逆行している時期は、旅行やコミュニケーションのトラブルが発生しやすいとされている。今回の妻の帰省は、往復の旅程のトラブルやらプリウスのバッテリーのトラブルやら、まさに波乱続きだった。となると、思わず占星術を信じたくなるが、その前に落ち着いて考えてみよう。

水星逆行は今年だけでも3回発生する。1回の逆行の期間は21日程度。とすると、1年のうち60日くらいは逆行しているわけで、そう思えば、決して珍しい現象ではない。いっぽう、旅行というものは、もともとトラブルがつきものである。—— 大学時代のフランス語の先生が教えてくれたところによると、英語のトラベル(旅行)とトラブル(故障)とフランス語のトラヴァイユ(労働)とは同語源で、もともと「苦行」というような意味だったとか。 —— 水星逆行は珍しくない現象であり、旅行にはトラブルがつきものだとすれば、今回の妻の旅程のトラブルも、べつだん「水星逆行のせい」と考える必要はない。いろいろなことがたまたま重なっただけなのだ。たまたま今回、水星逆行の時期にいくつものトラブルが重なったので、原因探しをしたがるヒトの心の性で「さては水星逆行の影響でこんなことになったのか」と考える誘惑に駆られてしまったわけだ。いやほんと、今回はあまりに典型的だったから、ちょっと笑ってしまったのだけど。

話を戻そう。俺と倅と、3人で時間を過ごしながら、妻はしきりに「このあともこんなふうに、この生活がずっと続くような気がしてしまう」と言っていた。いまは仕事で松山を遠く離れて暮らす妻にとっても、松山のこの家がわが家であり、俺や倅や娘が家族なのだ。今回の妻の帰省は、そのことを再確認するいい機会になった。とはいえ、俺と妻の行動原理の違いがこの3日間でずいぶんと明らかになったわけでもある。3年前から続いている、お互いからちょっと距離を置いた暮らしが、俺たち夫婦には結局合っているのだろう。だからといって、四国と東北というのは、距離を置きすぎだけどな。

そういう色々なことを話しあう時間もとれて、有意義な週末だった。

久々に週末を懐かしい家で過ごすとなったら、俺だったらひねもすのんびりしてしまうところだけれど、妻の意識では、今回の帰省のあいだも休むつもりなど毛頭なく、いわば俺と倅の面倒を見るつもりで帰ってきたようだ。朝からずっと、倅のワイシャツの襟首の汚れに洗剤をつけてこすったり、外回りの草刈りをしたり、そうかと思えば保健福祉学会のリモート大会をZoomで視聴したり、その片手間に床を掃いたり拭いたり、バタバタしている。まあ、仕方がない。結婚から22年を経てようやく、わが妻は「のんびりする」ということのできない人間であるということが俺にも理解できた。—— 誤解のないように言うが、妻とて疲れれば休むし、ついダラダラすることはある。ただ、休むぞと意識してのんびりするという、俺が大好きな時間の過ごし方が、妻にはできないのだ。—— 今回の帰省に関する彼此の意識の違いに早めに気づけたのは幸いだった。

ところで、今回の保健福祉学会学術集会の大会長をなさっている淑徳大学の渡邉多恵子教授は、2006年12月9日の日記に登場したハナさん、2007年10月20日の日記に登場した はな* さんと同一人物である。(この日記にはもう一人、ハナちゃんという別人が時折登場するが、それはともかく) この15年の間にハナさんも妻も研究者として大きく逞しく成長した。それにひきかえ自分は…わはははは。

昼食はミートソーススパゲティ。午後は妻の運転するプリウスで今治までドライブした。これは娯楽というより、久々にエンジンに点火することになったプリウスのご機嫌伺いという意味が大きい。帰宅が遅くなったので夕食は早く作れるものにしようと思って、スーパーでかき揚げを買ってうどんにした。

月曜日の非常勤の講義スライドを、発表用にプリントアウトする。パワポのスライドにかなりの量の「ノート」を書き込んでいるので、それを見ながら話すことにしたのだ。その後、3年生セミナー。Teamsの接続・音声テストとおおまかな方針の説明だけで終わり。

妻が2泊の予定で松山に戻ってきている。なにか美味いものを食わせてやろうと思って牛丼を作った。それなりにちゃんとしたものができたと思う。